第16期 銀河戦
決勝トーナメント 準決勝 第2局
森内俊之九段 vs 三浦弘行八段
対局日: 2008年9月4日
解説:森下 卓九段
聞き手:早水千紗女流二段

2人の対戦成績は、森内の10-6
決勝で康光と戦うのはどちらになるか

対局前、解説の森下が「最近の戦法は何をやるのか予測がつかない、最初から目が離せません」
と言っていたが、まさにそのとおりの展開になった
先手森内で居飛車、後手の三浦が何をやるか、と思ったら、
なんと横歩取らせの△2三歩!
自分はこの後手の戦法は、「羽生の頭脳」と「消えた戦法の謎」で見たことがあるだけで、
実際の対局で見るのは初めてだ
森下ですら「△2三歩型を見るのは20年ぶりぐらい」と言っていた(^^;

本局は森下の解説がバツグンに良かった
森下「△2三歩型は山田道美先生らが指して、室岡さんが研究して室岡ノートにまとめて、
▲1六歩の新手は森けいニさんが指して~」と、どんどんウンチクが出てくるし、
「ここはこうなって、こういう手があって、さらにこういう返し技があるので怖いんですよね」
と、スラスラ変化手順が出てくるのだった
聞き手の早水も「え、いきなり角を捨てる筋もあるんですか」とびっくりしていた
自分も聞いていて、20年ぶりに出会った戦型をここまで詳しく解説できるのか、
と本当に感心した

早水「中盤をすっとばしていきなり終盤になりましたね」と言ったように、
この将棋には中盤の競り合いというものがなかった
森内に受け間違いがあったようで、手数68手、対局開始から1時間7分で終局になった
三浦の戦略勝ちと言える内容だった

この△2三歩型が今後流行るとも思えないが、将棋の戦法の可能性が広がるのは
自分としては歓迎だ 特に後手番の戦法だしね 
結果として、早指しではあるものの森内にも通用したわけだし、面白いと思う
20年間、誰も指さなくてめったに見れない戦法というのは、希少価値があるしね
「この戦法を今研究しているのは、プロでは三浦さんくらいでしょうね」
と森下が言っていたし、三浦にはこれからも独自の路線を進んで欲しいものだ
(三浦と言えば、自分の記憶では相横歩も指していたような気がする)

三浦「決勝の相手の佐藤棋王にはたくさん負け越していて、実力といえばそれまでですけど、
いい将棋を指したい」とコメント

もうちょっと森下の話になるが、今回は何か明るくて、面白いセリフが多かった
早水「日本シリーズでは森下先生は優勝されましたよね」
森下「あれは奇跡の3乗でして、自分でもなぜ優勝できたのか全くわかりません(笑)」
さらに、
森下「三浦さんが羽生さんの7冠を崩したときの話なんですけど、
記憶があいまいでボケ気味なんですけど~」と言ったわりに、
「私との挑戦者決定戦で三浦さんに振り飛車穴熊ばっかり指されまして、
2局も千日手になりまして~」と、どんどんしゃべる森下さん、
おーい、すごくしっかり覚えてるやん、そんなんでボケ気味と言われたら、
自分なんかアルツハイマーやで、と思わずにはいられなかった

この将棋の解説でも、序盤は完璧な解説だったが、終盤も森下らしさが出て面白かった
△9五角を見落とし、早水にフォローされていたし、
他にも「これは詰みですね、じゃあ、大盤で動かしてみましょうか、こうなってこうなって・・・
あれ?難しいですね・・・?詰みませんね(^^;」
こういう森下さんは、親近感がわいて、自分は好きだ