<お知らせ>今まで当ブログでは文末に「。」をつけてきませんでしたが、今回からつけることを試してみます。

丸山忠久 九段 vs 村山慈明 NHK杯選手権者 NHK杯 2回戦
解説 深浦康市 九段

丸山と村山か。丸山について思うのは、もし丸山が竜王戦出場を断っていたらどうなっていたんだろうということだ。
丸山は連盟の決定を疑問視していたし・・・。

丸山は1990年四段、竜王戦1組、B1 26回目の本戦出場
村山は2003年四段、竜王戦3組、B2 7回目の本戦出場

解説の深浦「丸山は序盤から精通していまして、研究家ですよね。中終盤は粘り強いので負かしづらい相手。
村山は昨年は見事で棋譜の名前を隠したら村山の将棋かなとわからないくらい、積極的な手が多かった。序盤から精通していまして非常に重厚な将棋を好みます」

事前のインタビュー
丸山「村山さんは序盤をよく研究されていて、中終盤を非常にしっかりしている印象です。思い切りぶつかっていきたいと思います」

村山「丸山さんはトップ棋士で非常に今日強敵です。角換わりのスペシャリストでもありまして私も角換わりは好きな戦型ですので、本日は角換わりになるのではないかなと予想しています。NHK杯選手権者として恥ずかしい将棋を指さないように気を引き締めてのぞみたいと思います」

先手丸山で、やはり角換わりとなった。相腰掛け銀だ。
深浦「去年のNHK杯決勝の村山vs千田から、この戦型が流行っている」
2人の対戦成績は、丸山6勝、村山3勝とのこと。

深浦「村山は待機策を選んだ」
下段飛車にする作戦、ソフト発祥だったっけ? わからない。
この戦型特有の、「素人お断りの序盤」といった感じ・・・。

村山が6四に角を据え、全体をにらむ。
そして丸山の手に、深浦が「これは難しい、これはめずらしいですね、解説に困ります(笑) 」といわしめている(^^;
深浦「こういう戦い方は見たことがない。両者、探り合いながらということになるんでしょうね」

戦いが起こり、村山が少し駒得。それに村山は歩もたくさん持っている。
深浦「形勢は微差だけど、村山がうまくやっているかな」

これ、駒損している丸山のほうが攻めなくてはいけないと思うんだが、どうやって攻めをつなぐのか?
そう思っていると、丸山がなんと▲1六歩という手を指した! 
ぐああ、もう戦いがだいぶ起こっているのに、今頃こんな手! 
一歩欲しいということなんだが、いかにも証文の出し遅れ・・・。

村山は持ち駒の銀2枚を自陣に投入し、ガッチリと、とにかくすぐには負けない形を作った。
深浦の事前の説明では村山は重厚な形が好きということだったので、これは村山は気分が良いだろう。

村山は敵陣に拠点を作る歩の突き出しを見せ、深浦はそれを褒めている。
深浦「局面は村山良しでいいと思うんですね」

村山としてはあとは攻めがつながれば、というところだったが、ここから魅せた。
控えの桂打ちなどで巧妙に丸山玉にまとわりつき、寄せの足場を作る。
深浦が「ここで飛車を切れば」と言ったところ、飛車を切るより明らかに得な桂跳ね一閃!
深浦「あー、そうか、きれいな決め手になりそうですね、いや見事ですね」
鮮やかで完璧な寄せを決め、110手で村山の快勝となった。
終局図では村山陣はまだまだ安泰で、相当な差がついた。

深浦「序盤の研究から、まだ見たことのない戦いになった。先手の丸山が工夫を見せたんですけども、それに村山がうまく対応して厚みですね、負けない形を築いてそこから見事な攻撃態勢を作って、最後はきれいに決めた。お手本のような気持ちいい快勝でしたね」

感想戦は2人の言うことが難しく、序盤での2人のやりとりには深浦でさえ苦笑していた(笑)
村山が玉頭に銀を守りに打てたところで、丸山が「決定的に悪くしたか」と言っていた。
さんざん戦ってからの▲1六歩のような手では、つらかったなー(^^;

この一局は村山の良いところが出たね。丸山は完全に引き立て役だった。
村山が中盤のやりとりで優位を築いたとはいえ、攻め駒の数が少ないところからどうやって寄せるのかが見ものだったが、ソフトの指し回しを見るかのような、鮮やかな村山の攻め方だった。
いやはや、村山は実に強い、お見事だった。
村山はこんなに強いのになんで前期の順位戦でB1から落ちちゃったのか、謎だ。(B1で3勝9敗だった)
今期もB2で1勝4敗と苦戦している。プロの上位陣は差がないということか。