第15期 銀河戦
本戦Hブロック 3回戦
上野裕和四段 vs 糸谷哲郎四段
対局日: 2006年11月17日
解説:桜井 昇八段
聞き手:藤森奈津子女流三段

去年の再放送 
先手上野で、後手糸谷が一手損角換わりにする
後手は、先手の▲2六銀をまず△1四歩と止めておき、▲3五歩を取らずに手抜いて
四間飛車にして受けた ここらへんはありがちな出だしだ

先手はその後、穴熊に組替えるという趣向を見せる 角交換しているのに穴熊は、
指すのに腕力が要るが、本局では大丈夫なのか
と思っていると、後手は巧妙に先手陣を捌かせないように駒を配置し、一方的に馬を
つくって、香得してしまった △4四銀と急所にガッチリ受けて、早くも終了か、と思わせた
ここまで糸谷は、最初の持ち時間15分を使い切らず、まだ4分残している
対して上野はもう考慮時間を9回使った もう勝負は見えたと思われた
もし自分が上野側だったら、あきらめているところだ

・・・が、なんとここからこの将棋が逆転するのだから、穴熊は本当に怖い
後手の△4四金と、金を活用した手が危険だったようで、
先手は飛車を手にすることに成功した
▲7三歩、▲5三歩の叩きで陣形をくずし、取られそうだった飛車まで捌けて、
先手の勝ちがある局面までもっていったのだった
糸谷にそれほど悪い手があったとは思えない 穴熊はこれだから怖い

最後は入玉を決めて後手が勝った
感想戦では、最後のところは正しく指せば先手が勝ちだったという変化を
糸谷が見せてくれた 糸谷は感想戦でも手の見え方はさすがだった

糸谷はこれで、この年ここまで23勝4敗という奇跡的な数字になった
上野といえばそれほど目立つ人間ではない その上野相手でも勝つまでは大変なのだ
それでこんな数字を残せるのだから、すごいとしか言いようが無い