将棋 ~長渕剛「とんぼ」の替え歌~

パチパチと盤上に刻む 駒音を打ちつけるたびに
俺は俺の手を 指し続けたい そう願った

強すぎるAIが出てきて やりきれない日々を数え
逃れられない時の流れに 今日も解ったふりをする

死にたいくらいに憧れた 七冠王 "羽生善治"
薄っぺらのメモ帳持ち 解説会へ向かった

あの時を ふと思い返すと 笑いに包まれた時間が
今頃になって やけに 骨身にしみる  

ああ しあわせの将棋よ どこへ
お前はどこへ飛んで行く
ああ しあわせの将棋が ほら
舌を出して 笑ってらあ

明日からまたAIが 24(にーよん)で勝ち続けて行く
それでもおめおめと指しぬく 俺を恥じらう

NHK杯じゃ足りず 銀河戦 観た夜を数え
だけど俺はプロ棋士を愛し そしてプロ棋士を憎んだ

死にたいくらいに憧れた 名人のバカヤローが
電王戦でボロ負けして 突っ立ってる

評価値と候補手が出ている 今日日の観戦になじめず
半端な俺の 骨身にしみる

ああ しあわせの将棋よ どこへ
お前はどこへ飛んで行く
ああ しあわせの将棋が ほら
舌を出して 笑ってらあ