NHK杯 1回戦 阪口悟 六段 vs 藤井聡太 七段
解説 井上慶太 九段 聞き手 中村桃子女流

藤井聡太がNHK杯に登場! これが1回戦の最後の対局ということだ。

坂口は竜王戦4組、C1 予選で藤原、小林裕士、中村亮介に勝ち本戦初出場
藤井聡太は竜王戦4組、C1 成績優秀によりシード 3回目の本戦出場

井上「坂口は生粋の大阪生まれ大阪育ち。中飛車を得意とする豪快なさばきが特徴。
藤井は受けて良し、攻めて良し、柔軟性が持ち味」

事前のインタビュー
坂口「念願の本戦に出れましたので、一局でも多く見てもらいたい。中飛車をやりたいので、できたら先手番が欲しい」

藤井「早指しなので持ち時間を有効に使って決断良く指したい、過去2回出場の経験を活かしたい」

藤井聡太は過去2回の成績は、初出場では千田と森内に勝ったが3回戦で稲葉に敗退、2回目では初戦の今泉に敗退だった。
今期はぜひガンガン勝ち上がってほしいところだ。

坂口は藤井の倍くらい体重がありそうに見える(^^;
井上「坂口は年齢制限のギリギリで四段に上がった。教室を開いているので、生徒が応援しているだろう」

井上「藤井聡太は29連勝したが、22連勝目の相手が坂口で、そこで藤井は終盤にミスして、パーンとふとももを叩いたのが印象的だった」
あのシーンはワイドショーで放送されたねえ。面白い場面だったよ。

さて、先手坂口で▲中飛車+木村美濃vs△袖飛車+4筋に金銀3枚の囲いという図。
藤井から積極的に仕掛けていった。
これ、藤井の角が、2二に居たままの壁駒で、まったく使えそうにないが、大丈夫なのだろうか。
私としては、すごく嫌な予感がするのだが。

中盤戦、藤井が、香を取って駒得したが、坂口も馬を作って、形勢は難しそう。
一進一退の難解なやりとりが続く。井上さんの予想が、よくはずれる。

藤井が4一の金を△3一金と寄って、手を渡す。藤井陣はエルモ囲いに近い形になった。
井上「これは流行りの手、プロの手やなあ」
中村桃子「お互いに絶妙に手を渡し合って」

藤井は竜、坂口は馬という強力な駒を中心に戦いが続く。
藤井が竜を見捨てる大胆な発想を見せた。しかし坂口は竜を取らない。際どい攻防。ぐうー、藤井は勝てるのか?ドキドキだ。

もう時間もない終盤、藤井が坂口陣に迫るべく△2四桂と打ったが、それが狙われた。
井上「△2四桂は、良い手がどうかわかりませんね。藤井は戦力不足。急ぎすぎたんじゃないか。坂口が優勢じゃないか」
うわー、藤井、ピンチ! だれか助けてー。 1回戦で消えないでー。

が、藤井も負けてはいない。井上の形勢判断がガクガク揺れ動く(笑)
藤井は流れの中で、なんとずっと壁だった角を、世に出すことに成功!!
△5一香と打ったときは、なんのための香打ちなんだろうと思っていたが、角を使うための△5一香だったのか!
やったーー ニート角が働いたー。これで一気に展望が開けた。
さらにその角を成り込まず、相手玉をにらむ位置に逃げ、井上を感心させた。
これは指されてみれば当然の手だが、意外と盲点だ。

そしてついに出た、藤井の鬼手というべき一手!
竜を相手の馬の利きに逃げるという、とてもきれいな「一本」と言いたくなる一着!(△6四竜)
これに井上が絶賛。井上「ああっ、かっこいい手が出ましたね。これはええ手やわ。そんなことやったらアカンわ~」
いやいや、アカンって(笑) こんな手をどんどん見たいんです(笑) 

そのあとも丁寧に指し回した藤井、見事、難局を制し、120手で勝利! ふいいいーー、苦労したなー。

井上「投了図は駒損がひどいので、投げたのは仕方ない。中盤戦のねじりあい、お互いによく辛抱した。
坂口が良くなりそうな場面もあったんじゃないかと思うが、藤井がうまくまとめて駒得を活かした。さすが。△6四竜が決め手」

本局、藤井は攻めていった銀もずっと負担だったし、壁角だったしで、そうとう危ない橋を渡っているように私なんかには見えたのだが、まさにうまくまとめたなあ。感心しきりだ。コンピュータの指し手を見てるかのように駒が終盤で働いてくる、魔法のような手の組み合わせ。うーん、藤井聡太、かっこいい!

坂口もよく善戦し、楽しませてくれた。実は坂口相手なら藤井は簡単に勝っちゃうかも、なんて私は思っていたが、プロをなめるもんじゃないね。

本局、藤井の強いところが見れて、大満足! 見ごたえたっぷりでとっても面白かった。
来週は里見女流vs稲葉ということで、これも感想を書かないと・・・。ちょっと最近、好カードが多く、更新がハードでお疲れぎみだ(^^; しかも本日はこれからJT杯で藤井聡太vs三浦の中継があるんだよね。それもぜひ見たい。