増田康宏 四段 vs 佐藤康光 九段 NHK杯 2回戦
解説 森下卓 九段

三浦九段のソフト指し疑惑で揺れる将棋界、どうなってしまうのだろうか

今日は増田と康光か、増田の1回戦は何も覚えてない(笑)  康光の将棋が観れるのは楽しみだ 
解説の森下のしゃべりも期待できる
藤田さんは少しイメチェンした感じ 化粧濃いめで、服が黒かった

増田は2014年四段、竜王戦5組、C2 本戦初出場
康光は1987年四段、竜王戦1組、A級 28回目の本戦進出

森下「増田は弟子なので、ちょっと解説しづらい、昔から明るい少年だった
居飛車党の本格派で、矢倉や角換わりはみっちり勉強していると思う
康光は来年で棋士生活30年の大剛、トップ中のトップ
増田も一時期、康光の研究会で教わっていたことがある」

事前のインタビュー
増田「佐藤先生は非常に独創的な将棋で定跡ではない将棋を指される印象があります、今日は解説が森下師匠ということで、いい将棋が見せられるようにがんばりたいと思います」

康光「増田四段は非常に作戦家で師匠ゆずりの手厚い将棋ではないかなと思います、なるべくミスの少ないように全力で戦えればいいかなと思います」

先手増田で、初手から▲2六歩△3四歩▲9六歩の出だしだった
しかし、特段に目立つ変わったこともなく、相矢倉調に進んでいった
森下「序盤の数手は緊張感がありましたね、あの端歩は増田流で、力に自信があるということ」

お互いに軽い囲い方の矢倉だ
森下「佐藤さんにはまことに失礼なんですけど、増田のほうは『勝って当然だ』というような気持ちで戦ってると思います、またそうでなければ困りますからね」

双方が、相手の陣形を乱す、けん制がはじまった 
盤面右で、お互いに、位をどう確保するかのポジション争いだ
森下の解説がなかなかいい、矢倉を語らせたなら森下という感じがする  
森下「佐藤流ですね~、相手がガードしたところを叩きつける」
森下「(事前に森下が言っていた)想定どおりの力戦ですね」
森下「リスクの高い手を指す、それを短時間で決断できるのが佐藤さん」

名調子の森下節が続くなか、増田に疑問手が出たのではとの解説
森下「はあ~、増田は我慢ですか~、ちょっとどうかなと思われるんですけどね~」
そして、康光の2枚横に並ぶ銀が、絶好という森下
森下「この銀が抜群に味がいい手」

うーむ、康光がもようが良くなったようだな  
森下が再三、銀2枚を横に並べさせてはいけないと言っていたが、実現してしまった
増田ピンチだな、増田は時間もなくなり、残り時間が増田▲0回vs康光△4回と差をつけられた

そして康光の手がグイグイ伸びてきた  
先手の増田の7八の金を壁にさせる△8八歩という、よくある手筋がさく裂した
森下「この歩はきつい手ですね~、ちょっと増田が苦しい形勢ですね」
森下「増田としては飛車を逃げる手はありえない・・・っと思ったら逃げました(笑) 」

うーん、増田、中盤以降、森下に褒めてもらってない、ここからなんとかして森下に褒めてもらえ!
増田、どうにか「間違えたら許さん」という手を指し、がんばった
森下「やっぱり際どいものですね」

が、増田の踏ん張りもここまでだった 
康光が着実にリードを保つ、安定したスキのない指し回しを見せ、どうにもならなかった
82手で康光の快勝となった

森下「さすが佐藤さんという将棋ですね、増田くんが攻め合いに行ったんですけど、やっぱり佐藤さんのふところが深かったなと思いますね」

康光ほどの相手に、いったん有利になられてしまうと、もう取返しがつかないな、と思ってしまう一局だった
森下の解説も的確で、森下も強かったねえ
感想戦では、森下の指摘で、中盤で増田にもチャンスがあったんでは、ということに対局者2人が同意していた

個人的に、康光のこの言葉が聞けたのが良かった
康光「なるほど・・・ むつかしいなあ、将棋は・・・ 簡単じゃないですねえ」
これは「不屈の棋士」という本の中で、康光の口癖とされている言葉だ
「将棋はそれほど簡単じゃありませんから」というフレーズが本書には使われている
それが映像で聞けたのが、私のようなマニアにはうれしかった(笑)

