第7回となった。今回から、ようやく本格的に奇襲戦法を取り上げる。
今日から3回連続で、筋違い角を調べる。まずは、筋違い角の先手バージョンと後手バージョン。
先手バージョンは、初手から▲7六歩△3四歩▲2二角成△同銀▲4五角。(図1)
後手バージョンは、初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△8八角成▲同銀△6五角。(図2)
筋違い角という戦法に対して、ソフトはどのような数値を示すのか。個人的にとても興味があった。

いつものように、3つのソフトで各10分ずつ、計測した。候補手は3つで調べたが、ここに載せたのは2つ。

図1 先手の筋違い角 5手目▲4五角まで


<激指15>
-168 △5二金右 (ソフトが示した6手目の最善手) 
-166 △7二銀 (ソフトが示した6手目の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<やねうら王> 
-335 △7二銀
-331 △6二銀

<水匠3改>
-245 △6二銀
-222 △5二金右 


図2 後手の筋違い角 6手目△6五角まで


<激指15>
+226 ▲3八銀 (ソフトが示した7手目の最善手) 
+221 ▲4八銀 (ソフトが示した7手目の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。 

<やねうら王>
+437 ▲3八銀
+406 ▲4八銀

<水匠3改>
+311 ▲3八銀
+306 ▲4八銀

~今回のまとめ~
先手の筋違い角が、最善手の平均が-249。(受けて立つ後手が有利)
後手の筋違い角が、最善手の平均+325。(受けて立つ先手が有利)
いずれも筋違い角側にとって、厳しい評価値となった。でも、約300点差くらい、アマの早指しだとワンチャンスで逆転できるぜ!と思えば、充分に使えるのだが。
それに何より、筋違い角は、やる側に圧倒的な経験値が溜まりやすい。やられる側はめったに体験する機会がないのだ。ノーマル振り飛車党に対して使うのも面白い。

さて、今回、なぜ後手の筋違い角も調べたのか。それは、筋違い角対策に関係しているのだ。受けて立つ側が振り飛車にすることがあるのだ。そうすると、受けて立つ側が飛車先を突いた手(▲2六歩)が、何の意味もなくなる。だから、後手で筋違い角も、充分ありうる作戦と私は思う。
その辺りは、明日の対策編に続く。参考棋書として、「イメージと読みの将棋観1」がある。それを取り上げたい。