第14回。一日くらい休もうかと考えたが、また書く(笑)
豆腐の角(かど)に、頭をぶつけて死んでしまえ!とよく言うが、今回は角頭歩(かくとうふ)を取り上げる。

後手番の奇襲である。指し手は単純で、初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△2四歩。(図1)
この局面をどう見るか。「イメージと読みの将棋観1」でテーマとして取り上げられている。

図1 角頭歩 △2四歩まで



図1を6人の棋士たちはどう考えたか。
羽生「そんな簡単じゃない。相当考えないと、どれを指すか決められない」
佐藤康光「長考します」
森内「先手勝率57~60%。▲6八玉が無難」
谷川「▲2五歩は先手が悪くなる可能性もある」
渡辺明「先手勝率75%」
藤井猛「▲2五歩と突いても先手必勝とまではいえないから、実戦では▲6八玉」

ではソフトはどう考えたか。いつものように各10分ずつ、考えさせた。候補手は3つで調べたが、ここに載せたのは2つ。

<激指15> 定跡有り
±0 定跡手 ▲6八玉  (5手目の先手の最善手)
±0 定跡手 ▲7八金  (5手目の先手の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<激指15> 定跡なし
+180 ▲7八金
+179 ▲6八玉

<やねうら王>
+367 ▲3八銀
+363 ▲6八玉

<水匠3改> 定跡の利用にチェックあり
+320 ▲6八玉
+301 ▲3八銀

<水匠3改> 定跡の利用なし
+288 ▲3八銀
+236 ▲6八玉


さて、次は、先手が誘いに乗って、▲2五歩と突いた場合を調べてみた。
図1から▲2五歩△同歩▲同飛△8八角成▲同銀△3三桂。(図2)

KI2形式で書くと、以下のようになる。
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △2四歩 ▲2五歩 △同 歩
▲同 飛 △8八角成 ▲同 銀 △3三桂
まで10手で中断

図2 先手が誘いに乗って△3三桂まで



図2をソフトはどう見ているのか。

<激指15> 
-17 ▲2三飛成
-82 ▲2一飛成

<やねうら王>
-1 ▲2三飛成
-118 ▲2四飛

<水匠3改>
-114 ▲2八飛
-125 ▲2三飛成

~今回のまとめ~
まず、図1。ソフト的には、おおむね、先手良しが確立している。激指の▲7八金って、意味が分からないが(^^;
いつも辛口のやねうら王が、今回も3ソフトの中で最大差の+367点をつけた。
定跡なしで最善手の場合の平均値を出すと+278。

問題は、図2だ。先手が誘いに乗って、▲2五歩とした変化。図2はけっこう驚きの評価値が出た。
なんと3つのソフトが全てマイナス評価。一番頼りになる水匠先生が-114。3つのソフトの最善手の場合の平均値は-44。
角頭歩においては、先手は▲2五歩と行くべきではないのだ。それがハッキリした結果となった。
「角頭歩の誘いに乗ったら、豆腐のカドで頭を打つ」 こんな格言ができた、今回の調査だった。

気になったのは、「イメージと読みの将棋観1」(2008年発行)では、図1は「平成(1989年)以降、一局も現れていない」と書かれている。
しかし激指15(2019年発売)では、最近10年でプロ間で15局前例がある、と検討モードに出る。2008年から2019年までに15局現れたということなのか。女流を含めたのか。私にはよく分からない。