第16期 銀河戦
本戦Gブロック 10回戦
木村一基八段 vs 島 朗九段
対局日: 2008年6月19日
解説:豊川孝弘六段
聞き手:高群佐知子女流三段

先週の木曜に放送された分だ
今期ここまでの戦績は、島12勝23敗、木村39勝15敗
二人の対戦成績は木村の4-0

先手島で、横歩取りになった 先手の中住まいに、後手は△8四飛+中原囲い戦法
この形は数年前の竜王戦、▲渡辺vs△木村でよく似た一局があった、
あのときは木村は作戦負けから何もできず、ボロ負けだった
今回はどうかと思いながら見ていた

・・・したらば、この将棋もそのときとすごく似た展開になった
先手が2枚の銀を繰り出している間、後手は飛車を△8五飛~△3五飛~△3四飛~
△3五飛~△8五飛、と動かし、ほとんど何も駒が前に出ていない状態、
解説の豊川は「私がもし後手側をもったら確実に負けます」などの発言を連発していた

中盤、先手が銀2枚で押さえ込む展開に、そこで豊川が
(先手玉は)「頭が薄いですね、アデランスが必要なくらいです」
と言ったのはわざとではないだろうが、対局者が対局者だけに笑わせてもらった(^^;

56手目、木村の勝負手の△3三桂のところでは、どう見ても先手が確実に勝つ順があったと思う
ここから島は大技をかけて一気に勝負を決めにいったが、もしも先手が渡辺竜王なら、
どういう手順で勝ちにもっていくか知りたかった

そして80手目、△6五桂と跳ねたのには本当にびっくりした
善悪はわからないんだけど、いくらなんでも、玉のどてっ腹に飛車を打たせるか?こ、怖すぎる

島が王手の連続で迫った103手目、▲1五金からなら詰みだったが、それを逃して
一気に形勢混沌、しかし後手玉は裸にされており、
最後は打った飛車を取られてトン死してしまった
結果として島が勝ったものの、▲1五金で詰ましていれば、
29手詰み(しかも後手の合駒は角が最善というもの)が見れたのだが、残念だった
さすがに最後はどっちが勝つのか、ハラハラしたけどもね

個人的に本局は、二人のまずいところがよく出た一局だったと思う
木村の序盤の作戦、島の最後の秒読みで早指ししていたための詰み逃し、
特に、解説名人である木村のいいところを自分はあまり見た記憶がないので、
次の機会に期待したい