第17期 銀河戦
本戦Dブロック 10回戦
高橋道雄九段 vs 山崎隆之七段
対局日: 2009年4月15日
解説:豊川孝弘七段
聞き手:鈴木環那女流初段
記録:野田澤彩乃女流1級

20年度の成績は、山崎26勝18敗 高橋24勝15敗 2人の対戦成績は1-1のイーブン
このDブロックは、なんと一番下の大野の2連勝が最高で、山崎はこれに勝てば
決勝トーナメント進出の大一番

解説の豊川「山崎は先手では居飛車が多く、後手では色々な戦型を指す
 高橋は重厚な居飛車党の本格派、矢倉が得意、横歩取りも指す」
先手が山崎だったので、事前の戦型予想で
豊川が「山崎の初手▲2六歩から横歩取りになるんじゃないか」と言ったら、
そのとおりになった

△8五飛戦法になるかと思いきや、山崎が19手目に▲5六飛と変化した
この飛車は定跡では▲2六飛と回るところだ
豊川「新定跡が見られるかもしれない」
がぜん、楽しみになってきた

が、しかし、高橋が冷静に対応、山崎の飛車がやや窮屈になることになってしまった
局後、山崎「序盤、ひどかった」
豊川によると、高橋は昔、10秒将棋をよく指していて、「10秒将棋の鬼」と呼ばれていたそうだ

山崎陣が壁形となった瞬間、高橋、突如9筋からいきなり仕掛けた!
角頭に歩を垂らされ、豊川「これは決まったか?」
うわ、もう決まってる?部分的な攻めだけに、受けがなさそう、と思って見ていると、
山崎は香を▲9六香と浮く、考えにくい受け!これでギリギリ凌いだ
ふうー しかし、大きな歩の拠点が角頭に残ることになった

高橋は飛車をぶつけたり、銀を出たり、なんだか次々にパンチを繰り出してくる
今日の高橋は強い・・・ 山崎、ピンチ!

ポイントを稼いだ高橋、その後、自陣を固めだした 緩急自在だ
豊川「第二次駒組みになりました」
対局姿を見ると、両者ものすごく気合いが入っているように見える
状況は高橋有利だ ただ、時間が山崎残り4回、高橋0回になった
これが頼みの綱だ・・・

いよいよ本格的に駒がぶつかり、
豊川「高橋の攻めを山崎が受け切れるか、ギリギリですね」
しかし、高橋陣はガッチガチだし、攻めの手段も多そう、山崎、ここまでか・・・!

竜を自陣に引き上げて粘る山崎だが、つなぎ桂の攻めが来た、これは決め手か!?
と思ったら、山崎は桂を取らずに竜をかわした!
自分は、1回は桂を取ることしか考えられなかった
豊川「山崎は歩を渡したくないんですね」
そうか、桂を1枚取ると、相手に歩を1枚渡すことになってしまうのか!目からウロコだった

高橋の攻めが切れ模様になり、豊川「形勢は山崎持ち」
カンナちゃんも「普段は表情を変えない高橋先生がやや苦しそうな表情」
よし、やった、山崎、逆転模様!

局面は駒の交換で、高橋の持ち駒も増えてきた
山崎、優勢とはいえ、ゆっくりもしていられない 手が広く、どうするのか
豊川「次の山崎の手、見ものですね」
その瞬間、山崎の▲9七角の遠見の角がキター!!
この手は、自分は見ていて、「おおーっ!」と叫んでしまった
こんな発想は普通は出来ない、これぞ、山崎の真骨頂の一手!!
よっしゃ、山崎ナイス、これで勝ちはもらったぜ!

山崎は玉も早逃げして万全、と思いきや、なんと高橋はこの早逃げを逆用、
王手飛車取り狙いの歩成が出たー!! げえっ!
豊川「この筋は山崎はうっかり、見えてなかったでしょう、頭に血が上って対応できるかどうか」
が、しかし、山崎は冷静に玉を逃げ、なんとか事無きを得た
高橋の最後の勝負手の角打ちにも、冷静に歩打ちで対応した

そして、ついに山崎、この大熱戦を見事に勝ち切った!
やったあ、山崎、苦しい将棋を力で逆転勝ち!!
自分は思わず拍手していたね、パチパチパチパチ!!

いや~、ホントに、両者の力の入り具合がこっちまで伝わってきて、
今期銀河戦屈指の大熱戦だった
中盤あたりでは、もう高橋に完全に押し切られるかと思ったよ
実際、感想戦での中盤の検討では、高橋が有利を保つ変化が色々とあったとのこと

しかし、自分的に、こんなに盛り上がった勝負は今までめったになかったね
何しろ、自分は山崎さんに思いっきり肩入れして、山崎さんを応援して見ていたからね
先日の名人戦の解説会のことがあったから(^^;

豊川「高橋は歩切れに泣いた」
あのつなぎ桂を、取らなかったのが良かったんだね 取れば歩を渡すことになっていたからね

高橋さん強かったよ、A級に上がっただけのことはあるね
よーし、山崎、これで決勝トーナメント進出決定、さあ、一気に銀河戦優勝だ!!