霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
1回戦 第4局 頼本奈菜女流初段 vs 加藤桃子女流三段
対局日:2019年4月4日
解説:高崎一生六段
聞き手:香川愛生女流三段

囲碁将棋チャンネルで放送している女流王将戦の本戦トーナメント。
1回戦とは、ベスト16のことだ。
カトモモこと加藤桃子の登場。奨励会初段だった実力はいかに。
対する頼本というのは私は初めて聞く名前。

解説の高崎「頼本は攻めっけの強い振り飛車党。ここ1~2年で急速に力をつけた。加藤はバランスのとれた居飛車党」

事前のインタビュー(要約)
頼本「実力を出せるようにがんばりたい」
カトモモ「(規定で)今回は出られないのかなと思っていた。出られることに喜びを感じます。4月に女流に転向して、女流としてのデビュー戦」

先手頼本で三間飛車の石田流を目指した。後手のカトモモは居飛車で銀冠。そして右四間飛車に構え、先手からの攻めを消すという形。
この序盤が問題だった。頼本、出た銀を元に戻す、飛車を2回振りなおす、角を出てまた元に戻す、で、なんと6手くらい損した。
うああー(^^; その間、カトモモは着々と1~4筋の位を取り、勢力範囲を広げ、ポイントを稼いでいく。
頼本、この序盤の借金が大きくあとでのしかかってくることになる。
高崎「振り飛車側の方針が難しくなってきましたね」
香川「苦しいときは辛抱するしかないですもんね」
まだ中盤に入ったばかりで苦しいというのは、けっこう悲しいものがある。
高崎「ソフトが1000点差をつけていても逆転する局面というのがある。今は500点差かもしれないが、逆転しづらい大差の500点差」
カトモモの陣形が手厚く、後手玉が攻められる場合というのが想像できない。

カトモモ、金捨ての大技をかけて、一気に勝負をかけてきた。
頼本もなんとかしようとがんばるのだが、差が広まっていくのがわかる。
その後も竜を自陣にひきつけ、盤石を目指すカトモモ。
そしてカトモモ、最後の一押しというところで、冷静に桂を拾いに行った手を見て、高崎と香川が叫び声をあげた。
高崎・香川「んーー、からい!!冷静ですね」
鮮やかに寄せを決めたカトモモだった。116手でカトモモの勝ち。完勝だった。

高崎「序盤でカトモモがリードを奪って、模様の良さをうまく活かして中終盤を手堅く勝ち切った」
香川「お手本になるような一局でしたね」

局後のインタビュー
カトモモ「考えるのが楽しかった。自由にのびのび駒を運べて楽しかった」

こりゃー、強い。カトモモはさすが奨励会初段だった実力だ。並の女流とは一線を画す実力者だ。
感想戦では頼本が勝負手を逃したとのことだったが、でも頼本がどう指しても最後にはカトモモが勝っていただろうと思えるくらいに安定していた。カトモモ、実に頼もしい。
頼本は序盤で6手損したら負けるということを学んだ、貴重な機会だっただろう。
私の予想では、西山とカトモモで準決勝を戦うことになるのだろうと思う。

来週は井道千尋女流二段 vs 水町みゆ女流1級。水町という人は初見なので楽しみだ。