康光が最近活躍している印象が私には薄く、NHK杯でまだまだ強いところを見せてくれたのは良かったね
まあ、今週は上位者の順当勝ち、内容も順当というところだった

さて、来週だが、次週の予告を見て、「あ、普通に放送するんだ」と思った
渦中の三浦vs「奴は1億パーセント黒」と言い切ったハッシーの対決なのだ
これはどうなってしまうんだ・・・ 
まあきっと淡々と指して終わるだけなんだろうけど・・・
三浦の将棋を観れる最後になる可能性もあるのか? 
私は三浦もハッシーも好きだ、2人ともを信じたい、どうすればいいんだ?  
屋敷伸之 九段 vs 佐藤和俊 六段 NHK杯 2回戦
解説 藤井猛 九段

昨日の日曜は、私はしんどくて寝ていて、NHK杯を観ることができなかった
この記事を書くのが一日遅れてしまった

屋敷と和俊ということで、屋敷の速攻vs和俊の振り飛車に期待していたのだが・・・

屋敷は竜王戦1組、A級 20回目の本戦出場
和俊は竜王戦2組、C2 4回目の本戦出場

解説の藤井「屋敷は一流棋士の地位で安定している、色々な手を指すので見ていて楽しみ
和俊は相当な実力者、振り飛車が多くて同じ振り飛車党としていつも注目している、クラス以上の実力者」

事前のインタビュー
屋敷「最近はあまりNHK杯で勝っていませんので、今日しっかりといい将棋を指していい終盤を迎えていい将棋にしたいと思っております、ご声援よろしくお願いします」

和俊「屋敷さんは最近は非常に独創的で攻撃的な作戦を練られることが多い印象ですね
前回NHK杯で対戦したときは、けっこう早い段階で悪くしてつらい時間を過ごしたので、今日は終盤勝負できるようにがんばりたいと思います」

先手屋敷で、▲居飛車vs△ノーマル三間飛車の対抗形になったと思っていたら、力戦模様になり、相中飛車になった
和俊は玉を(和俊から見て)左に囲い、▲ミレニアムvs△変形の雁木といった様相
藤井「私はこの玉を左に行く展開はあんまり好きじゃないんですよ」

(屋敷から見て)盤面左で戦いが起こった
藤井「屋敷は力戦相居飛車は俺のもんだ、と思ってるんじゃないですか」

藤井「屋敷陣にまとまりが出てきた、屋敷は達人ですね、少し屋敷が指せそう」
しかし、和俊も攻める  和俊は大駒が参加していない攻めなのだが、屋敷玉を上部から圧迫している
藤井「私が屋敷側を持っていたら大変です、和俊は攻めの棋風なのかな~」

そして、つながりだした和俊の攻め
藤井「屋敷は、おかしいな~、あれ?優勢だったのにな~、みたいに思ってるんじゃないか
こんなはずじゃなかったのに、と」

和俊は、飛車を取られることに構わずに攻撃を続けた  
と金を作り、さらに屋敷玉を上部から攻め立てる
和俊は駒得に目をくれず、上部からの攻めの種駒を増やしたのも印象的だった
屋敷、受けがきかず、粘れずにけっこうあっさりと潰されてしまった
104手で和俊の勝ち

藤井「途中までは自由自在な指し回しの屋敷がうまくやっているのかなと思ったんですが、和俊の攻めがなかなか振りほどけなかったですね、巧みな攻めをつなげて、屋敷の敗因がまだわかんないですけどね、和俊がうまく攻めた印象」

和俊の飛車を見捨てたのが好判断だったなあ
小駒だけで攻めがつながると見た和俊の大局観が良かったねえ
でもこういう相居飛車みたいな将棋になるとは・・・ 
屋敷の速攻銀も見れなかったし、藤井の解説も、笑いを期待したのだが、いまひとつだった(^^;
また来週に期待したい
佐々木勇気 五段 vs 木村一基 八段 NHK杯 2回戦
解説 村山慈明 NHK杯

佐々木勇気、和服を着て気合が入っているね
木村は9月まで羽生王位に挑戦していたが、7番勝負をフルセットでまたも奪取はならずだった

佐々木は2010年四段、竜王戦4組、C1 4回目の本戦出場
木村は1997年四段、竜王戦1組、B1 18回目の本戦出場

解説の村山「佐々木は居飛車党で攻め将棋、人の気づかない手に気付く
木村は千駄ヶ谷の受け師、相手の攻め駒を攻める積極的な受け」

事前のインタビュー
佐々木「木村は矢倉を得意とされており、あこがれの先生です
立ちはだかる手厚い壁という印象です、気持ちを込めて指したい」

木村「佐々木は切れ味が鋭く研究熱心で将来有望な手ごわい相手
特に今日は服装に気合が入っているようで、どうしようという感じです
後輩と当たることが多くなりました、いつもどおり悔いのないように指したい」

