今期の銀河戦で自分的に1、2を争う面白い一局
(まだ今期の銀河戦は半分しか終わっていないけど)
田村の攻め、長沼の受け、両者の棋風が良く出た名局と思いました

コメントは全て解説の西尾明五段のものです
私の言葉は(カッコ)の中です

ファイル名:田村vs長沼 ゴキゲン超急戦.kif
開始日時:2009年1月9日
棋戦:第17期 銀河戦本戦Dブロック 6回戦
戦型:ゴキゲン中飛車超急戦
先手:田村康介六段
後手:長沼 洋七段

▲7六歩
*田村六段は多少強引でも攻めを選択します
*圧倒的な攻め将棋です
△3四歩
*長沼七段はNHK杯で羽生名人に勝ってベスト4という鮮烈な印象があります
▲2六歩
*2人ともオールラウンドプレイヤー、田村の攻め、長沼の受けという展開が予想されます
△5四歩 ▲2五歩 △5二飛 ▲5八金右 △5五歩 ▲2四歩
△同 歩 ▲同 飛
*ここで後手が△3二金とすれば、穏やかな将棋ですね
△5六歩
*かなり激しい将棋になりましたね
▲同 歩 △8八角成 ▲同 銀 △3三角 ▲2一飛成 △8八角成
*ここらへんは一本道です
▲5五桂
*馬の利きを遮断すると同時に▲6三桂成を狙っています
*もうこのあたりは定跡化されている手順です
*結論はまだ出ていません
△6二玉 ▲1一龍
*ここは後手に選択肢がいくつかあって、△9九馬、△7二玉、△5四銀 色々考えられます
△9九馬
*(この手を見て、ここまでノータイムで指してきた田村が初めて3分ほど考える)
*ここから▲6六香△5四銀▲1八角という展開が昔ありました 最近多いのは▲3三角で▲6三桂成から馬を抜く狙い、あとは▲2二歩も考えられます
▲6六香
*これは田村六段にとって、激しい内容なので、うってつけの将棋と言えるかもしれません
△5四銀
*長沼七段は受け将棋で、曲線的な手を好みますね
▲2三角
*ここで△3二銀は▲同角成△同金▲6三桂成以下つぶれです
△5一金右 ▲3四角成 △7二玉
*次に△6二銀と上がった形がとても堅いです
*先手は▲2四歩か▲1三竜か▲4三桂成か
▲4三桂成 △同 銀 ▲同 馬
*後手は攻めるなら△5七歩、守るなら△6二銀ですね
△6二銀 ▲5二馬 △同金直 ▲2一飛
*これはかなり攻めっ気の強い手ですね 後手は一段目に底歩が利きますからね
*(銀河クラブの豊川の解説では、馬を切った手が英断でここでは先手が良くなっているとのこと)
*(ここで長沼は15分の持ち時間を使い切る 田村はまだ持ち時間を10分余している)
△5七歩
*歩がなくなるので勝負手ですね
▲6八金寄
*▲同金は△4五桂があるのでやりにくいですね
*▲6八金寄りは△8九馬~△6七馬の筋を防いだ手です
*後手は△1四角で▲4八銀△3二銀でしょうか
*(ここで長沼は長考、考慮時間が残り5回になる)
△4三香
*▲3一飛成△同金▲同竜なら△5一飛と受ける予定でしょうね
▲3一飛成 △同 金 ▲同 龍
*ここは後手はしっかり受けないと、攻め合い負けですね
△5一飛
*形勢判断がつかないところですけど、次は▲4一金か▲3六竜ですね ▲4一金は局面の結論を出しに行く手ですね ▲4一金△4七香成▲5一金△同銀・・・これは難しい変化ですね
*(ここで田村は大長考、持ち時間の15分を使いきり、さらに考慮時間を5回も使った)
▲4一金
*後手が飛車を逃げると、▲3二竜がきびしいです
△同 飛
*あ、△4七香成じゃなくて取りましたね
▲同 龍 △5一金打 ▲3一龍
*▲2一竜と逃げると、△3五桂と力を溜める手がきびしかったですね
△4七香成 ▲4八歩
*ここで△3八歩は、▲2八銀で後手は歩切れになるので得かどうか難しいですね
