第28期 銀河戦 本戦Cブロック 1回戦
出口若武四段 vs 西山朋佳女王
対局日:2019/9/1
解説:三枚堂達也六段
聞き手:井道千尋女流二段

今期銀河戦、注目の、男子vs女子の対決!
私は一年前から、このときを楽しみにしてた(^^;

ここで銀河戦のルールをおさらい。NHK杯とほぼ同じだが、持ち時間が各15分。これが違う。NHK杯は各10分だから。
そして番組の長さが、1時間38分とちょっと長い。火曜と木曜、週2回放送されている。

パラマス式という独特のトーナメント。順位の下位者が、何連勝もしやすい。一番下から出て来るアマには、勝ち星を稼ぐチャンスの棋戦。瀬川、今泉、折田はいずれもアマとして銀河戦で星を稼いだ。今期は出場枠は、アマ5人、女子2人となっている。
棋譜は囲碁将棋チャンネルのHPに出てる。(終局後、けっこうすぐ更新されていてありがたい)

さて、出口というのは、井上門下の若手とのこと。
出口は24歳、今期8勝7敗。
解説の三枚堂「出口は多彩な戦型を指す。激しい展開が得意。他人が考えないような手を指す。
西山は24歳。現役奨励会三段。対男子プロは2勝6敗。
三枚堂「西山は振り飛車党で、さまざまな形を指して、工夫が見られる。力強いさばきを得意としている」

いよいよ対局開始。先手出口で、居飛車。後手西山のゴキゲン中飛車。
出口は超速▲3七銀だったが、西山が変化。6筋の位を取ったのが目新しい。
西山は5筋と6筋の位を両方取ってるが、どうも位が安定しない。歩をかすめ取られそう。
三枚堂「西山はもうなんか攻めて行くんでしょうけど・・・?これをさばくのが振り飛車党のすごいところ」

うーん、三枚堂は、早くも西山はいったいどうすんだ、という雰囲気。
したらば、西山は角をポーンと中央に出て勝負に行った~!
三枚堂「西山、さすがの才能。尋常な手ではさばけなかったですから。出口は頭を抱えてますね~」
おおお、西山、行けるか! やっちまえ~!

しかし、出口はなんと、あっさり西山の手に乗った。さばき合いに応じた出口。
うわ、これ、どっちがだましたんだ・・・。
三枚堂「少し出口がいいかな」
しかし西山も食い下がる。一手指したほうがよく見えるという、ハイレベルな攻防!
きたきたー、こういうのを観たいのよ。西山、踏ん張れ~。

局面、飛車が2枚ある出口のほうが指しやすそう。西山は勝負手を連発しないと・・・。
三枚堂「出口がうまく指し回して、はっきり優勢になった。ただ勝つまでは長くかかる」
出口、香を攻防に自陣に打った手が、この一局で一番私の印象に残った。(▲2七香)
あー、実戦的ないい手だなー。三枚堂も「香は6筋に使いたかったので、考えつきにくい手」と称賛。

出口は考慮時間の使い方が独特で、考慮時間に入ったとたんに指す、というのを2回もやってた。
残り、▲1回vs△6回まで減った。西山の有利なのは残り時間だけ。
出口、手堅く指し回し、実に実戦的。逆転を許さない見本のようだ。
西山もなんとかがんばっているのだが、いかんせん、出口が強い。

聞き手の井道「もっと早い段階で差を広げられてもおかしくなかったのに、西山はさすが」
だが、現実は非情。出口の実に手厚いとしかいいようがない指し方に、観ていた私のほうが心が折れた(笑)
ぐあーー、こりゃ、完封負けだーー。
西山はがんばって迫る。まだやるかーー。いい根性してるわー。
出口の金2枚の壁、かてぇ。三枚堂「西山の美濃より固いかも」

井道「もっと早い終局になってしまうのかな、と思っていたんですが」
うんうん、西山はよく形を作った。負けだけど。
109手、出口の実戦的な手厚い指し回しの前に、西山は屈した。
出口の快勝だった。

三枚堂「西山が思い切りのいい仕掛けを見せた。それに対し、出口の対応が素晴らしかった。西山が次々と技を繰り出したが、それに対する出口の対応が素晴らしかった」
西山、実力は出してた。それだけに、出口との地力の差がモロに出てた。
やっぱ男子の若手は強い! 女子と対戦することで男子のレベルの高さがわかる、これも一つの醍醐味だ。

▲2七香の自陣香について、出口「かなり不安だった」とのこと。
西山「ここで何か(自分から攻めが)ないとダメだった」

序盤の作戦について、出口「6筋の位を取られたのは初めてだった」とのこと。
それにしてはうまく対応したなー。実に強い。定跡から離れただけに、地力が問われたが、出口は見事に指し回していた。

西山は女流を相手に圧倒的な勝ち方をしている女子なのだが、男子プロにかかっては、やはり通用しなかったか。
厳密には、もう序盤の作戦のところまで戻ってやり直さないと、勝ち目がなさそう。
初手からやり直し!と言われてるみたいで、悲しい(^^;

一局を通して、西山に勝ち味はなかったとは言える。しかし双方が持ち味を発揮し、かなり見ごたえはあった一局で、充分楽しめた。
女子にとって、男子プロの壁は高い。でもなんとか挑み続けてほしいものだ。
次回は木曜で、里見が登場! 里見vs大平。ワクワクだ。里見が勝たないかなあー。