2021.06.09
奇襲戦法の評価値をソフトで調べてみる ~相掛かり・原始棒銀~
第12回。今回は、相掛かりの原始棒銀を取り上げてみる。ソフトの水匠3改を使って解説。
受け方の講座と言っていい内容となっている。
まず、初手から以下のように進む。
KI2形式で貼るとこうなる。後手は飛車を△8四飛と引くのがポイント。
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8四飛 (図1)
図1 △8四飛まで

5手目▲2四歩の、通称「5手爆弾」はあるが、また別の問題なので、今は考えないことにする。
図1から、▲3八銀△6二銀▲2七銀△3四歩▲2六銀△3三角と進む。それが図2。先手が棒銀で行くことを意思表示した▲2七銀を見て、後手は△3四歩と突く。▲2六銀を見て、△3三角と上がっておく。
図2 △3三角まで

この図2が岐路。ここから、▲2五銀or▲3六歩~▲3五歩or▲7六歩が考えられるが、▲3六歩~▲3五歩と▲7六歩は、一局としか言いようがない。
ソフトの水匠も、図2から▲3六歩~▲3五歩と▲7六歩の場合は、全く互角と出ている。自力で勝つしかない。
なので、図2から▲2五銀を解説する。
▲2五銀には、△3五歩と突く。これが習いある手筋。後手の飛車の横利きで2筋は受かっているので、先手としては応援部隊を送るしかない。
必然的に▲7六歩と角道を開ける手になる。そこで後手も△2二銀と備えておく。それが図3。
図3 △2二銀まで

図3から、先手は強引に攻めて行ったら、どうなるのか。
図3以下、▲3三角成△同桂で、図4へ。
図4 △3三同銀まで

もう、これで受かっている。話が早い。もし先手が角交換して来ない場合は互角の一局だが、いつでも後手から△8八角成~△3三桂はある。
図4からは蛇足だが、先手は銀を▲1六銀と撤退するか、▲6六角とさらに強引に攻めていくくらいだろう。
▲1六銀では棒銀側の作戦負けは明らかなので(△3六歩が厳しい)、▲6六角の変化のほうを進めてみる。
図5 ▲6六角△5四飛▲2四歩まで

▲6六角以下、△5四飛▲2四歩と攻めて来る。(図5)
図5以下、△2五桂▲2三歩成に、△同銀が水匠のおススメ。△同銀で-500ほどになり後手有利。
△同金は意外に難しくなると水匠先生。
図5以下、△2五桂▲2三歩成△同銀に▲2五飛は△2二歩で受け切っている。
△2三同銀に▲1一角成には△2四歩で後手が良い。後手には△5七飛成と、△3七桂成~△3六歩の楽しみが残っている。
先手は▲6八玉と受けるくらいだが、△6四角と打って先手の飛車のコビンを攻めるのがわかりやすい。それが図6。(水匠で-743)
図6 △6四角まで

初手からKI2形式でまとめると、こうなる。
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8四飛 ▲3八銀 △6二銀
▲2七銀 △3四歩 ▲2六銀 △3三角 ▲2五銀 △3五歩
▲7六歩 △2二銀 ▲3三角成 △同 桂 ▲6六角 △5四飛
▲2四歩 △2五桂 ▲2三歩成 △同 銀 ▲1一角成 △2四歩
▲6八玉 △6四角
まで38手で中断
なお、1つ補足しておきたい。
▲2五銀と出たときに、△3五歩と突かれるから、棒銀が成功しないんだ。なら、△3五歩の前に▲3六歩と突いておけばいいんじゃないか?それから▲2五銀と出ればいい、と思う人もいるだろう。その場合の後手の対処法を書いておく。簡単だ。
図2からの変化図 ▲3六歩と突いてから▲2五銀

このように、△5五角と飛び出ることにより、あっさり棒銀を撃退できる。△5五角以下は▲1八飛△3三桂とすれば後手が良い。(△3三桂以下▲5六歩には、△6四角▲3四銀のときに△7五角が好手で、銀取りと△5七角成の両狙いで後手良し)
~今回のまとめ~
原始棒銀に対しては、たしかに受け方はある。しかし受け側は序盤から一手も油断は許されない。ミスできない。一手一手、慎重に指そう。
棒銀側が▲2五銀と出ずに、▲3六歩~▲3五歩や▲7六歩としてきた場合は、もう奇襲ではない。互角の勝負になる。
YouTubeの「女流棋士 山口恵梨子ちゃんねる」も参考になる。そこでは出だしで双方が飛車先の歩を交換しない形の解説をしている。
受け方の講座と言っていい内容となっている。
まず、初手から以下のように進む。
KI2形式で貼るとこうなる。後手は飛車を△8四飛と引くのがポイント。
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8四飛 (図1)
図1 △8四飛まで

