今週の「まるごと90分」のゲストは、木村八段でした
木村さんが王位戦リーグの一局を自戦解説してくれたので、44手目までですが、棋譜にまとめました
木村さんの受けの強さがいかんなく発揮された一局と思います
木村「大乱戦で、プロの将棋とは思えないめずらしい内容、楽しんでもらえれば、
 と思って選びました」とのこと

ファイル名:先崎vs木村 第50期王位戦.kif
開始日時:2009/05/13
持ち時間:各4時間
棋戦:第50期王位戦紅組リーグ
戦型:三間飛車
先手:先崎 学八段
後手:木村一基八段

▲7六歩
*(後手が木村 木村3連勝で迎えた第4局)
△3四歩 ▲1六歩
*めずらしい手というか、佐藤康光さんがたまにやりますね
△8四歩 ▲1五歩
*早めに1筋の位を取る、意欲的な手です
*次の手で、後手の前例はだいたい△8五歩だったんですけど、工夫しようというか、才能あるところを見せようと思ったんです
△5二金右
*こうやったんです これがとんでもない悪手で、苦戦を招く原因となりました
▲7五歩
*△5二金右の形には、三間飛車にすると戦いやすいんです 先崎さんは、そこを機敏につきました
△4二玉 ▲7八飛
*専門的には、すでに先手がポイントを稼いでいる気がします
*ここで後手から△8八角成~△4五角の筋は、▲5五角があって成立しません(ギズモ注:しかし、ここの局面ではその手はあったようです ▲5五角には△3三桂で難解なようです 番組では、△4二玉と△6二銀の手順を前後して間違えていたため、△8八角成~△4五角の筋は解説されずに過ぎてしまいました)
△6二銀 ▲7四歩
*もう後手がおかしい感じです
*△同歩は角交換から▲5五角で終わりです
△4四歩
*次に、▲7三歩成△同銀▲7四歩から、角交換して▲7三角と打ち込まれる順をふせぎました
▲7三歩成 △同 銀 ▲7四歩
*ここで△6四銀は、▲6六歩~▲6五歩がいやです
*△6四銀▲6六歩に△7二歩と打てば受かるんですけど、土下座したような手ですからね
△6二銀 ▲5五角
*こんな簡単に破られちゃいけないんですが・・・
△9二飛
*もう終わったか、という感じですけどね
▲7三歩成
*このあたりの気分は、大変よくなかったです
△同 銀 ▲同角成 △同 桂 ▲同飛成
*(ギズモ注:もしここで、8四に歩がいないと、△9五角があるので注意ですね)
△4五歩
*しかし、先手もこの角成が意外と受けにくいんです
*▲6六銀と使ってしまうのはもったいないですし、▲7七桂は△5五角打でたちまち逆転です
▲9八香
*これ、いい手です 9八で香を取らせると、馬の働きが悪くなります
△9九角成
*でも、しょうがないから成ったんです
▲7八銀
*この手では、▲8三銀と、飛車を取りにいく手も有力でした
△9四歩
*▲8三銀に対しての飛車の逃げ道を空けたんです
▲7一龍
*この手は、竜を一段目に利かせたことと、次に▲7五桂~▲8三桂成という筋を狙っているんです 歩を垂らすのと同じ、桂を垂らす狙いです (ギズモ注:この次の受けの一手、思いつきにくい手です)
△5一金引
*一段目を補強したのと、飛車を5二に逃げられるようにした手です △3三玉~△4二飛の狙いもあります
▲7七桂
*この手が、先手の敗着になったと思います 桂を働かせる狙いなんですけどね
*ここでは▲7五桂がよかったです それなら先手が良かったです 
*次の後手の一手が渋い手でした(ギズモ注:次の一手、解説後、木村が勝因と言った手です)
△6四歩
*桂を6五に跳ばせない手です ▲7七桂としてしまったため、7一の竜がいなくなったときに、△7六歩が生じたんです この▲7七桂と△6五歩の交換は、先手がだいぶ損で、流れが全然おかしくなりました
▲4八玉
*先手は動きようがないので、実戦的に囲ったわけです
△3二玉 ▲3八銀 △9八馬
*もう9二の飛車が追われても4二へ逃げれるので、ゆっくりした展開にもっていきました
▲3九玉 △9七馬 ▲2八玉
*先手はちょっとつらいんですが、我慢強いです
△4二銀 ▲7六桂
*次に▲8四桂と跳ねて、△9三飛に▲7二桂成となれば、ということです ▲8四桂△9三飛となれば、▲8五桂も生じますしね(ギズモ注:次の一手、木村の受けの決め手が出ます)
△6二角
*後手としては、▲8四桂と跳ばせてはいけません
*ここは徹底的に受けたほうがいいんです この局面、手も足も出させない、何もさせない、友達をなくすくらいの感覚で打ったほうがいいんです
▲8一龍
*縦に竜が逃げるのは、△7一香があります
△7五馬
*(ギズモ注:以下、後手は7六の桂を取り、この後は木村ペースで102手で木村の勝ちになりました 長くなるので省略します
*先崎の三間飛車にした構想、▲9八香の手筋、木村の△5九金引きの受け、△6四歩の受け、△6二角の受け、見どころたっぷりな一局と思いました)
まで44手で中断