四間飛車上達法 
藤井猛著 浅川書房 2017年12月25日初版発行 1400円+税
評価 A  難度★★~★★★★ コンセプト<最速有段者への道!藤井理論で四間飛車の真髄を体感せよ>

本書は、みなさんがすでにAmazonや棋書ミシュランで大抵のレビューはしてある。私はそれらとかぶらないようにしたい。

この本のカバーの後ろのページによると、本書は中級向けということだ。
そして、初心者~四段向け、とも書いてある。わざと棋力対象を広くした内容となっている。
私が知りたいのだが、実験で、初心者にこれを読ませたらどうなるかということ。
駒の動きを覚えた、一手詰みを覚えた、対戦もそこそこやった、じゃあ次は戦法か?と普通はなるだろう。
そこで早々にこの本を読ませちゃう。
すると何人かに一人くらいは、四間飛車の真髄をあっさり悟り、ぐんぐん棋力を伸ばすのではないかということ。
本書はそういう期待をさせてしまう内容だ。
本書は他の四間飛車関連本を読むときの助けにもなる。

もちろん私自身、面白く読ませてもらった。第2章の急戦編は最高に楽しかった。
持久戦編は、実戦編が「もっと典型的な棋譜はなかったのか」と思えてしまった。

評価がSでなくAにとどまった最大の理由として、やはりボリューム不足はいなめない。
藤井先生が何度も言う「四間飛車の幹(みき)」or「四間飛車の軸(じく)」が作られるにはこの分量では足りない。
まあそこは他の本で補えということなのだろう。

対抗形の四間飛車側というのは、軸を作りやすい戦法なのだと思う。
この軸というのが作られてないと、いつも行き当たりばったりになってしまう。
実戦が事前の研究(軸)どおり行かないのは当然なのだ。しかし軸を作っておくことで、応用が利く。
野球のバッティングで言えば、まずど真ん中のストレートを打つ練習をする。
あるいはティーバッティングやトスバッティングで打撃のフォームを固める。
それができてのち、変化球を打つ練習や実戦をする。上達を考えれば、これが当然だ。
将棋もそうあるべきだというのが藤井理論の真髄だと思う。

S評価にしたいのだけど、ボリューム不足と、「相振りはどうすんねん問題」があるんで、Aになってます。

以下、初版本で私が確認した誤記
↓ P92 D図 ▲6六飛までの図面。後手番。
「△6四歩には▲7四歩」と本文にはありますが、▲7四歩以下△同銀▲6四飛△6三銀▲6六飛と普通は進みますが、それは元のままの局面で千日手コースです。振り飛車が有利なので千日手は損です。△6四歩には▲7四歩以外にすべし、との激指14とtanuki-2018の検討結果です。

四間飛車上達法P92

P151 第10図 後手の持ち駒に歩があるはず。(図面は省略)