2020.03.15
もしミルクボーイが将棋の駒をネタにしたら
2人「どーもー、よろしくお願いしますー」
右「・・・今、棋譜用紙を1枚いただきました。専用の棋譜用紙はAmazonには売ってませんので、こんなんなんぼあっても困りませんからね。どうもありがとうございます」
左「ちょっといきなりですけどね、ウチのオトンは将棋が趣味なんです。それで好きな動き方の駒があるって言うんですけど、その駒の名前をちょっと忘れたらしくて」
右「は?駒の書体とか、盛り上げ駒かとかじゃなくて、8種類のうちの駒の名前を忘れてもうたの?どうなってるんや」
左「色々と訊くんやけど、全然わからへんねんな」
右「ほな俺がね、オトンの好きな駒、一緒に考えてあげるから。どんな特徴を言うてたか、教えてよ」
左「将棋の8種類の駒の中で、最強の動きの駒で、アンケートで一番人気やっていうねん」
右「それは飛車やないか。縦にも横にも、一番動けるのが飛車や。人気が高いのも飛車。『へぼ将棋、王より飛車をかわいがり』や。もうわかったやん」
左「でもオトンが言うには、その駒の利きをよう見落とすっていうねん」
右「ほな飛車とは違うなあ。飛車の利きを見落とすようになったら、もう将棋はできへんよ。それは角と違うか?アマ初段までなら、角のラインはたまに見落とすから。もうちょっと詳しく教えてくれる?」
左「オトンが言うには、その駒の位置でだいたいの作戦が決まるっていうねん」
右「それは飛車や。将棋の作戦は、飛車をそのままの位置で使う居飛車、左に動かして使う振り飛車、その2大作戦に分かれるんや。振り飛車党は飛車を振るときに、脳内麻薬が出る人種なんや」
左「でもオトンが言うには、王様の守りはその駒におまかせやっていうねん」
右「ほな飛車とは違うか。飛車は攻めの中心や。というか、それは金やないか?守りと言えば金やで。『王の守りは金銀3枚』が基本や。他に何か言うてなかったか?」
左「オトンが言うには、その駒は敵陣に入りパワーアップすることによって、弱点のない最強の動きをするようになるっていうねん」
右「それは飛車やんか。飛車が成ると竜という、斜めすら行ける駒になるんやから。竜が作れた時点で、プレーヤーはかなりうれしくなって、目的を達成したかのように思ってしまうんや」
左「でもオトンが言うには、成るかどうか非常に迷う駒やっていうねん」
右「ほな飛車とは違うか。飛車が成らないときなんて、打ち歩詰めを回避する時くらいのもんや。そんなん、実戦ではまずないわ。というか、それは銀やないか?銀は斜め後ろに行けるから、成らないときもよくあるから」
左「オトンが言うには、前後左右に動けるのが楽しくて、初心者は無意味に動かしがちっていうねん」
右「それは飛車や。初手で中飛車に振ったのに、次で居飛車に戻してしまうとかな。ペア将棋で実際にたまにある現象や」
左「オトンが言うには、駒を跳び越えて、斜め前にジャンプできる駒やっていうねん」
右「ほな飛車とは違うか。というか、それは桂馬や。『ふんどしの桂』という手筋で両取りがかけられるんや。桂馬は駒の中で、一番使い方が難しいんや。あまり早く跳ぶと、『桂の高跳び歩のえじき』になる。だけど遅いと何の活躍もしないんや」
左「オトンが言うには、盤に打ちつけたときに、一番割れやすいっていうねん」
右「それは飛車や。縦に筋が入ってるから。彫り駒で割れる可能性があるのは、飛車と香車や。もう飛車って言うたも同然」
左「でもオトンが言うには、その駒が全く動かずに終わる対局も、かなりあるっていうねん」
右「じゃあ飛車とは違うか。飛車は活躍するのが宿命づけられてるから。というか、活躍しないと言えば香車や。隅の4枚の香車は、まったく手付かずに終わる将棋が、しょっちゅうあるで。ただ香車も、いったん持ち駒になってしまえば、その存在感はかなりあるから、ゲームのバランスは取れてるんやけども」
左「オトンが言うには、やねうら王というソフトによると、歩1枚を100点とすると、その駒は1300点ぐらいの価値があるっていうねん」
右「それは飛車や。ソフト的にもその存在感は圧倒的や。人間どうしでは、飛車を持ち駒にしたときのワクワク感は、将棋の醍醐味と言えるやろな」
左「オトンが言うには、その駒の格言も、すごいたくさんあるっていうねん」
右「ほな、飛車とは違うか。というか、格言と言えば歩や。『歩のない将棋は負け将棋』とか、『一歩千金』とか、『開戦は歩の突き捨てから』とか、歩の格言はいっぱいある。飛車の格言なんて、『二枚飛車に追われる夢を見る』と『王飛車接近すべからず』ぐらいしか思いつかないわ」
左「それでオトンが言うには、角でよく王手飛車がかかるっていうねん」
右「それは飛車や!今、飛車って言うてもうたやん!もう飛車に決定!王手飛車をかけられたら、取られたら負けの王よりも、飛車のほうを思わず逃がしたくなる。それが飛車の価値というもんや。飛車を強引に詰ましに行く問題集の『詰め飛車』という本も出たくらいや」
左「でもオトンが言うには、飛車ではないっていうねん」
右「ほな飛車とは違うかー。それを先に言えよ。というか、もう8種類全ての駒を言うたやろ」
左「オトンが言うには、飛ぶ車と書いてその駒になってるっていうねん」
右「それは飛車!オトンの忘れた駒は飛車や!もう決まり!」
左「でもジイちゃんが言うには、チェスのルークと違うかって」
右「いや、それはもう将棋とちゃうやろ!どうもありがとうございましたー」