先手佐々木で、相矢倉となった  佐々木は早囲い
村山「お二人が一番得意としている形になりましたね」
ガッチリと組み合って、似た前例が相当多そうなところ

佐々木は考慮時間を使って考えている ▲5回vs△10回まで差が開いた
しかし佐々木は角をふわっと使い、次に攻めを見せる手で木村を焦らせている
村山「佐々木の角の使い方はうまい手だなと思いました」
対して木村は、ノーマルに進めた
村山「木村はやってこいと言っている」

どっちが読み勝っているか、面白いところ
村山「佐々木が調子良く攻めているようだが、忙しい」
上部脱出を視野に入れている木村
んー、もう難しくて私の手には負えないようになってきた・・・

佐々木、一見遅そうな垂れ歩を指し、木村も「ならば」と攻め合いに出たところ
村山「速度争いになりましたね、感触としては少し佐々木に分がありそう」
佐々木は自陣がまだまだ堅いので、攻めの手がつながるかという局面が続いている

村山「木村が少し負けてそうなので、工夫した受けをしないといけない」
木村もがんばっているのは伝わってくるが、木村の受けの一手に対して佐々木の攻めの一手がちょうどピッタリした感じ、という展開が続く
村山「佐々木はここは馬を逃げない気がしますね、気づきにくい手を指すんですよ」
その予想が当たり、木村玉をどんどん追いつめていく佐々木
そしてこういう展開に最後に待っているのは、「木村玉、必至」であった チーン
115手、佐々木の快勝だった

村山「矢倉の最新形になったんですけども、佐々木の駒組みが秀逸で作戦勝ちされたんじゃないかなと思う
佐々木の攻めが少し細くなったかなと思う局面もあったんですけど、やはり攻め将棋の佐々木らしく、終盤も淀みなく寄せたなという感じの快勝譜」

感想戦で少し問題になっていたが、木村の敗因、それは△9三桂と跳ねて待った、あそこがもう敗因ではないだろうか?
全く私の感覚だけど・・・
佐々木が早囲いという工夫した序盤を見せたのに対し、木村が平凡に行き過ぎた感があった
佐々木は和服を着ただけあって、一手一手気持ちが込められていたのが感じられた、それが木村との差を生んだのかもしれない
佐々木はもうこのNHK杯、ずっと和服を着てくるのがいいと思う

若手がベテラン強豪に力勝ちした内容だけど、将棋界では別に当たり前のことで、そこは特に驚きはない・・・(^^;
郷田真隆 王将 vs 高見泰地 五段 NHK杯 2回戦
解説 鈴木大介 八段

タイトルホルダーの登場 
しかし郷田は今一つ、羽生三冠、渡辺二冠、天彦名人と比べて目立たないが・・・
高見は1回戦で稲葉に勝ったとのことだが、私は何にも覚えていないのであった(笑)
私の過去ログを見ると、「大熱戦」、「強い勝ち方」と書いてある

郷田は1990年四段、竜王戦2組で優勝、B1 25回目の本戦出場
高見は2011年四段、竜王戦4組、C2 2回目の本戦出場

解説の大介「郷田は居飛車の本格派、プロでも見習うべき点が多い超一流の棋士
高見は屈指の攻め将棋、詰むか詰まないかに強い」

事前のインタビュー
郷田「決断よく持ち味を出せればと思っております
張り切っていい対局にしたいと思います」

高見「郷田王将は居飛車党で言わずと知れたトップ棋士
指したい手を指されて勝たれている印象があってとても尊敬する将棋です
タイトルホルダーに教われる機会は初めてなので自分の力が精一杯出せるように挑戦する気持ちでがんばりたいと思います」

先手郷田で、横歩取りに進んだと思いきや、郷田が横歩を取らず▲5八玉と変化した
これは第1期電王戦第1局の▲PONANZAvs△山崎で出た形だ

相掛かりの変形のような、力勝負に進んだ
大介「郷田が注文をつけて力戦形に」
局面、落ち着くのかと思いきや、郷田が意表の一手を指した
郷田が3筋から、一歩損をする果敢な攻めを敢行!
大介「これは見たことがない手ですねー、いやいやいや」

考え込む高見  高見は自然に対応したように見えたが、進んでみると
大介「郷田がちょっとうまくやった、3手くらい郷田が手数でリードしている」

考慮時間の残り、郷田▲10回vs高見△3回となって、差がついている
大介「それだけ苦心してるんだと思いますね」
郷田は、とにかく決断がいい 自玉に相手の駒が迫っているのに、おかまいなく攻め合い
郷田、超強気だ
大介「相手の攻めは残しているとの郷田の読み、たぶん読みというか感覚の部類じゃないですかね」

