第16期 銀河戦
決勝トーナメント 2回戦 第3局
阿部 隆八段 vs 横山泰明五段
対局日: 2008年8月22日
解説:森内俊之九段
聞き手:安食総子女流初段

期待の阿部さん登場、阿部はここまで磐石な勝ち方、
相手はラッキーな勝ち上がり方をしてきた横山だ
横山は本戦で2勝だし、決勝トーナメントでも中原の飛車トン死の見落としのおかげで勝っている
まあ順当に阿部の勝ちだろう、と思って見ていた

先手阿部で、序盤早々、▲6六歩と角道を止めた阿部、何これ、相振りか、と思いきや、
▲6七銀~▲5六銀と腰掛け銀にして、いきなり独走銀で歩得ねらい、これがハマッた
△4四歩と穏便に収めようとした後手の弱気な手に対し、▲8八飛と向かい飛車に回り、
いきなり8筋から仕掛けて有利に立った
 
その結果、序盤から先手だけ歩得で8筋を一方的に破る、というなんともありえない展開になった
ここまで、なんともアマチュアの棋譜みたいだ(^^;
阿部は桂を自陣に打つ好手も出し、解説の森内をうならせていた
さすが好調の阿部、横山に何もさせなかった、序盤で勝負あり、
後はいつ後手が投了するかだ、と自分は思っていた
解説の森内も、「阿部さんは、感想戦では、勝つと借りてきたネコのようなんですけど、
負けると大トラになるという話もあるんです この将棋を負けると感想戦が大変ですね(笑)」と
冗談を言っていたほどの差だったのだが・・・

ここから横山の粘りがすごかった 
8筋をあけ渡し、全軍を玉側に引越し、決め手を与えない横山、
特に阿部が疑問手をやったとも思えないのに、なんだか形勢が詰まってきた
持ち時間も差がなくなり、両者30秒将棋でわからなくなった

このとき、森内が「阿部先生は時間がなくなりましたね」と言ったのを自分は聞き逃さなかった
永世名人の森内に、阿部は「先生」と呼ばれているんですね
自分は「サンドウィッチマンの伊達ちゃん」とか、「阿部ちゃん」とか呼んでいますけど(^^;

形勢混沌だったが、最後に阿部は自玉に詰みがないのを見事に読みきり、
なんとか一手違いで勝ち切った
流れがおかしくなっていたので、弱気な手を指していても不思議でなかったが、
最後に阿部の底力が出た感じだった
序盤で圧倒的な差だったのに、こんな接戦になるのか、と思っためずらしい一局だった

阿部「次の対戦相手の佐藤棋王は、兄弟弟子なんで、今回は譲ってくれないかなあ、と
思ってますけど(笑)、精一杯指したい」とコメント