第42期 霧島酒造杯 女流王将戦
本戦トーナメント 1回戦 第2局
山口恵梨子女流二段 vs 頼本奈菜女流初段
2020年4月3日
解説:田中悠一五段
聞き手:伊藤沙恵女流三段

囲碁将棋チャンネルで毎週土曜に放送されている、女流王将戦。
注目の山口えりりん登場。「攻める大和撫子」(やまとなでしこ)の異名を持つということだ。
山口は通算で108勝104敗ということで、強さは標準的な女流棋士と言える。
頼本は通算32勝26敗。私はこの人を知らない(^^;

解説の田中「山口は明るい性格でいろんな方面で活躍している。頼本は予選で清水と鈴木カンナに勝った」
山口えりりんは最近ではYouTuberとしても人気がある。

事前のインタビュー
山口「(前期ベスト4で)予選をシードしていただいたからには、勝ちたい。己の実力を自覚して戦いたい」
頼本「緊張してきたが実力を出したい」

先手山口で、頼本の角交換四間飛車で対抗形。
頼本が早くに△6五角と筋違い角を放ち、どうなるかというところ。私は居飛車党なので、山口側を持って観ていたが、この筋違い角はありがたいと思った。これは角の打ち損になるのでは・・・。
解説の田中「完全に力将棋になりましたね」

山口は自陣の整備もせずに、果敢に仕掛けていった。▲7七桂~▲6五桂で、攻めつぶすという意思が伝わってくる。
対抗形の居飛車側から左桂を跳ねていくのはめずらしい。

ねじり合いの中盤が続く。駒が複数、当たりになり、難しいかと思われたが、頼本がうまくさばいた。
田中「頼本が良くなった」
頼本の筋違い角が△6五角~△7六角~△3二角~△1四角と活用され、絶好の位置にポジショニング。
そしてなんと言っても、玉形が違いすぎる。頼本の美濃が堅い。すごい遠い。
一方の山口は玉を囲ってるとは言えない形で、薄すぎる。
最後は頼本が受けきり、大差がついた。84手で頼本の勝ち。快勝だった。

田中「頼本の筋違い角が絶大な働きをした。頼本は勢いのある手と負けにくい手を織り交ぜた。山口もカを見せた場面はあった」

感想戦では、山口「仕掛けに無理があった」と終始反省だった。
玉の堅さが違いすぎるので、盤面の右側(飛車側)で8対2ぐらいの差をつけたかったのだが、五分五分ぐらいのワカレになっちゃって、あとはもう美濃囲いの堅さにどうしようもなかった、という感じの一局だった。居飛車の急戦党から見たら、美濃は堅すぎ、反則だと言いたくなる、そんな典型の内容だった。

敗着は▲6五桂。左桂を攻めに参加させてはいけなかったとのこと。攻める大和撫子だからしょうがないが、今回は山口の自爆というケースだった(^^;

変化を検討している途中で、山口が局面を元に戻せなくなり、山口「わかんなくなってきた、頼本さん、手伝って」というシーンがあったのが、面白かった(笑)

局後のインタビュー
頼本「角を△1四角と出れたあたりで少し良くなった、実力が出せてほっとした」
頼本は安定していた。△6五角と打った時点で△1四角の活用を見通していたとしたら、かなり強いね。