香川愛生女流三段 vs 渡部 愛女流初段
対局日:2016年7月29日
解説:伊藤真吾五段
聞き手:竹部さゆり女流三段

囲碁将棋チャンネルで土曜に放送されている、女流王将戦 
ベスト8の最後の一戦
多岐にわたって活躍している香川の登場、注目だ

解説の伊藤「香川は今一番面白い将棋を指す女流棋士、振り飛車党でどこに振るかが注目、毎回工夫がある
渡部(わたなべ)はLPSAの実力者、居飛車本格派で細部まで研究している印象」

先手香川は中飛車で、渡部は居飛車 
そこから持久戦でじっくりとした囲い合いとなった
伊藤「香川の(力戦ではない)きれいな将棋というのはめずらしいかもしれない」

香川は中飛車から浮き飛車にして三間飛車に振り直した
▲ダイヤモンド美濃vs△銀冠の双方カチカチの構え
なかなか戦いが始まらなかったが、番組開始から37分、駒が本格的にぶつかった

香川が、自分の飛車の将来の進路に歩を垂らす、という、かなり指しにくい手を敢行
伊藤「うーん、ちょっと打ちづらいと思ったんですけどね」
しかしこれが成功を収めることとなる
香川の垂らした歩は、相手の桂香を拾って、メンツが丸立ちだ

ただし渡部も負けてはおらず、ずっと競り合っている
伊藤「どっちも強いんで、大技がかからないんですよ」

そしてまた香川が伊藤の解説を上回る手を見せた
飛車の使い方で、手損覚悟の、なかなか指しにくい手だ
伊藤「香川は局面を大きく見ている」

伊藤を苦しませる、女流としてはかなりのレベルの内容になってきた、面白い
局面、私の目にはだんだん香川がいいように見えてきた
もともと香川が良かったのか? 渡部がミスしたのか?

香川が自陣に打った2枚の歩が、渡部の竜と馬を封じ込めていて、実に働いている
伊藤「香川が少し抜け出した、香川の表情からすると、山を越えた、という表情ですね」

香川に勝つ権利がきた、そして香川は最短の手順で迫っていく
なるほどなあー、そう寄せるのがいいのか、強いなあ

ところが、そこで渡部が勝負手を放った
伊藤「なるほど、この手は一番イヤですね、油断してました」
うお、ここで香川が対応できるか? 間違えたら逆転だ 40秒で正解が指せるか?

そこで香川が指した、絶妙の桂のタダ捨て! 
次に渡部が打ちたかった地点に自らが打つ、「相手の打ちたいところへ打て」の、香川の絶妙手!
伊藤「美しすぎますね、この手は」
香川の光速流は最後まで止まらなかった
圧巻の寄せ手順で、一気に渡部玉を即詰みに仕留めた 109手で香川の勝ち、会心譜!

すげええーー この最後の寄せ、一連の手順、もう最高だったね
棋譜を見返したら、もうずーっと香川、正確に指してるように思う 
序盤はさすがにわからないけど、後半の50手くらい、もうノーミスではなかろうか?

伊藤「いやー、いい将棋でしたね、少しづつポイントを稼ぐ将棋になって、中盤ではどちらが有利かわからない局面もあったと思うんですけど、香川の打った防御壁の自陣の歩が効いた、最後は美しすぎる寄せでしたね」

香川の最後の寄せ、羽生を見てるようだったなー 
しかも、香川は秒に追われることなく、あっさりと指していた、これは拍手しかない! パチパチパチ!

渡部さんのほうとしてはもう、今回はあきらめがつく内容だったと思う
香川さんが出来過ぎてたね、どうにも相手が強かったわ
 
いや、見事、女流の1時間半番組でこれだけ見せてくれるとは・・・
私はこの番組に対する期待が低いので(笑)
ヒットが観れればいいな、と思うところに特大ホームランが出た感じだ
香川さん、実に魅せる指し回し、素晴らしかった! もう一回拍手しておこう、パチパチパチ