5手目▲2四歩の、通称「5手爆弾」はあるが、また別の問題なので、今は考えないことにする。
図1から、▲3八銀△6二銀▲2七銀△3四歩▲2六銀△3三角と進む。それが図2。先手が棒銀で行くことを意思表示した▲2七銀を見て、後手は△3四歩と突く。▲2六銀を見て、△3三角と上がっておく。
図2 △3三角まで

この図2が岐路。ここから、▲2五銀or▲3六歩~▲3五歩or▲7六歩が考えられるが、▲3六歩~▲3五歩と▲7六歩は、一局としか言いようがない。
ソフトの水匠も、図2から▲3六歩~▲3五歩と▲7六歩の場合は、全く互角と出ている。自力で勝つしかない。
なので、図2から▲2五銀を解説する。
▲2五銀には、△3五歩と突く。これが習いある手筋。後手の飛車の横利きで2筋は受かっているので、先手としては応援部隊を送るしかない。
必然的に▲7六歩と角道を開ける手になる。そこで後手も△2二銀と備えておく。それが図3。
図3 △2二銀まで

図3から、先手は強引に攻めて行ったら、どうなるのか。
図3以下、▲3三角成△同桂で、図4へ。
図4 △3三同銀まで

もう、これで受かっている。話が早い。もし先手が角交換して来ない場合は互角の一局だが、いつでも後手から△8八角成~△3三桂はある。
図4からは蛇足だが、先手は銀を▲1六銀と撤退するか、▲6六角とさらに強引に攻めていくくらいだろう。
▲1六銀では棒銀側の作戦負けは明らかなので(△3六歩が厳しい)、▲6六角の変化のほうを進めてみる。
図5 ▲6六角△5四飛▲2四歩まで

▲6六角以下、△5四飛▲2四歩と攻めて来る。(図5)
図5以下、△2五桂▲2三歩成に、△同銀が水匠のおススメ。△同銀で-500ほどになり後手有利。
△同金は意外に難しくなると水匠先生。
図5以下、△2五桂▲2三歩成△同銀に▲2五飛は△2二歩で受け切っている。
△2三同銀に▲1一角成には△2四歩で後手が良い。後手には△5七飛成と、△3七桂成~△3六歩の楽しみが残っている。
先手は▲6八玉と受けるくらいだが、△6四角と打って先手の飛車のコビンを攻めるのがわかりやすい。それが図6。(水匠で-743)
図6 △6四角まで

初手からKI2形式でまとめると、こうなる。
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8四飛 ▲3八銀 △6二銀
▲2七銀 △3四歩 ▲2六銀 △3三角 ▲2五銀 △3五歩
▲7六歩 △2二銀 ▲3三角成 △同 桂 ▲6六角 △5四飛
▲2四歩 △2五桂 ▲2三歩成 △同 銀 ▲1一角成 △2四歩
▲6八玉 △6四角
まで38手で中断
なお、1つ補足しておきたい。
▲2五銀と出たときに、△3五歩と突かれるから、棒銀が成功しないんだ。なら、△3五歩の前に▲3六歩と突いておけばいいんじゃないか?それから▲2五銀と出ればいい、と思う人もいるだろう。その場合の後手の対処法を書いておく。簡単だ。
図2からの変化図 ▲3六歩と突いてから▲2五銀

このように、△5五角と飛び出ることにより、あっさり棒銀を撃退できる。△5五角以下は▲1八飛△3三桂とすれば後手が良い。(△3三桂以下▲5六歩には、△6四角▲3四銀のときに△7五角が好手で、銀取りと△5七角成の両狙いで後手良し)
~今回のまとめ~
原始棒銀に対しては、たしかに受け方はある。しかし受け側は序盤から一手も油断は許されない。ミスできない。一手一手、慎重に指そう。
棒銀側が▲2五銀と出ずに、▲3六歩~▲3五歩や▲7六歩としてきた場合は、もう奇襲ではない。互角の勝負になる。
YouTubeの「女流棋士 山口恵梨子ちゃんねる」も参考になる。そこでは出だしで双方が飛車先の歩を交換しない形の解説をしている。
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