行方尚史 八段 vs 永瀬拓矢 六段 NHK杯 2回戦 
解説 広瀬章人 八段

行方は1993年四段、竜王戦2組、A 20回目の本戦進出
永瀬は2009年四段、竜王戦2組に昇級、C1 5回目の本戦進出

行方と永瀬か 
行方は「不屈の棋士」の本の中で、はっきりと「ソフトを将棋の勉強に使うことを拒否」しており、千田と正反対の立場を取って見せた
そのことで、私の中で行方に感情移入して応援する気持ちは強くなった

解説の広瀬「行方は居飛車の正統派、相手の得意戦法を受けて立つ
永瀬は関東の若手の中でも特に研究熱心な棋士で、序盤から積極的にリードしていく姿勢が目立つ」

事前のインタビュー
行方「永瀬は若手の中でも特に研究熱心な印象ですね
若い人との戦いが最近多くなってきて、なかなか厳しいものもあるんですけど、自分なりに意地を見せていきたいなと思っています」

永瀬「行方は居飛車の本格派、スキのない将棋というイメージがあります
行方八段とは今回で3局目になりますけど、どれも内容が悪かったので今回は内容を良くして、いい勝負ができればと思っております」

これまでの対戦成績、行方0勝、永瀬2勝とのこと 
おーい、永瀬は内容が悪くて2連勝してるんか(^^;

先手行方で、相掛かりとなった  
広瀬「▲3七銀~▲4六銀というのは、わりとまあ最近の指し方だと思うんです、なので手さぐりになる」
この先手の形、そうとう前に指されていそうだ、中原誠がよく指してたなあ、それが今頃また復活してるのか
先手が飛車先の歩を交換していないわけだが、まさかそれがスタンダードになる時代がくるとは・・・

行方が永瀬陣に襲い掛かる
広瀬「行方の駒が前に来ているので、受け間違えると潰されてしまう」
行方の、左桂2段跳ね+右桂2段跳ねという形ができそう
おおー、これは行方が行けるか? 

そこで出た、永瀬の守りの金を相手の攻めの銀と2手かけて交換しに行くという勝負手!
すごい発想! これは誰が思いつくだろうか? 永瀬、さすがタイトル戦で羽生を追いつめただけある!
広瀬「この永瀬の指し方は勇気が要りますね」

その後も、行方と永瀬、両者ともに「手筋」を連発して、観てる私を飽きさせない
永瀬の歩の垂らし、永瀬の桂捨て、行方の自陣に金投入という勝負手・・・

実に面白いねじり合いが展開された
だが、行方の▲3一馬というのが私には悪手に見えた
すかさず永瀬に金をボロッと竜で取られて、あれは粘りを欠いたように思う

永瀬、最後の即詰みの読み切りは鮮やかで、永瀬が106手で勝ち切った
投了図は大差だが、途中は全然、難解だったと思う
手数以上に、長い戦いに感じた・・・ 私は観ていて疲れた(笑)

広瀬「手将棋でお互いに構想力を問われていて、早い段階から戦いになったんですけどね
行方に右桂の活用が見込めたので、行方ペースかなと思ったんですけど、そこで永瀬がひねり出した△2三金~△3四金は、なるほどでしたね
永瀬が竜を作ってからは、行方の飛車を封じ込めて、永瀬らしい指し回しが観られたんじゃないかな」

私にとって、相掛かりは面白い
ほとんど面白い戦いになる感じがする
矢倉は難解、角換わりは研究、横歩取りは意味不明となりがち、その点、相掛かりは観ていて楽しいことが多い
今回も、プロの芸が連発だった

ただ、最善手の連続かというとそれはまた別だ
でもNHK杯でそれを求めるのは、違うんじゃないかと思う
最善手の連続は持ち時間の長い棋戦でやってくれればいい
NHK杯はスリルが楽しめればいいと思う
本局は満足度高し、面白かった