マイナビオープン女王戦の挑戦者決定戦、中村真梨花vs岩根忍です
(タイトル戦は岩根さんの出産の都合により6月中旬以降になったとのこと)

ウィキペディアの「中村真梨花」の項より↓
>振り飛車党にしてはやや珍しい攻撃的な棋風で、中盤から敵陣に強引に攻め掛かり
>一気に寄せまで持って行く戦法は、棋界では「マリカ攻め」と呼ばれている。

この一局、負けはしましたが、中村真梨花の「マリカ攻め」が炸裂します
劣勢になってからの真梨花の追い上げが見ものです
中村真梨花は、銀河戦の聞き手のときも、男子プロが気付かなかった寄せを指摘する姿を
自分は2回、目撃していて、「この子は強い」と思ったことがあります

先週の土曜のBSでの井上八段の解説を棋譜にまとめました
コメントは井上八段のものです
(カッコ)の中は私のコメントです

ファイル名:真梨花vs岩根.kif
開始日時:2009/03/09
持ち時間:各3時間
棋戦:マイナビ挑戦者決定戦
戦型:相振り飛車
場所:東京将棋会館
先手:中村真梨花女流二段
後手:岩根忍女流二段

▲7六歩
*先手が中村さんです
*(中村真梨花は竹部、里見、中井に勝っての挑決進出)
△3四歩
*この2人は振り飛車党です
*(岩根は長沢、斎田、清水に勝っての挑決進出)
▲6六歩 △3五歩
*ですから相振り飛車になりましたね
▲7八銀 △3二飛 ▲6七銀 △6二玉 ▲7七角 △4二銀
▲8八飛 △3六歩
*いきなり行ったんですね
▲同 歩 △同 飛 ▲3八銀
*すぐに▲3七歩と打つのは味消しですね
△7二銀 ▲8六歩 △7一玉 ▲8五歩 △3四飛
*飛車の横利きで▲8四歩を防ぎました
▲4八玉 △3三銀
*積極的な指し方です
▲5八金左
*あとの展開を見ますと、この手では▲3七歩と受けておいたほうが良かったです
*矢倉を見せて、この手もやりたい手なんですけどね
△4四銀
*ここからの岩根さんの指し回しが非常に良かったと思います
▲8四歩
*次に△3五銀となると、交換できなくなりますからね
△同 歩 ▲同 飛 △8三歩 ▲8六飛
*次は△3五銀▲3七歩となるかな、と思ったんですけどね
△3六歩
*決断の一手ですが、これがいい手でした
▲5六銀 △3三角
*これで、次の△1五角が受けにくいです
▲1六歩 △1四歩
*後手は端から攻めができる展開になりました
*岩根さんが序盤をうまく組み立てました
▲3七歩
*位を解消にいったんですけどね
△1五歩
*端攻めです
▲同 歩 △同 香 ▲1六歩
*▲1七歩もあったんですけど、気合いが悪いですね
△同 香 ▲同 香 △1五歩
*香の交換は、攻め駒がさばけた後手が有利ですね
▲3六歩 △1六歩
*次に△1七歩成があるんです ▲1八歩と受けても、△1七歩成▲同歩△1八歩という攻めがあります
▲3七銀
*3六の歩を守りました
△1七歩成 ▲同 桂 △1六歩 ▲2五桂 △1五角
*後手は自然な攻めが続いています
*攻めにリズムがあります もう後手の攻めを全部は受け切れないです
▲2六銀 △同 角 ▲同 歩 △3六飛
*▲3七歩と受けても△2六飛でダメです
*先手はここからは攻め合いにいくしかないです(はたして、ここからどうやって攻めるのか?見ものです)
▲8二歩 △同 玉
*玉を近づけました
▲7五歩
*このへんは、なかなかうまくアヤをつけにいったと思います
△3七歩
*ここでは、△7六香と打つ奇手もありました、▲同飛に△8五銀と打つ狙いです
*
*もう先手は行くしかないです ▲3九歩と受けても△2六飛で、よけいに厳しくなります
▲7四歩 △同 歩 ▲4六角
*これで後手が駒を使って受けてくれれば、後手の攻めが弱くなるんですけどね
△6四歩
*「大駒は近づけて受けよ」ですね
▲同 角 △7三銀 ▲6五銀
*角はもう逃げていられません
△7二金
*落ち着いて締まりました(注:△6四銀と角を取る手もあったようです)
*厳密には先手が足りない局面なんですけど、ここですごい勝負手が出ました びっくりしました
▲7四銀
*角がタダで取られるから、やりにくい手なんですけどね
*(マリカ攻めキター!!)
△6四銀 ▲8五香
*迫力がありますね
△8四香 ▲同 香 △同 歩 ▲6五歩
*これがすごい勝負手でしたね 飛車がぶつかって銀取りです 岩根さんはもう1分将棋になってますんで、慌てたと思います
△8六飛 ▲同 角
*角が使えて、先手の駒に勢いが出てきました
△1八飛
*とりあえず打ってみたくなる飛車なんですが、この手は疑問でした ▲3八歩と受けてくれるなら、△同歩成▲同金△3七歩で調子がいいんですけどね
▲5九玉
*△3八歩成が詰めろではないんです
△7三銀 ▲8三歩
*先ほど香を打って歩を吊り上げた効果が出ています
△同 金 ▲同銀成 △同 玉 ▲7四歩 △同 銀
*この局面が、唯一、先手のチャンスの局面でした 本譜は攻めにいったんですけど、ここでは受けの好手がありました
▲7一飛
*この手では、▲2九金と打っていれば、勝敗はどうなるかわかりませんでした ▲2九金があるので、△1八飛は打たないほうが良かったんです
△3八歩成 ▲8一飛成 △8二香
*これで後手玉に寄せがないんです ▲9五桂も△9四玉で続きません ▲8二竜のときに△3七角がありますしね
▲3八金 △同飛成 ▲4九金
*攻めがないので、受けに回ったんですけど、痛い手がありました
△同 龍 ▲同 玉 △2七角
*王手竜取りなので、投了もしかたないです(負けたけど、マリカ攻めは堪能しました)
まで94手で後手の勝ち