右「・・・今、棋譜用紙を1枚いただきました。専用の棋譜用紙はAmazonには売ってませんので、こんなんなんぼあっても困りませんからね。どうもありがとうございます」
左「ちょっといきなりですけどね、ウチのオトンは将棋が趣味なんです。それで好きな動き方の駒があるって言うんですけど、その駒の名前をちょっと忘れたらしくて」
右「は?駒の書体とか、盛り上げ駒かとかじゃなくて、8種類のうちの駒の名前を忘れてもうたの?どうなってるんや」
左「色々と訊くんやけど、全然わからへんねんな」
右「ほな俺がね、オトンの好きな駒、一緒に考えてあげるから。どんな特徴を言うてたか、教えてよ」
左「将棋の8種類の駒の中で、最強の動きの駒で、アンケートで一番人気やっていうねん」
右「それは飛車やないか。縦にも横にも、一番動けるのが飛車や。人気が高いのも飛車。『へぼ将棋、王より飛車をかわいがり』や。もうわかったやん」
左「でもオトンが言うには、その駒の利きをよう見落とすっていうねん」
右「ほな飛車とは違うなあ。飛車の利きを見落とすようになったら、もう将棋はできへんよ。それは角と違うか?アマ初段までなら、角のラインはたまに見落とすから。もうちょっと詳しく教えてくれる?」
左「オトンが言うには、その駒の位置でだいたいの作戦が決まるっていうねん」
右「それは飛車や。将棋の作戦は、飛車をそのままの位置で使う居飛車、左に動かして使う振り飛車、その2大作戦に分かれるんや。振り飛車党は飛車を振るときに、脳内麻薬が出る人種なんや」
左「でもオトンが言うには、王様の守りはその駒におまかせやっていうねん」
右「ほな飛車とは違うか。飛車は攻めの中心や。というか、それは金やないか?守りと言えば金やで。『王の守りは金銀3枚』が基本や。他に何か言うてなかったか?」
左「オトンが言うには、その駒は敵陣に入りパワーアップすることによって、弱点のない最強の動きをするようになるっていうねん」
右「それは飛車やんか。飛車が成ると竜という、斜めすら行ける駒になるんやから。竜が作れた時点で、プレーヤーはかなりうれしくなって、目的を達成したかのように思ってしまうんや」
左「でもオトンが言うには、成るかどうか非常に迷う駒やっていうねん」
右「ほな飛車とは違うか。飛車が成らないときなんて、打ち歩詰めを回避する時くらいのもんや。そんなん、実戦ではまずないわ。というか、それは銀やないか?銀は斜め後ろに行けるから、成らないときもよくあるから」
左「オトンが言うには、前後左右に動けるのが楽しくて、初心者は無意味に動かしがちっていうねん」
右「それは飛車や。初手で中飛車に振ったのに、次で居飛車に戻してしまうとかな。ペア将棋で実際にたまにある現象や」
左「オトンが言うには、駒を跳び越えて、斜め前にジャンプできる駒やっていうねん」
右「ほな飛車とは違うか。というか、それは桂馬や。『ふんどしの桂』という手筋で両取りがかけられるんや。桂馬は駒の中で、一番使い方が難しいんや。あまり早く跳ぶと、『桂の高跳び歩のえじき』になる。だけど遅いと何の活躍もしないんや」
左「オトンが言うには、盤に打ちつけたときに、一番割れやすいっていうねん」
右「それは飛車や。縦に筋が入ってるから。彫り駒で割れる可能性があるのは、飛車と香車や。もう飛車って言うたも同然」
左「でもオトンが言うには、その駒が全く動かずに終わる対局も、かなりあるっていうねん」
右「じゃあ飛車とは違うか。飛車は活躍するのが宿命づけられてるから。というか、活躍しないと言えば香車や。隅の4枚の香車は、まったく手付かずに終わる将棋が、しょっちゅうあるで。ただ香車も、いったん持ち駒になってしまえば、その存在感はかなりあるから、ゲームのバランスは取れてるんやけども」
左「オトンが言うには、やねうら王というソフトによると、歩1枚を100点とすると、その駒は1300点ぐらいの価値があるっていうねん」
右「それは飛車や。ソフト的にもその存在感は圧倒的や。人間どうしでは、飛車を持ち駒にしたときのワクワク感は、将棋の醍醐味と言えるやろな」
左「オトンが言うには、その駒の格言も、すごいたくさんあるっていうねん」
右「ほな、飛車とは違うか。というか、格言と言えば歩や。『歩のない将棋は負け将棋』とか、『一歩千金』とか、『開戦は歩の突き捨てから』とか、歩の格言はいっぱいある。飛車の格言なんて、『二枚飛車に追われる夢を見る』と『王飛車接近すべからず』ぐらいしか思いつかないわ」
左「それでオトンが言うには、角でよく王手飛車がかかるっていうねん」
右「それは飛車や!今、飛車って言うてもうたやん!もう飛車に決定!王手飛車をかけられたら、取られたら負けの王よりも、飛車のほうを思わず逃がしたくなる。それが飛車の価値というもんや。飛車を強引に詰ましに行く問題集の『詰め飛車』という本も出たくらいや」
左「でもオトンが言うには、飛車ではないっていうねん」
右「ほな飛車とは違うかー。それを先に言えよ。というか、もう8種類全ての駒を言うたやろ」
左「オトンが言うには、飛ぶ車と書いてその駒になってるっていうねん」
右「それは飛車!オトンの忘れた駒は飛車や!もう決まり!」
左「でもジイちゃんが言うには、チェスのルークと違うかって」
右「いや、それはもう将棋とちゃうやろ!どうもありがとうございましたー」
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