第17期 銀河戦
本戦Hブロック 9回戦
井上慶太八段 vs 野月浩貴七段
対局日: 2009年4月22日
解説:神谷広志七段
聞き手:高群佐知子女流三段
記録:渡辺弥生女流2級

20年度の成績は、野月13勝13敗、井上18勝17敗 2人の対戦成績は2-2のイーブン
解説の神谷「野月は居飛車党で攻め8分とも9分とも言われる攻め将棋、
 井上は居飛車党で攻めと受けのバランスが取れた棋風」とのこと

神谷「両者横歩取りが得意で、相当星を稼いでいる」とのこと
さらに、神谷「中座飛車で昔、荒稼ぎをしたのは、野月、井上、丸山」だそうだ

序盤早々、先手の野月が1筋の歩を突き、「先手だけど中座飛車をやりたい」としたのを
井上が端歩を受けたことにより、相横歩取りというめずらしい将棋になった
角を持ち合い、玉はお互いに中住まいの空中戦だ

両者同じような陣形で、神谷は「どう指していいかさっぱりわからない」を連発していた
神谷はこういう空中戦を苦手としているようだ
自分も空中戦は超苦手で、次の手が全然見えない展開が続いた
しかし、対局者はなるほど、という手を指して、均衡を保っている
さすが、横歩取りが得意どうしの一戦だ
この将棋は横歩取りに対する両者のプライドがかかっているように思えた
横歩取りキングは、はたしてどちらなのか?(まあ、羽生とかの超一流を除いてだけど)

中盤、井上の攻めがうまくいっていたようで、特に△5五金と打ったのが、盤面全体を抑えて、
好手になったようだ この金、自玉を安全にしながら、先手玉を追い詰める働きもしている

終盤、野月が玉の早逃げで粘り、両者30秒将棋、どっちが勝っているのか、わからない
井上が驚愕の金のタダ捨てから、抑えの歩を打って縛る、という鬼手を放てば、
野月は今打たれた歩頭に桂を打つという受け!すると井上は相手の歩頭に角打ち!
ギリギリの終盤で鬼手の応酬、まさに寄るや寄らざるや、いや~、これは魅せたね!

井上の勝ちか、と思われたのだが、井上は寄せを逃してしまい、結果は野月の勝ち!
投了直後の井上「(寄せが)なんかあったんじゃ・・・」だった

この将棋、大熱戦で、今期銀河戦、屈指の好局だった
うーん、いやあ~、これ、井上さんの名局誕生と思ったのに、井上さん、勝てなかったかあ~
くう~、惜しいい これを勝ちきって、ガンダムのアムロ風に、
「A級昇級は、伊達じゃない!!」と感想戦で言ってほしかった・・・
ああ、それほどに惜しい、両者好手連発の熱戦だった

感想戦では、お互いに終盤のするどい読み筋を披露してくれた
寄せの妙手がたくさん隠れていた終盤だった
野月「これはまいったと思いました」
井上「まいったと思ったら、投了してくれたらいいのにな~」
これにはみんな笑っていた(笑)

こんな終盤が指せたら、さぞ面白いだろう
うう~、自分は終盤が弱いので、こうはいかないなあ(^^;
応援していた井上さんが負けて残念だったけど、いい将棋を見せてもらった一局だった