羽生善治四冠vs山崎隆之七段 2回戦
解説 久保利明

先手羽生の▲2六歩に対し、いきなりじっと考え込んだ山崎、
銀河戦では、中原の早指しにつられてどんどん早指しして負けた山崎だけに、
ここは気合いが感じられて良かった

手の損のない角換わりに進む 羽生の腰掛け銀に対し、山崎は右玉に構えた
山崎の右玉というのは個人的に好きだ
手が広く、個性が出しやすいので合っているんじゃないか・・・
と思っていたら、いきなり△3五歩の仕掛けキター!
△2二金の壁形をそのまま利用した、意表の仕掛けだ

いいねいいね、羽生はどう受けるんだろう、あれ、▲4七銀?△3五飛に▲3六歩と
誤っちゃうの?勢いが無いなあって、狙いが全然違う、いきなり飛車のぶつけ!
大乱戦必至だ っていうか、もう先手に飛車を自陣に成り返られて、後手は全然ダメなんじゃ、
と思ったら、▲3一飛にまさかの△3二飛!!ぎょえーすげえ
歩が一つぶつかっただけで、あとはいきなり敵陣に竜を作りあい寄せ合い、
こんなの見たことがない 山崎、個性出すぎだ、面白い(^^;
放送時間が大幅に余って終了もあるか、と思ったが、これがまだ難しいというんだからびっくりだ

さすがに形勢は先手がいいんだろう、と思っていたけど、
事前に打っておいた△5五角、これが相当な好手だったようだ 
何だ、この角は?意味不明だと思わせたが、局面が進んでみると急所の一手になっている、
この角が打てるのはさすがだ 本局の飛車、角の使い方は山崎ワールド全開だ

だが、山崎の「個性」に対し、最近好調の羽生は「びくともしない強さ」を見せつけた
逃げ道封鎖の▲3四歩(これは自分にも1秒で見えました、嬉しかった)
山崎の最後の勝負手、△6七香のタダ捨てにも、冷静に対応し
手順に金が出てで5五の角を取ってしまった
角銀のナナメゼットにしたあとは、きれいに寄せた
もう、美しいね 結果的には羽生の危なげない快勝だった
最後は羽生はまだ2回も考慮時間を残していたしね

感想戦では色々変化をやってくれた、そこでも山崎は色んな読み筋を見せてくれた
しかし結局はこの日の羽生が相手では、どう変化しても山崎に勝ち目はなかっただろうと
思わせられた 本当に最近の羽生は充実している 
また七冠になってもおかしくないと思う

山崎の個性と、羽生の充実ぶりを存分に見ることができた、実に面白い一局だった