人工知能はどのように「名人」を超えたのか?
山本一成著 ダイヤモンド社 1500円+税 2017年5月10日第1刷
評価 A  コンセプト<文系の一般人向けに人工知能を説明>

https://cakes.mu/series/3827
この本は、ここの記事をまとめたものなんですね。

棋書レビューです。私には面白く、一気に読みました。
山本さんは将棋ソフト業界ではヒール扱いされてますが、山本さんはこういうメディア関係の仕事もしてくれるので、私は好きなんですよ(^^;

機械学習やディープラーニングなどについて、わかりやすく書いてくれてるので、中学~高校生くらいから読めるんじゃないでしょうか。簡易な図が豊富で、わかった気にさせてくれますね。
ただ、具体的なPonanzaのコードも、ちょっとぐらい見せて欲しかった。雰囲気だけでいいので。

印象に残った部分をいくつか抜き出してみます。
・(初めて電王戦で現役プロ棋士に勝ったときのムードは)正直、ゾッとするようなものでした。まさにお葬式と同じ空気でした。

・私たち人間以外の知能が存在するのです。

・もしかしたら「知の本質」は、「普通の人」と「昆虫」のあいだよりも、アインシュタインと人工知能のあいだにある、と考えるべきなのかもしれません。

この3番目の言葉のページは図入りで、普通の人とアインシュタインがほぼ同じ位置、はるか上に人工知能、そういう図が描いてあります。
要するに将棋に直すと、「羽生三冠もアマチュア10級も、Ponanzaから見れば大差ないよ」という宣言に他ならないでしょう。まあー、そうかもしれませんが・・・(^^;

それと、2045年くらいにシンギュラリティが起こるが、私たちはどうすれば良いのか?という問いがありますよね。
この話題があるたびに、いろんな本やネットに「どうすれば良いのか、考えて議論していかねばならない」と、書いてあるんですよね。それらを見て、「全然答えになってないやん!」と私は腹が立ってたんですけど・・・。
山本さんはとりあえずですが、漠然とですが、答えを書いています。偉いと思いました。

巻末のアルファ碁の話も、大橋プロの本音が聞けてなかなか面白いです。こういうやりとりは後世への遺産にすべきですよね。

チェス、将棋、囲碁、このどれかと人工知能に興味があれば、おススメできます。
この本のタイトルから考えればBonanzaをもっと称えるべきとは思いましたが。
私はもう一回読んだら、より深く理解できそうだなと思ってます。 高評価です。

ただし一言・・・ プログラマさんたちは、どこまでコンピュータ将棋・囲碁を強くしたら気が済むんでしょうか?
この本を読むと、まだまだ際限がなさそうで、もうダメだこりゃと思ってしまいます・・・(笑)