岩根 忍女流三段 vs 小野ゆかりアマ
対局日:2016年7月29日
解説:伊藤真吾五段
聞き手:竹部さゆり女流三段

女流王将戦、ベスト8の3試合目

解説の伊藤「岩根はノーマル三間飛車を得意としていて、安定感がある
小野はノーマル四間飛車を得意としている、女流とは30局以上公式戦で指している(17勝14敗)」

先手岩根で、相振りとなった ▲三間飛車+美濃vs△向かい飛車+金無双

伊藤「相振りの囲いは、矢倉だと手数がかかるので、その分、攻撃に手が回らなくなるので、美濃のほうがコンパクトでいいという人が最近は多いですね」
へー、そうなのか  私の知識では、相振りの矢倉は美濃より上ということになっていたが違うんだね

この2人、女流王将戦の予選で、岩根は清水を、小野は中井に勝ったということだ

岩根から仕掛けて、だいぶ進んだが、2人とも間違えない
伊藤の解説する予想手のとおりに指していく
伊藤「これは一目、互角ですね」
おおー、2人とも強いね  見ていて楽しい

しかし、伊藤の予想手がはずれるときが来た 
岩根が強気で飛車交換を挑んだのだ  うわ、これ岩根大丈夫か?
激しい攻め合いとなった
そして小野に攻撃をどうするか、という選択権がある局面に・・・ 決定的なチャンスだ
さあ、小野は何を指す? 3個くらい候補手があるが!?

小野はここまで飛ばして指してきたので、まだ時間を10分くらい残している (この棋戦は持ち時間25分、切れ40秒)
ところが! 小野は1分ほども考えずにわずかの時間で着手した
それが痛恨の疑問手~! 岩根の玉を逃がしてしまった
伊藤「ここは色んな手があったんで、腰を落として考えたかったですね」  

岩根がうまく相手の飛車を捕獲し、これで体(たい)が入れ替わってしまった
攻守逆転、岩根が攻める展開に、小野は受けるがだんだん駒がはがされていく
ああ~、小野さん、なんでさっき時間を使わなかったのか~

投了まではまだ長く、小野はがんばったのだが、いかんせん戦力不足でもう差が開く一方の逆転の余地がない展開となってしまった
135手で岩根の勝ち  危なかったので辛勝と言えると思う

伊藤「序盤から難しい戦いで、岩根から仕掛けていった
うまく攻めたように見えたが、小野が素晴らしい切り返しで、小野にチャンスがあったんじゃないかと思う
それ以降も難しい戦いだったと思うが岩根が安定した手を着実に積み重ねてなんとか押し切った」

小野さんの急所でのノータイム指し、あれがとにかく悔やまれた
ノータイム指しというのはリズムに乗って指せるメリットがあるのだろうけど、間違えたら後悔が残るね

伊藤真吾の解説は良かった、頻繁に形勢判断をしてくれて助かる
対局者が怪しい手を指したときも、きっちり「今の手は損した」と正直に言ってくれるので参考になる

本局、岩根さんが全般的にうまく指していた
小野さんとしては敗因は一手ミスしただけだったのだが、その一手が取返しのつかない展開となり、それはアンラッキーだった
疑問手を指しても挽回できる場合も当然あるのだが、本局は飛車を取られて、一気に攻めが切れ模様になった
「持ち時間は持って帰れない」というのは誰の名言だったか、それを思った一局だった
でも女流らしさがよく出ていて面白かったよ、好局だった