霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
準決勝 第2局 山口恵梨子女流二段 vs 伊藤沙恵女流三段
対局日:2019年7月17日
解説:村中秀史六段
聞き手:伊藤明日香女流初段

なじみの深い、えりりん登場! どこまで伊藤沙恵に迫れるか? ワクワクだ。
聞き手の伊藤明日香が登場、うっ、横幅が・・・いやなんでもない・・・。

山口えりりん、こっちは細い。女流通算100勝97敗。女流王将戦の本戦トーナメントで北尾、渡部に勝ち。
解説の村中「振り飛車が多いイメージ、三間と中飛車が中心。最近居飛車も多い。攻め将棋」

伊藤沙恵は女流通算106勝44敗。女流王将戦の本戦トーナメントで上田、井道に勝ち。
村中「居飛車党。しかし相振りが裏芸。受け将棋で、受け8攻め2。負けにくい将棋」

事前のインタビュー
山口「伊藤沙恵さんはすごく強い人。小さいころ、千駄ヶ谷の将棋会館で切磋琢磨してきた。久しぶりに対局できてうれしい。悔いない将棋を指したくて作戦を選んできた。つぶれないようにがんばります」

伊藤沙恵「山口さんは普段はとても明るい。将棋は攻め将棋。一生懸命指すだけ」

先手山口えりりんで、序盤に駆け引きがあり、相居飛車になった。▲早繰り銀vs△雁木。
伊藤沙恵が、一直線に雁木に組んだので、伊藤明日香「初心者がよくやるパターンですよね、まず囲ってから他の手を指す」
この伊藤明日香の一言が、なにげに本質を突いていたようだ。伊藤沙恵は守りの手を指しすぎた。山口に速攻を許し、少し苦しくした。

この2人の対戦成績は、伊藤沙恵の3連勝だそうだ。
えりりんの早繰り銀に対し、伊藤沙恵も7一の右銀を玉頭銀のように進めていき、激しいことになっていった。

村中「伊藤沙恵の強気な対応。山口に大技がある」
したらば、えりりん、角捨ての大技、いったーーー。 決まったか? もういきなり終わったかのような空気が流れたのだが、伊藤沙恵、ここで本領発揮。
歩の小技で均衡を保った伊藤沙恵。これには村中も称賛を惜しまなかった。
村中「これは柔らかい手」
うーん、伊藤、なんとか難を逃れたか。だが、局面はまだえりりんにどうするかの選ぶ権利がある。

村中「山口としては、うまくいっていると思っているはず。少し先手のペース」
山口えりりん、大善戦! いけいけ、えりりーん!
伊藤沙恵が強い手を指して来る。大決戦だ。
村中「面白くなりましたね。伊藤沙恵の危なそうな手。ノーガードの叩き合い。すいません、伊藤沙恵は守り8じゃなかったですね」

やったらんかーい、えりりーん! でもそろそろ持ち時間の25分が切れそう。ここからは40秒将棋に・・・!
伊藤沙恵の、自陣の金を取らせる派手な手を見て、伊藤明日香「うっはっはっは」
あまりの激しい展開に、爆笑している伊藤明日香(笑)

山口えりりんは40秒の秒読み、まだ形勢はえりりんに良いはず、ここから正確に指せるか?
伊藤沙恵の攻めに対し、えりりんは銀を自陣に打ち投資、次にまた金を自陣に打ち投資して、堅めたが・・・・・?
村中「ギリギリの受けですね、大丈夫ですかね、これ?」

えりりん、自陣の金銀が、そうとうな数が質駒になってしまっている。
伊藤沙恵が一気に決めにきたああああ。捨て銀、角を切り飛ばし、飛車も切ってきたああーー。
これは、もう確信を持って指してきてるううう、ぎゃああああー。
頭を下げたえりりん、負けてしまった・・・。60手で伊藤沙恵の勝ち。急転直下の出来事だった。投了は番組開始から59分であった。

村中「序盤から中盤にかけては、山口がペースをつかんでいたのは間違いない。伊藤沙恵がうまくペースを引き戻した。伊藤は剛腕という印象。最後は一気に受けなしにした。目が離せない対局だった」

20分ほどあった感想戦、ほとんどを最後、どうやっていたら受けれていたのかに費やされた。
その結果、本譜以外の有力手なら、どうやっても難解だった、という結論。本譜、えりりんは、金銀を打って受けたが、最悪な組み合わせだった・・・。 
山口「受け方がちょっとヘタでした、受け間違えでした」

局後のインタビュー
伊藤沙恵「序盤、駒組みのあたりではこちらが失敗していると思います。ずっと苦しかったんですが、最後の最後で逆転できたと思います。次戦、相手の西山さんは非常に強敵ですが全力を尽くしたい」

えりりーん、終盤で秒読みになってから、一気に崩れてしまった。せっかく追い詰めながら・・・。
んー、でも、それが実力なんで、もうしょうがない。伊藤沙恵は終局時にまだ4分時間を残していたから。
もしえりりんがあそこで間違わずにあのまま終盤が続いても、きっとどこかでえりりんは悪手を指していただろう、そう思わせるものがあった。
えりりん、本局は健闘した。攻め合いでとても楽しかった。面白い将棋をありがとう。

挑戦者決定戦は西山朋佳女王vs伊藤沙恵女流三段となった。まだどっちが勝ったのか、私は知らない。楽しみにしてるよ!