△5八歩成 ▲同金上 △同成香 ▲同 玉 △8九馬 ▲5四銀
*次に▲6五香打ちという狙いですね
△7九馬
*この瞬間、できるなら後手玉を寄せてしまいたいところです ▲5三香が次に▲6一銀からの詰めろですね
*▲5三香がありますね
▲5三香
*ここは後手は読みきるのは難しいので感覚に頼らないといけないところです
△2五角
*5二の地点に利かせて詰めろを消した手ですけど、角を使ってしまってどうかというところですね
▲3六歩 △4六桂 ▲4七玉
*(ここで長沼は考慮時間をすべて使い切る 以下30秒将棋)△6八馬でしょうか
△4一金打
*あ、受けましたね 迷ったら受けるのが長沼七段、迷ったら攻めるのが田村六段ですね
▲5二香成 △同 角 ▲3三龍
*これが詰めろっぽいですね
△5三歩 ▲6九金打
*ここにきて先手が優勢になってきた気がします
△3一香
*(この手を見て田村は最後の考慮時間に入る
*これ以降、お互い完全な30秒将棋になった)
*この△3一香はいい手ですね
▲4四龍
*(これが敗着 感想戦で出た正着は▲1三竜だった)
△6九馬 ▲同 金 △5四歩 ▲4六龍
*(田村、この手はノータイム しかし、田村は次の手を見落としていた)
△2七桂
*(逆転を生んだ妙手)
*△2七桂ですか △4二香の狙いですね
▲2八銀
*(秒を8まで読まれて指した田村、変調だ)
△1九桂成 ▲同 銀 △4二香
*▲同竜でしょうか ▲8六香の狙いです
▲4四桂
*桂を一枚使ってしまったので、▲8四桂からのトン死筋がなくなりましたね
*先手が良くなったと思ったんですけど、△2七桂がいい勝負手でしたね
△2五角
*次に△4四香▲同竜△3六角で王手しての金取りがありますね
▲5七玉
*これは大熱戦になりましたね
△3六角
*だいぶ後手が盛り返しましたね
▲4七歩
*▲4七銀と使ってしまったのでは、後手玉が安全になりますね
△4五金
*▲3六竜で勝負でしょうか
▲同 龍
*あ、角でなく金を取りましたか
△同 角 ▲8五飛
*(田村、この手はノータイム!)
*これは角が逃げたら後手玉が詰みますかね?
△5六角
*おおっ! すごい手ですね 8三の地点に角を利かせたんですね
▲同 玉 △7四銀
*ほおー、ここで受けましたか
*そうか、飛車の横利きがなくなると、△5五飛~△4四香で詰みなんですね
▲2五飛 △3九飛
*ここでは後手が堅いので後手優勢ですね
▲5八角
*これは面白い手ですね △3六飛成なら▲4六歩ですね
△3六飛成
*(長沼、なんとこの手は田村のお株を奪うノータイム指し)
▲4六歩 △2五龍 ▲同 角 △5五飛
*しかしこれがありましたね 後手がはっきり優勢です
▲4七玉 △2五飛 ▲1八角
*(この手は田村、ノータイム)
*△3六角と飛車成を同時に受けた手ですね
△3八角 ▲5八玉 △2九角成
*▲5四角と出たいんですが、それは△5五飛がありますね
▲2六歩
*取れば▲5四角ということですね
△5五飛 ▲5六歩 △同 馬 ▲6八玉 △4六馬
*これははっきりしましたね
▲7八玉 △1九馬 ▲5六歩 △1八馬 ▲5五歩 △3六馬
*次に△7七銀▲同玉△6九馬の狙いがありますね
*先手は受けても一手一手です △4四香とされても手も足もでませんので投了やむなしです
まで116手で後手の勝ち

銀河クラブの豊川「この逆転負けは田村さん、アツかったでしょうね、
この日は眠れなかったと思いますよ」

<見ていての感想> 序盤から一手も息を抜けない展開だったにも関わらず、
最終盤でもまだノータイムで勝負手を指す力を持った両者、よく息が上がらずに思考が続くなあ、
とホントに感心しました △2七桂、そして△5六角は見ごたえがありました