<第56話>
(鷹洋の、美形、長髪で眼鏡、でっかいガタイ、の3人を見つめる飛鳥田)
飛鳥田“あの3人が鷹洋のレギュラーなんだろうなぁ 横浜からわざわざ 西湘まで・・・”
(美形が怖いくらいの迫力で指す姿を見て、飛鳥田の首筋に寒いものが走った)
ザワッ
飛鳥田“強くなる以前に・・・ あの迫力に負けないようにしないと・・・”

(みんなの予選リーグの試合が終わりだした)
内村「先輩!!先輩!!」
(様子を見に来ていた武藤先生、そこに集まってきた西風ヶ丘のみんな)
飛鳥田「先生、いらしてたんですか」

武藤先生の周りに、内村さん、鳥山さん、角野君がいます
それにしても、武藤先生、むちゃくちゃデカイです 体積が内村さんの5倍はありますね
武藤先生の周りに集まりたくなるのも、なんとなくわかります

内村「先生 勝った!!勝った!!」
角野「え 内村 勝ったの?」
飛鳥田「対外試合 初勝利おめでとう パチパチ」
顔を見合わせた内村と鳥山香「にへ~っ」

内村さんと鳥山さん、良かったですね
武藤先生も、顔がなごんでいます
みんなの成績は、以下のようになりました

飛鳥田 予選落ち (2勝2敗)
角野   予選通過 (3勝1敗) 
馬島   予選落ち (1反則負け 3不戦敗)
鳥山香 予選落ち (2勝2敗)
内村   予選落ち (2勝2敗)

飛鳥田「成田さんは?」
内村「成ちゃんは 今4局目 ここまで2勝1敗 相手は3連勝みたい」
角野「オ!? それって勝ったら決勝トーナメント!? 見に行こうぜ!!」

(対局中の成田のところに、みんなが集まった 成田の対戦相手は、あのタラコくちびるの女の子だ)
角野「おー オレらとタメくらい? 結構かわいいじゃん」
鳥山香「見境いなし・・・」
内村「ふんと ふんと」
角野「な・・・ なんだよ」

角野君の女好きは、鳥山さんたちにはもう見抜かれてますね

角野“いや しかし・・・ (相手は)強いぞ これは・・・ ひょっとして・・・ オレでも勝てないかも・・・”
飛鳥田“頑張れ 成田さん!!”
(しかし、苦しそうな表情の成田)
パチッ ビシッ
みんな「!」
(局面、大差となった あきらめた成田)
成田「負けました」
みんな「ホゥッ」

相手の子のあまりの強さに、みんな呆然としてます

飛鳥田“ひょっとしたら 成田さんなら 決勝トーナメントまで・・・ と思ったけど・・・
 こんな強い子が いるんだなぁ・・・”

(相手のタラコくちびるの女の子が、じっとみんなのほうを見た)
内村「あの子 こっち見てるけど?」
角野「見られてる?」 

<第57話>
(成田に勝った相手の子が、ニコニコして武藤先生に近づいてきて、おじぎした)
ペコリッ
タラコくちびるの女の子「あの・・・ 番って言います 前からお会いしたいと 思ってました」
見ていた飛鳥田たち「え・・・」
内村「えぇ~~!! いきなりスキャンダル!?」
鳥山香「不倫? 不倫? ねぇ不倫?」
飛鳥田「武藤先生 独身だから 不倫はないと思うけど」
角野「いや・・・ だってアレ高校生だろ? ホーリツ違反じゃん?」

みんな、大騒ぎです 特に、内村さんと鳥山さん、こんな生き生きとした表情は初めてです
やっぱり女の子はこういう話が好きなんでしょうか ミーハーですね(^^;

鳥山香「親しげに話してる・・・」
内村「え~ 武藤先生 あんなんがいいのかな? タラコくちびるなのに?」
角野「・・・」
(角野、じっと内村を見つめた)
内村「な・・・ なに?」
角野「まあ 小学生にしか 見えないよりは いいんじゃねぇ? ひっひっひっ」
内村「うっさーい!!」
ドカッ
角野「ハウッ」

内村さんの右正拳が、角野君の背中に入りました!
しかし、威力はやや弱めですね 以前の鳥山さんが放ったパンチには、やはりかないませんね

鳥山香「お疲れ 成田さん」
成田「あ・・・ うん・・・ あの子 高2だって・・・ ものすごく強い・・・」

『番さんは小学生の頃から 東京の棋円館という 将棋教室に通っていて
 その棋円館の席主が 武藤先生の知り合いなのだという』

番「北川先生も来てますよ 指導対局なさってます」
角野「北川って あの美人の!?」
飛鳥田「女流プロの?」
鳥山香「武藤先生 そんな人とも知り合い!?」
内村「顔広いんだ!! 物理的に・・・ではなく」
番「くすっ(笑)」
飛鳥田「あ・・・」
番「みなさん 楽しそうでいいなぁ ウチの学校 将棋部ないんで うらやましいです」
飛鳥田「番さんの学校 ないんですか?」
番「そうなんです 熱心な先生もいなくて 一回団体戦って やってみたいんですけどね」
飛鳥田“そういう学校もあるんだなあ・・・ ともかくここまでやってこれただけでも
 ウチは運が良かったかも・・・”

運が良いどころか、良すぎです 飛鳥田君一人だった将棋部に、
鳥山さんが「はいります 私 将棋部に」と言ってくれたのは、
今もって奇跡というほかありませんね

『そして── 決勝トーナメントが 始まった』
鷹洋の長髪で眼鏡の生徒が、角野君の相手です!

長髪で眼鏡「えっと? キミ高校生? 何高?」
角野「西風ヶ丘だけど?」
長髪で眼鏡「なんだよ いねぇじゃん 飛天のヤツなんて いい加減な情報を」
角野「おい?」
長髪で眼鏡「まったく こんな所まで 来なくて済んだのに・・・」
パシッ
角野「お前は どこの・・・」

角野君、全く無視されてしまいました(^^;

角野“てめ・・・ 人に訊くだけか? オレは街角の案内板か なんかかよ?”
ピシッ
角野“潰したる!!”
バッ!

『94手で角野の負け』
角野「ヒ・・・ ヒトコマ?」

角野君、ヒトコマで負けました(^^;

長髪で眼鏡「まったく・・・ 日曜だっつうのに・・・」
(さっさと席を立っていった長髪で眼鏡の生徒)
角野「ふ・・・不愉快なヤロウだ・・・」

『──幸いにも 誰も 角野に注目してなかったので 誰も この対局を見ていなかったのである
 西風ヶ丘将棋部(除・角野)の注目は すべてこの一局に集まっていた』

『番vs須藤アマ女流名人』
会場の客たち「すごいな あの子」「まだ高校生?」「女流名人相手に 互角だぞ?」 (つづく)