囲碁将棋ジャーナルでの勝又六段の解説、第2弾です

ファイル名:ボナンザvsGPS.kif
開始日時:2009/05/05
持ち時間:25分切れ負け
先手:ボナンザ
後手:GPS

▲7六歩
*(勝又六段の解説は56手目から)
△3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △4二飛 ▲6八玉
△7二銀 ▲7八玉 △9四歩 ▲5六歩 △3二銀 ▲5八金右
△4三銀 ▲5七銀 △6二玉 ▲2五歩 △3三角 ▲7七角
△5四銀 ▲6六歩 △5二金左 ▲8八玉 △4五歩 ▲9八香
△9三桂 ▲6七金 △8五桂 ▲6八角 △9五歩 ▲8六歩
△9七桂不成▲同 玉 △6四歩 ▲7八銀 △9六歩 ▲8七玉
△6五歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲6六歩 △7四銀 ▲6四桂
△6三銀上 ▲5二桂成 △同 金 ▲7七角 △8四歩 ▲9六香
△同 香 ▲同 玉 △4四角 ▲7五歩 △同 銀 ▲7六歩
△6四銀引
*お互い、機械学習どうしの対戦です
*ボナンザの穴熊模様に、GPSが藤井システムみたいに猛攻を仕掛けたんですが、攻めが失敗して、現在ボナンザの金得という局面です
▲6五歩
*人間だったら危ないから玉を下がるところなんですが、コンピュータは怖れを知らないので攻めちゃうんです
△同 銀 ▲4四角 △同 飛 ▲5五角
*9六に玉がいるのを忘れているかのようなんですが(笑)しかしこれがちゃんと読みに基づいているんです
*▲5五角でボナンザ優勢なんです
*GPSも、このまま飛車を逃げたら負け、と判断して、勝負手を出します
△7六銀
*銀捨て!これがすごい手ですね、思い浮かばないです
▲同 金
*さすがにこれは銀を取ります
△9八角
*玉の逃げ場所をふさぎながら、金取りです
▲8七銀打 △9一香
*これが狙いの手、厳しいです ちなみに、相手の持ち駒に歩がないときは、香の価値を上げる、という補正もちゃんとしているんですよ
▲9五金
*ここで▲9五香合は、△同香以下、トン死しちゃうんです
△同 香 ▲同 玉
*次の手も、なかなかできない手です
△7四飛
*じっと飛車寄りです 角を取ったら△7四飛ということです
*ただ、ボナンザもすごいんです
▲6五金
*玉が9五にいるのに、まだ攻める(笑)さすがボナンザです
△8七角成 ▲同 銀
*この局面、GPSは自分が不利と判断しています
*次の手がしぶとい手です
△6四歩
*これがしぶとい手なんです 先手の角の利きを止めたんです
▲7四金 △同 歩
*ここで、先手が人間なら、玉を下がるか、▲9二飛の王手、このあたりだったと思うんですけど、ボナンザは自玉は安全と判断しました
▲1一角成
*この手には意味がありまして、次の▲2一馬が受けに利きますし、取った桂馬を▲4四桂と打ちたかったんです
*しかし、ここからがGPSの本領発揮でした
△7二銀
*これが攻防の一手、飛車打ちの王手を避けながら、先手玉が上に逃げたときの抑えになっているんです
*ここが問題の局面で、こんどこそ、先手は玉を引かなければいけませんでした
▲2一馬
*悠々と桂を取って、次に▲4四桂が詰めろだから、勝ちそうだ、とやったんです
*ここがこの将棋のハイライトです 次の一手を見て、解説しながら思わず声を上げちゃいました
△9七金
*いやあー、これはすごい手でした
*取ると、△9四歩▲8四玉△8三銀▲8五玉△7五金▲9六玉△8四桂、までで、ピッタリ詰み!
*ということで、この金は取れないんです
▲8五歩
*下への帰り道がなくなっちゃったんです
*しょうがないから、横へ逃げ道を開けました
*8七の銀には、馬のヒモがついています
△7五銀
*これも詰めろなんです
▲8四歩 △9四歩
*これを取りますと、△8二桂という手があって、△9二歩▲同玉△9一歩以下、ピッタリ詰むんです
▲8五玉
*次の手も人間は指しにくいです
△7三銀
*一見、▲8三歩成がありますからね でも、それだと△9五金で詰みです
▲9二飛
*まだボナンザも粘ります
△8二桂
*この桂がピッタリです
▲同飛成 △同 銀 ▲8六銀
*まだボナンザはがんばりました
*しかし、GPSはこの後の寄せも正確でした
△同 銀 ▲同 玉 △6七飛
*8七には馬が利いています
▲7七角
*詰めろを受けましたが・・・
△9六銀
*また詰めろです
▲9七桂 △9五金 ▲7六玉 △5七飛成
*これで必至です 玉は包むように寄せろ、ですね
*(この手で解説終了)
▲5四桂 △同 歩 ▲4四角 △7三玉
まで104手で後手の勝ち

優勝したGPSの金子さんのインタビュー
金子さん「やり残したことがたくさんあるので、より強いプログラムを作っていきたい」

勝又「コンピュータはコンピュータどうしの将棋道場で、研鑚しているんです
 コンピュータはまだまだ伸びしろがある、ということで、怖いです
 来年は、渡辺竜王を苦しめたボナンザ、あの強さが決勝リーグに進むための
 最低ラインぐらいの話ですね」