霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
1回戦 第7局 藤井奈々女流1級 vs 渡部 愛女流王位
対局日:2019/4/16
解説:三枚堂達也六段
聞き手:谷口由紀女流二段

対局日が3か月前・・・(^^; 放送日とかけ離れてしまっている。もうしょうがないのか。

藤井奈々は通算11勝15敗。渡部愛(わたなべまな)は88勝54敗。
解説の三枚堂「藤井は中終盤に力を発揮する振り飛車党。渡部は作戦を練るのがうまい本格居飛車党」

事前のインタビュー(要約)
藤井「早指しの中でどのように指すか。予選を抜けられたのがうれしい。攻めを意識してがんばる」
渡部「藤井は鋭い攻め将棋。みなさまに注目していただけるような将棋を指したい」

先手藤井で、▲5筋位取り中飛車vs△居飛車の早繰り銀で対抗形となった。
聞き手の谷口「渡部が居ると場が明るくなる。藤井は京都弁ではんなりしている」

序盤、藤井は渡部の居飛車穴熊を警戒して、居玉のまま右側の戦闘態勢を整えた。
渡部は居飛穴をあきらめ、急戦の早繰り銀へ。藤井玉も美濃に収まり、急戦調の力戦に進んだ。

藤井が渡部の早繰り銀を押し返そうと6筋の歩を突いていく。渡部は△7三桂と活用し、いったん6五の地点を受けた。
すると何を思ったか、藤井はそれでも▲6五歩!
三枚堂「うわー、こんな手があるんですか」

6筋で決戦となった。藤井は9筋に角を飛び出す「幽霊角」に期待をかけたようだ。
そこで渡部が△8六歩と突いたので、8筋の突破を狙った手かと思われたが、違った。
次の渡部の一手は△8五飛! 8五の歩が邪魔だったから△8六歩と突いたのだった。
これが実にうまい手だった。よくこんな組み合わせが見えたものだ。飛車の飛び出しが実に気持ちいい。
三枚堂「藤井の機敏な仕掛けでしたけど、渡部が鋭く対応して、少し上回った」

中盤から終盤になっていったが、渡部がリードしている。
三枚堂「形勢は少し渡部がいい、しかしまだまだ先は長い」
とは言ってみたものの、藤井は銀損で駒損。そして▲角2枚vs△飛車2枚の戦いになっている。
三枚堂「藤井はうまく粘りたいですけど、2枚竜は強力ですねー」

どうにもこうにも手がない藤井。と金を作って手数をかけて相手陣に迫ってみたが、ただ駒損が少し回復しただけ。
自陣の美濃は崩壊してしまった。あとは渡部の的確な寄せの前に屈した。64手の短手数で渡部の圧勝。
ええー 64手かー。

三枚堂「藤井が積極的に攻めて、機敏な仕掛けにも見えたが渡部の対応が非常にうまかった。渡部の会心譜」

感想戦で藤井「中飛車版の藤井システムをやりたかったができなかった。△8五飛とされては仕掛けは失敗だなと思ってました」

あの△8六歩~△8五飛で技が決まり、もう取り返しがつかなかったね。
そもそも藤井が▲6五歩と攻めていったのが敗着となってしまった格好だ。もっとじっくり駒組みを進めていれば・・・。

渡部にしてみればこれくらいの出来は普通かもしれない。
最後の寄せも鮮やかだった。本局では渡部が格下を寄せ付けず圧倒という表現が合っていると思う。

局後のインタビュー
渡部「序盤から早い動きを見せられて、妥協した順だった。2回戦の山口女流は攻め将棋。内容のいい将棋を指したい」

来週は上田初美女流四段 vs 伊藤沙恵女流三段。1回戦最後の対局となる。