2021.05.31
奇襲戦法の評価値をソフトで調べてみる ~後手の2手目端歩突き~
今回は第3回となる。
初手▲7六歩に対して、後手が2手目△9四歩と突いた場合。そして2手目△1四歩と突いた場合を調べてみた。
奇襲と言えば奇襲だ。阪田三吉が後手で▲7六歩△9四歩も▲7六歩△1四歩も指していることで有名。
なお、今回から、考慮時間を10分にした。待つのがつらいが、せっかくなので長く考えさせた。
3手目の先手の候補手の数は3つで調べたが、この記事では2つだけ取り上げることにした。
候補手の数が多いとごちゃごちゃしてしまうので。
①初手から▲7六歩△9四歩 (後手が飛車側の端歩を突く)
<激指15>
+78 ▲2六歩 (ソフトが示した、3手目の最善手)
+62 ▲3八銀 (ソフトが示した、3手目の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。
<やねうら王>
+124 ▲2六歩
+106 ▲6八玉
<水匠3改>
+98 ▲5八玉
+45 ▲2六歩
②初手から▲7六歩△1四歩 (後手が角側の端歩を突く)
<激指15>
+56 ▲7八金
+56 ▲2六歩
<やねうら王>
+82 ▲2六歩
+86 ▲7八金 (最善手より高い数字だが、こういうことはよくある現象)
<水匠3改>
+61 ▲2六歩
+54 ▲7八金
~今回のまとめ~
△9四歩の局面の平均数値は、+100。△1四歩の局面の平均数値は、+66。(評価値の一番手の数字を合計して3で割った)
この△9四歩と△1四歩という手は、「イメージと読みの将棋観1」に詳しい。その本での結論は、△9四歩より△1四歩のほうが、とがめにくい、というものだった。今回のソフトの検討でも、それが見て取れる。
前も書いたが、ソフトは振り飛車を不利と見ているので、あまり振ることをしない。だから△9四歩を活かしにくいのだと思う。
これは余談だが、マンガ「月下の棋士」で、主人公の氷室が端歩突きを得意にしている。1巻でのライバルの滝川との対戦で、滝川が先手で▲7六歩、氷室が2手目△9四歩と突く。そして滝川が▲5六歩と突き、そこで氷室の封じ手となる。
「イメージと読みの将棋観1」では、森内、谷川、渡辺の三者が3手目は▲5六歩と突きたい、と語っている。
「月下の棋士」の初版が1996年。「イメージと読みの将棋観1」の初版が2008年だ。
なんと12年前に「月下の棋士」で▲7六歩△9四歩▲5六歩という手順が考えられていたのだった。
今回の調査では、候補手3手の中で▲5六歩は残念ながら、3つのソフトの中では見られなかった。
次回も初手▲7六歩に対する後手の2手目について書く予定。
初手▲7六歩に対して、後手が2手目△9四歩と突いた場合。そして2手目△1四歩と突いた場合を調べてみた。
奇襲と言えば奇襲だ。阪田三吉が後手で▲7六歩△9四歩も▲7六歩△1四歩も指していることで有名。
なお、今回から、考慮時間を10分にした。待つのがつらいが、せっかくなので長く考えさせた。
3手目の先手の候補手の数は3つで調べたが、この記事では2つだけ取り上げることにした。
候補手の数が多いとごちゃごちゃしてしまうので。
①初手から▲7六歩△9四歩 (後手が飛車側の端歩を突く)
<激指15>
+78 ▲2六歩 (ソフトが示した、3手目の最善手)
+62 ▲3八銀 (ソフトが示した、3手目の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。
<やねうら王>
+124 ▲2六歩
+106 ▲6八玉
<水匠3改>
+98 ▲5八玉
+45 ▲2六歩
②初手から▲7六歩△1四歩 (後手が角側の端歩を突く)
<激指15>
+56 ▲7八金
+56 ▲2六歩
<やねうら王>
+82 ▲2六歩
+86 ▲7八金 (最善手より高い数字だが、こういうことはよくある現象)
<水匠3改>
+61 ▲2六歩
+54 ▲7八金
~今回のまとめ~
△9四歩の局面の平均数値は、+100。△1四歩の局面の平均数値は、+66。(評価値の一番手の数字を合計して3で割った)
この△9四歩と△1四歩という手は、「イメージと読みの将棋観1」に詳しい。その本での結論は、△9四歩より△1四歩のほうが、とがめにくい、というものだった。今回のソフトの検討でも、それが見て取れる。
前も書いたが、ソフトは振り飛車を不利と見ているので、あまり振ることをしない。だから△9四歩を活かしにくいのだと思う。
これは余談だが、マンガ「月下の棋士」で、主人公の氷室が端歩突きを得意にしている。1巻でのライバルの滝川との対戦で、滝川が先手で▲7六歩、氷室が2手目△9四歩と突く。そして滝川が▲5六歩と突き、そこで氷室の封じ手となる。
「イメージと読みの将棋観1」では、森内、谷川、渡辺の三者が3手目は▲5六歩と突きたい、と語っている。
「月下の棋士」の初版が1996年。「イメージと読みの将棋観1」の初版が2008年だ。
なんと12年前に「月下の棋士」で▲7六歩△9四歩▲5六歩という手順が考えられていたのだった。
今回の調査では、候補手3手の中で▲5六歩は残念ながら、3つのソフトの中では見られなかった。
次回も初手▲7六歩に対する後手の2手目について書く予定。
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