2008.02.13
ボナンザvs勝負脳 ──最強将棋ソフトは人間を超えるか
ボナンザvs勝負脳 ──最強将棋ソフトは人間を超えるか
保木邦仁 渡辺明 著
2007年8月初版 角川書店 686円+税
コンセプト<ボナンザvs渡辺竜王の対局を焦点に、
開発者の保木邦仁、対局者の渡辺明の2人が様々な角度から語る本>
ボナンザvs渡辺竜王の将棋を興味深く見た人に、自信をもっておすすめできる内容だ
専門知識がないけど、コンピュータ将棋に興味がある、という人も、読んでおくといいと思う
わからない部分は、しょうがない わからないなりに読むしかない(^^;
渡辺竜王がいかにこの対局で本気を出して戦っていたか、よくわかった
事前のボナンザとのスパーリング、当日の雰囲気、序盤の作戦、
中盤、やや劣勢になってからの冷静さ、終盤の△3九竜の的確さ、どれも読み応えがある
渡辺の回想文を読みながら、自分は思わず「渡辺がんばれ」とドキドキした
もしこの試合の対局者が、渡辺竜王でなかったら・・・
もしプレッシャーに弱いプロだったら・・・
もしタイトルホルダーではない、並みレベルのプロだったら・・・
ボナンザが勝っていただろう、と自分は思った
今、もういちど大和証券杯のHPで解説つきの棋譜を見たが、終盤まで、本当にあぶなかった
それほどの接戦だった http://www.daiwashogi.net/kanshou.html(会員登録が必要です)
保木さんの専門分野の話は、さすがに高度でよくわからないが、
興味深く読ませてもらった 以下、一部を抜粋してみた
「私の場合は、分子の世界でモノを見てしまうことが多い。
たとえば、電子レンジで水が温まった状態を見て、
『水の並進・回転が励起されている』と思う。水分子が運動するわけだ。(中略)
ペンキの色あせはどうだろうか。太陽の光で電子的に励起されたことで、色素として色を
失ったというふうに見る。その結果、分子レベルで形が変わってしまう。」
・・・うーん、なんとも、保木さん、さすが科学者だ、すごい(^^;
保木さんて、見た目のベビーフェイスと全然違う、すごい頭脳の持ち主だったんだ
最後のページでは「コンピュータ将棋の開発が、何の役に立つのか」との問いに、
保木さんはこう答えている
「何に役立つかが簡単にわかるということは、すでにそれは既知の知識であり、
予想の範囲内の技術であるということを意味している。(中略)
ボナンザに組み込んだアルゴリズムも、過去の蓄積を利用させてもらってはいるが、
その成果は、全く新しいものであるということを自負している。
それがこの先、コンピュータ将棋以外の何に使われるかは私にはわからないが、
何らかの技術革新に活用される日が来るだろうと期待している。」
この本は、保木さんと渡辺竜王の対談もあり、充実した内容だ
保木さんの話の中には、自分には高度すぎて全然わからない部分もあったがそれは仕方ない
普段、自分はマンガばっかりで本を読まないけど、
自分としては、ひさしぶりに中身のある本を読んだ、と思った 読んでよかった
この本でひとつだけ残念なのは、タイトルだ
「ボナンザvs勝負脳」の「勝負脳」という言葉が、意味がわかりにくいのだ
シンプルに「ボナンザvs渡辺竜王」にすれば、わかりやすかったのに、
中身が良く出来ているだけに惜しいと思う
もし評価をつけるとしたら、Aですね
保木邦仁 渡辺明 著
2007年8月初版 角川書店 686円+税
コンセプト<ボナンザvs渡辺竜王の対局を焦点に、
開発者の保木邦仁、対局者の渡辺明の2人が様々な角度から語る本>
ボナンザvs渡辺竜王の将棋を興味深く見た人に、自信をもっておすすめできる内容だ
専門知識がないけど、コンピュータ将棋に興味がある、という人も、読んでおくといいと思う
わからない部分は、しょうがない わからないなりに読むしかない(^^;
渡辺竜王がいかにこの対局で本気を出して戦っていたか、よくわかった
事前のボナンザとのスパーリング、当日の雰囲気、序盤の作戦、
中盤、やや劣勢になってからの冷静さ、終盤の△3九竜の的確さ、どれも読み応えがある
渡辺の回想文を読みながら、自分は思わず「渡辺がんばれ」とドキドキした
もしこの試合の対局者が、渡辺竜王でなかったら・・・
もしプレッシャーに弱いプロだったら・・・
もしタイトルホルダーではない、並みレベルのプロだったら・・・
ボナンザが勝っていただろう、と自分は思った
今、もういちど大和証券杯のHPで解説つきの棋譜を見たが、終盤まで、本当にあぶなかった
それほどの接戦だった http://www.daiwashogi.net/kanshou.html(会員登録が必要です)
保木さんの専門分野の話は、さすがに高度でよくわからないが、
興味深く読ませてもらった 以下、一部を抜粋してみた
「私の場合は、分子の世界でモノを見てしまうことが多い。
たとえば、電子レンジで水が温まった状態を見て、
『水の並進・回転が励起されている』と思う。水分子が運動するわけだ。(中略)
ペンキの色あせはどうだろうか。太陽の光で電子的に励起されたことで、色素として色を
失ったというふうに見る。その結果、分子レベルで形が変わってしまう。」
・・・うーん、なんとも、保木さん、さすが科学者だ、すごい(^^;
保木さんて、見た目のベビーフェイスと全然違う、すごい頭脳の持ち主だったんだ
最後のページでは「コンピュータ将棋の開発が、何の役に立つのか」との問いに、
保木さんはこう答えている
「何に役立つかが簡単にわかるということは、すでにそれは既知の知識であり、
予想の範囲内の技術であるということを意味している。(中略)
ボナンザに組み込んだアルゴリズムも、過去の蓄積を利用させてもらってはいるが、
その成果は、全く新しいものであるということを自負している。
それがこの先、コンピュータ将棋以外の何に使われるかは私にはわからないが、
何らかの技術革新に活用される日が来るだろうと期待している。」
この本は、保木さんと渡辺竜王の対談もあり、充実した内容だ
保木さんの話の中には、自分には高度すぎて全然わからない部分もあったがそれは仕方ない
普段、自分はマンガばっかりで本を読まないけど、
自分としては、ひさしぶりに中身のある本を読んだ、と思った 読んでよかった
この本でひとつだけ残念なのは、タイトルだ
「ボナンザvs勝負脳」の「勝負脳」という言葉が、意味がわかりにくいのだ
シンプルに「ボナンザvs渡辺竜王」にすれば、わかりやすかったのに、
中身が良く出来ているだけに惜しいと思う
もし評価をつけるとしたら、Aですね
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