あぴまる流将棋奇襲シリーズ①~今日から使える台パン戦法~①アヒル戦法②▲7七飛戦法
アヒル戦法の章 いはてん著  ▲7七飛戦法の章 しめりけ著 Kindle版 500円  
2018年11月出版 全171ページ 評価 A 
難度 アヒル戦法の章 ★☆~(とてもわかりやすい)  ▲7七飛戦法の章 ★★★★~(そうとう深くまで研究が及んでいる)

アマチュア2人が書いた電子書籍。
台パンとは、台をパンチするの略。ゲームをやっていて、相手のクソなやり方に負けて、ブチ切れ、思わず台をぶっ叩いてしまう、というときに使う(笑) 将棋で言えば、盤をひっくり返す、というところ。

次の一手形式で進んでいく。
アヒル戦法の章は、実にわかりやすく解説されている。初級者でも使えると思う。
アヒルをまじめに解説した本なんて、この本以外、見たことがない。よくぞ取り上げてくれたものだ。
この戦法でしか味わえない独特の世界観に、私は読んでいて、実に楽しかった。ワクワクした。
将棋ウォーズの短い時間の切れ負けに向いているだろう。

さて、問題は▲7七飛戦法の章。5手目に▲7七飛として、ムリヤリ早石田に組もうとしてくる。これがどうも成立しているようなのだ。
本書は深くまで手を進めて解説している。難度もそうとうなもので、私は次の一手に正解するどころか、ついていくのがやっとだった。
深くまで詳しく解説しすぎてるような・・・。

居飛車党の私の個人的な感想だが、早石田は居飛車の天敵だ。▲7六飛型に組まれたら、もう居飛車は苦戦必至。先手は一手損しているが、早石田で手損はほとんど響かないと思う。▲8六飛とぶつけてくる筋がある。△8五歩は▲8五桂ポンで狙われる。そして乱戦になると居飛車側の△8四歩~△8五歩の2手が無意味に終わることが多い。

以下は▲7七飛戦法vs▲7六飛型にさせまいとがんばる△居飛車、の図式の手順だ。
本書を参考に、私が激指15で研究した結果をまとめたので、参考にしてほしい。
Kifu for Windowsに張り付けてどうぞ。

先手:ムリヤリ早石田
後手:居飛車

▲7六歩
*初手は▲7六歩と▲7八飛の2通りある。▲7八飛は、▲7六歩を突く前に▲6八銀とする可能性を含みにしている。
△8四歩
*後手は飛車先を突いてくる。それが石田流封じになっている、というのが後手の主張。
▲7八飛
*しかし先手は石田流を目指すのだ。
△8五歩
*こう突かれたら、▲7七角しかないというのが従来の考えだった。
▲7七飛
*しかし、こんな手がある!? 最初に指した人、すげええー!
*後手はここで△8六歩も考えられるが、うまくいかない。一歩交換しても大したことがない。一手損するのが大きい。△8六歩はおススメできない。
△3四歩
*後手としては、こちらのほうがおススメ。
▲7八金
*先に▲7五歩も考えられる。しかし金上がりが手堅い。
*ここで後手がすぐに△7七角成は▲同桂と取られる。次になんでも▲6五桂があり、後手が早くも困る。
*▲7八金△7七角成▲同桂△2二銀▲6五桂で5三の地点と2二の銀は同時には受からない。
△4二玉
*いったん待って玉上がりが本手。
▲7五歩
*これで、次に▲7六飛と安定されると、実戦的にはすでに先手が作戦勝ちと思う。それは私の感覚的なもので、ソフトにはわからないだろう。▲7六飛型を作られては、居飛車が苦戦必至なのだ。
△7七角成
*▲7六飛型を防ぐには、もうこのタイミングしかない。△8六歩からの歩交換は効果なしと覚えておこう。あとから▲7六飛~▲8六飛のぶつけを狙われるだけだ。
▲同 桂
*これを▲同角と取ってくれたら△3三桂で受かる。難敵は▲同桂のほう。次に何でも▲6五桂と跳ねてくるのだ。△4四歩と軽く受けようとすると、▲8五桂△同飛▲7六角であっという間に先手有利。恐ろしい。
△3三桂
*ここでは後手に候補手が多い。以下は一例。先手はガンガン攻めてくる。なんてやっかいなんだ!!
▲7四歩
*こんな攻めをしてくる。以下△6二銀▲7三歩成△同銀▲6五桂△6四銀▲5三桂成△同銀▲5五角打の猛攻がある。
△同 歩
*もう少しだけ進めてみる。
▲6五桂
*次に▲5三桂成で、後手の3三の桂を狙っている。激指15は-131(Pro+7の深さ)とほんのわずか後手に振れてるが、実戦的に完全に互角。居飛車側はどうすりゃいいんだ・・・。
△3二銀
*普通の受け。
▲4六角
*狙い筋の角打ち。
△7二金
*普通の受け。まだ手数は18手なのに、盤上は大変なことになってる。すごい濃密な18手。
▲5五角左
*ここでは-194(Pro+7)でまだ互角だが、こんな先手の攻め、後手の居飛車側を持って、受けきる自信があるだろうか。たしかに▲7六飛型は防いだ。しかしこの展開では後手まったく自信がない・・・。すくなくとも、後手は激指15の検討モードのおススメどおりに指してきたのに、この結果。▲7七飛戦法、なんて恐ろしいんだ!
まで19手で中断