頂(いただき)へ 藤井聡太を生んだもの
中日新聞文化部 岡村淳司 編著  中日新聞社 発行  2018年3月17日初版発行 1200円+税
評価 A  コンセプト<藤井聡太に関わった周辺の人物を取材>

この本は図書館で借りました。また藤井聡太本か、どうせ同じようなことが書いてあるんだろう、と思っていましたが、この本は藤井本人よりも周りの人物、それもアマチュアを主に取材してあります。ですので他の本と内容がかぶっていません。
よくここまで調べたなー、と思える取材範囲の広さです。取材対象になった人がとても多い。
個人的には、ネットの24のことが書いてあり、席主の久米さんの写真が見れたのが高ポイント(笑)

藤井聡太はたしかにラッキーな環境に生きています。まず始めに祖母に将棋を教わった。祖母は初心者なので聡太が勝てる。
次にそこそこ指せる祖父に教わった。
自宅から車で5分のところに「ふみもと将棋教室」があった。そして東海研修会もあった。杉本という良い師匠がいた。
ただし、ライバルと呼べる相手はいなかった。強くなってからの練習相手も限られているように見受けられた。

本書のあとがきに「藤井五段がプロになったのは間違いなく天賦の才によるものだろう。ただし、中学生でプロになれたのは、早くから才能を発掘して育てる土壌をつくりあげた東海棋界の熱意があってこそだと日々の取材で確信した。」とあります。
本書を読んでいて、私も「そうだなー、これ、プロだけじゃなくてアマチュア(元奨を含む)たちもそうとう頑張って普及・指導をやってるな」と思わされました。

新聞記者の取材力を見せられ、プロの棋士というのもすごいが、プロの記者というのもすごいものだと、つくづく私は感心させられました。

誤字が一か所 P122 × 二つ目の黒星を献上  〇 二つ目の黒星を喫する