第41期 霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
1回戦 第1局 竹部さゆり女流四段 vs 西山朋佳女王
対局日:2019年3月8日
解説:所司和晴七段
聞き手:伊藤沙恵女流二段

今週から、囲碁将棋チャンネルで放送される女流王将戦の感想を書いていきたい。
毎週土曜に放送がありトーナメント15局+タイトル戦2~3局ということで、4か月くらいかかる。
週1で定期的にこのブログが更新されるので、私にとって、いいリハビリとなるだろう。
それに、今の私はNHK杯よりも女流棋戦の内容のほうに興味があるのだ(^^;

さて、女流王将戦の概要。
・現タイトルホルダーは里見香奈女流四冠。
・予選を勝ち抜いてきたものと、本戦にシードされたもの計16名でトーナメント。それで挑戦者が決まる。
・16名の顔ぶれは囲碁将棋チャンネルのホームページを見てほしい。
・持ち時間は各25分、切れたら一手40秒未満。

16名の中で、注目はなんといっても竹俣。負けたら退会となる、竹俣にとって最後の棋戦だそうだ。

まずは1回戦だ。私の好きな女流、竹部が登場。学ランみたいな服を着ている。服が竹部ワールド。
相手は現役奨励会三段の西山。どれほど強いのか。
所司「竹部は居飛車党で元気のいい積極的な棋風。西山は振り飛車党で攻めが非常に強い」

事前のインタビュー(要約)
竹部「伊藤さん(今回の聞き手)が見ているのでバカにされないようにがんばりたい。西山さんはものすごく強い。(西山に)25分を使わせるぞ」
これを聞いた伊藤沙惠「私は竹部さんをバカにしたりしないので、そこは誤解のないようにお願いします」
ここは笑った。所司も笑ってた。
西山「(初出場となる)女流王将戦は見てる人が多いので楽しみにしていた。竹部さんは力戦派で私の棋風と合致する」

先手竹部で対局開始。竹部が居飛車、西山が三間飛車で、バンバン手が進む。
竹部から角交換し、▲居飛車+左美濃vs△向かい飛車+美濃の力戦形となった。

竹部が▲6六角と据えた手に対し、所司「この角は位置がいい」
次の西山の一手は△5五角!の合わせ角。結果的に、ここが本局の一番の勝負どころだった。

2度目の角交換の後、西山、左銀を手順に前線に送り、銀が死にそうになると竹部の美濃の桂を食いちぎっていった。
銀桂交換なのだが、西山の攻めの銀と竹部の守りの桂の交換。これは形勢、どっちがいいんだ。
所司「私でしたら、先手を持ちたい感じ」
ここまで、後手側は深い読みがないと指せない手順だぞ。西山の大局観が問われてる場面。
そして西山は、このあと、自身の大局観の正しさを証明してみせることになる。
直後に西山は自陣の左桂をさばき好調。この左の桂がさばけたのは大きいだろう。

桂2枚を持った西山、果敢に攻めかかる。
竹部が安全策で守っているのに、その守りを崩しにいった。そして決まる桂のふんどしの手筋!
げえ。これ、竹部、困ってる・・・。
所司「ちょっと竹部の悩ましいという表情。形勢は後手持ち」

最善の粘りと思える指し方で竹部は粘る。しかし西山が強手で突き放す。
所司「西山の指し手は、言われてみればなるほど。しかし早指しの中でよく見えますね」
一方的になってきた。西山、やめて~、竹部をいじめないで~。局面、差が開いていくのがわかる。

所司がさかんに西山が有利との評。西山の美濃囲い、まったく乱れない。竹部が駒損を重ねていく。
所司「西山の指し手は豪快で、しかも細かいところに目が届いている。本当に強いですねー」

竹部も勝負どころを求めるのだが、西山は全くぶれない。終盤もだいぶきてから、ようやく西山が25分を使い切った。
とりあえず竹部さん、公約は果たせたね(^^;
しかし現実は無情、西山の怒涛の攻めが最後まで止まることはなかった。
124手、西山の圧勝であった。

所司「西山が力強く終始攻め込んだ。強打炸裂。竹部もいいがんばりを見せたが」

解説の所司も加わった感想戦、それを聞いていると、所司より西山のほうがずっと強い(笑)

局後のインタビュー 西山「竹部さんの厚みに反発した(△5五角)のが好判断だった。次も楽しみです」

いやー、これは・・・ とにかく西山の強さばかりが際立っていた一局だった。さすが三段リーグで勝ち越すだけある。
まぎれもない優勝候補だね。里見香奈の待つ三番勝負まで、よほどの波乱がないと負けないだろう。
竹部さん、もう今回は、相手が悪かったなー。▲6六角に対する△5五角、見えないよね。所司は見えてなかったし。
西山さんは、並みの女流とは将棋の格が違うと思わせるに充分な内容であった。圧倒的に強かった。

こんな感じでまた来週に続く。来週は石本さくら女流初段 vs 竹俣 紅女流初段。竹俣のラストゲームになるのか、注目だ。