今回は駒落ちを調べる。奇襲はどこへやらだ(^^;
一通りの駒落ちを調べた。そして、おまけとして特殊な駒落ちも調べた。
めんどうだったので、水匠3改のみで調査した。
右に書いてある数字が、どれだけ下手にとって有利かというもの。水匠3改が各10分考慮で出した数値。

十枚落ち・・・・6650
八枚落ち・・・・5348
六枚落ち・・・・3543
四枚落ち・・・・2731
二枚落ち・・・・2250
飛車香落ち・・・・991
飛車落ち・・・・・911
角落ち・・・・・・801
香落ち・・・・・・170

以下、特殊な駒落ち
トンボ(玉、歩、飛車、角のみ残した八枚落ち)・・・4666
金の二枚落ち(金が二枚ともない)・・・・・・・・・1632
銀の二枚落ち(銀が二枚ともない)・・・・・・・・・1146
左金落ち(4一の金がない)・・・・・・・・・・・・・773
右金落ち(6一の金がない)・・・・・・・・・・・・・647
左銀落ち(4一の銀がない)・・・・・・・・・・・・・590
右銀落ち(6一の銀がない)・・・・・・・・・・・・・584
桂の二枚落ち(桂が二枚ともない)・・・・・・・・・・543
左桂落ち(2一の桂がない)・・・・・・・・・・・・・255
右桂落ち(8一の桂がない)・・・・・・・・・・・・・241
右香落ち(9一の香がない)・・・・・・・・・・・・・117

<まとめと私の意見>
将棋の駒落ちは、面白くないと言われる。平手とはゲーム性が変わってしまうからだ。囲碁の置き石のようにはいかないのだ。
しかし、なんとか面白くする努力はすべきだと思う。十枚落ちの次は九枚落ち(玉と歩と金一枚)が順序だと私は思うし、八枚落ちの次は七枚落ち(玉と歩と金二枚と銀一枚)が順序だと思う。
そして、数値を見れば分かるが、二枚落ちと飛車香落ちの間の差が大きすぎる。ここに壁があり、多くのプレーヤーが挫折する。
角落ちと香落ちの間の差も開きすぎている。

それを解決するのが、金落ちや銀落ちだ。金二枚で約1600点差がつくから、普通の二枚落ちの次はこれをやればいい。金という守備力がないのを、上手がどうカバーするか。その次の銀二枚落ちで約1100点差あるが、これも面白そうだ。
数値では金一枚で約700点強、銀一枚で約600点弱、差が開いている。
これで、角落ちと香落ちの開きが埋められる。つまり、角落ちを卒業した人は金一枚落ちに進むのが理にかなっている。金一枚落ちで勝てるようになれば銀一枚落ちだ。左右どちらの金や銀を落とすか、上手が決めればいい。そこがまず戦略の始まりだ。桂落ちは面白くなさそうなので、銀一枚落ちの次にはようやく従来の香落ちでいいだろう。

とにかく、駒落ちは上手側が面白く指せるように工夫が必要だ。駒落ちはやるべきだと唱える人が多いが、いざ自分が指導できる棋力になったときに上手を持ってあげる、という人は少ない。その原因の一つは、大駒がない駒落ちの上手がつまらないからだ。
大駒がある金落ち、銀落ちを採用すれば、このつまらなさは解消できる。上手に大駒があることで、戦法という概念があり、上手も下手も平手感覚で指せるのだ。
最近できた「トンボ」という駒落ちは、良い例だ。色々な駒落ちが広まれば、楽しくなると思う。