今期自分が解説会に行った中で、間違いなく一番の名勝負だった

先手羽生で一手損角換わり、深浦の△3七角成の強襲で一気に激しい戦いになった
脇「一日目から、すごい進みましたね、この解説会が始まる時点でもう終わっているかと思いましたが、まだ続いてます」
この一言から解説が始まった それからは激戦だった

脇「△3七角成は無理ぽいんで、形勢はちょっと羽生がいいかと思います」
脇「あれ、▲2四歩ですか、ここでは▲2一角かと思いましたが」
脇「△8七歩の垂らしがキツく、深浦さんが良さそうですね」
こんな感じで、二転三転の形勢判断だった

羽生がやや苦しいか、と思われたところで、出た、羽生マジックらしき手、▲5二歩!
脇「これはオマジナイの歩ですね、悩ましいですね」
さらに、ここから羽生が驚愕の勝負手を放つ、▲2三桂不成!!

指された瞬間、自分は思わず「ええっ」と声をあげてしまった、な、なんじゃこれ?
▲3一角の一点狙い、しかし、後手は応手がありすぎて、いかにも間違えそうだ
とにかくいったん△5二金と受けにまわったが、なんだか妖しいムード、角2枚に張り付かれて、後手玉は追い詰められた

さらに▲8五桂と巧妙に跳ねられ、後手は飛車道を遮断された
脇「この桂跳ねは、9九の銀取りにもなっていますね
うーん、どうにも先手玉に迫る手が見つかりませんね 防衛に赤信号が灯りました
▲5二歩から雰囲気がおかしくなりました、羽生さんが良くなったと思います」
と言った直後だった
深浦のスーパー絶妙手、と金のタダ捨て、△5七と!!

脇さんも驚いていたが、自分もこんな手、一秒も見えなかったよ、だって、そのと金が、唯一の攻めの頼みの綱と思っていたからね
それをタダ捨てする発想は、いったいどこからくるのか?
▲同玉に△7八飛の一発で、先手はいきなり受けがなくなった
この受けがなくなった、というのも、△7八飛を指されてみて、検討した結果、やっとわかったことなのだ 指された瞬間は全然そんな厳しい手とは思えなかったのだが・・・

うわ、これは逆転、深浦防衛か、と思ったが、返し技があった
先手は受けがなければ、攻めれば良いのだ、
王手の連続で、それで手順に後手の金を抜いて、先手の玉頭を広くしてしまえば、受けになっているじゃないか!

ところが、なんとそれにも後手からさらに返し技があった
後手は詰めろを消されない手順があったのだ
先手の攻めに対し、玉が自ら3段目に上がる、顔面受け!
最後は玉を端に逃げ、ギリギリで詰まなかった
先手の持ち駒は桂と歩で、桂と歩以外を何か持っていれば詰みだったのに・・・

まさに激戦といえる内容だった
「深浦さんに勝ち運がありましたね」と脇さんは最後に言ったが、自分はそうは思わなかった
深浦は、運ではなく、実力で、総合力で羽生に勝ったと、そう感じた
羽生は今日も強かった、四冠の力を見せたと思う
そしてその羽生の力を上回った深浦、見事としか言いようがない

3勝3敗での大一番で、ここまで力を出しあえるこの2人は、やっぱりすごい
今期屈指の名勝負だった 本当に面白かった