局面、郷田優勢が確定したようだ
大介「プロはみなこぞって研究しますね、特に3筋を攻めたあたりは・・・
郷田は一人で剣を研いでいる」

大介「画面で見ると、ちょっと高見、がっかりしている様子が」
高見もなんとかしようと迫りたい気持ちは伝わってきたのだが、郷田の的確な寄せの前に、なすすべなしといったところだ

郷田は最後の手もきれいで、狙われてる自陣の銀をスッとかわして、それが相手玉を寄せる拠点になっているという鮮やかな一手を指した 攻防一体の、華麗な手だね

69手で郷田、完勝! 郷田は5回考慮時間を余していた

大介「久しぶりに上位者、タイトルホルダーの貫禄を見せてもらった気がする
将棋の作りがすごいうまかった
高見としては激しい将棋で力を出し切れなかった
私も実は、対A級は四段になってから十何連敗した
高見にはこれを糧に強くなってもらいたい」

時間があまって、27分も感想戦があった・・・(^^;

郷田「横歩を取って、負けちゃっているんで」
高見「3手差くらいになっちゃった気がしました、体感的に」

郷田の3筋からの攻め、あれが研究範囲だったかについて知りたかった
研究範囲と思うべきだろうけどね
高見は今回は完全な斬られ役だったね  ▲5八玉型がそもそも高見はノーマークだったようだ

郷田は全く緩まず、会心譜だったと思う  素晴らしい出来栄えだった
さすがはタイトルホルダーだ  やはりそれなりの地位にある人は強くあってほしい お見事だった
豊島将之 七段 vs 久保利明 九段 NHK杯 2回戦
解説 千田翔太 五段

豊島と久保、好カードだ 久保の振り飛車が観れる
そして解説の千田、どんなしゃべりをするのか
この3人は叡王戦ベスト16にも残っている

豊島は2007年四段、竜王戦1組、B1 8回目の本戦出場
久保は1993年四段、竜王戦1組、B1 21回目の本戦出場

解説の千田「豊島は普段から冷静沈着、軽快ながらも手堅い、負けにくい棋風
久保は振り飛車党、華麗なさばきが見もの」

事前のインタビュー
豊島「久保九段とはこれまでたくさん対局したことがある
読みよりも感覚を大事にされている先生
お互いに攻め将棋だと思うので、積極的に行って主導権を握れるようにしたい」

久保「過去にNHK杯は調子のいいときは勢いよく指せているので、今回も勢いよく指せればいいと思う
振り飛車を観ていただきたい」

これまでの2人の対戦成績が、久保9勝、豊島7勝とのこと

先手豊島で居飛車の超速▲3七銀、後手久保のゴキゲン中飛車となった
久保が揺さぶりをかけ、豊島はさばかれないように耐えている

久保が△1五角という、振り飛車がときどきやる手段、いわゆる「幽霊角」で、角の成りこみに成功
ここまで久保は類似局面をたくさん経験済みの、慣れた手順なのだろう
千田「現局面では振り飛車がまずまずうまくさばけていると思う」

そこで豊島が勝負手を放つ、9筋の端攻めに活路を求めた
千田「こういう端攻めが豊島の技ですね」
豊島、なんとか食い下がるか、というところ
豊島は取れる銀を後回しにして、桂の活用で勝負と迫る
なるほどな~、飛車を相手の馬の利きに逃げたのも、指されてみればなるほどな~と思っていた・・・

しかし、そこで久保の渾身一滴の強手が! 取られる銀を相手の歩頭に捨てる「移動捨て」の妙手一発!
千田「はっはあ、いや、これは気づかなかったです」
ぐはっ! うまい! これは・・・ 成立している・・・ こういう手が出ると、まず指した側が負けないとしたものだ

さらに久保は、玉を狭いほうに、一見危ないほうに逃げた
千田「並の人にはできない」
それが久保の読み切りで、豊島は挽回するところがもうなく、投了に追い込まれた 
92手で久保の快勝だった
最後はかなり差がついた投了図となった

千田「久保が非常にうまく豊島をじらして、巧みに攻めをつなぎましたね
端角に飛び出したさばき方も絶品でしたね」

豊島としては、これは完敗の部類に入るんではないか
久保に終始ほんろうされていた印象だった
久保は振り飛車の職人芸を見せつけ、強かったな・・・ 
千田が「絶品」というだけある、さすがだと思った

千田の解説、符号を言うのが中心で意味を追いにくいところがあったが、しょうがないか
久保も豊島も指し手が早く、大盤で解説しているヒマがなかったか?
中盤の大局観が難しかったね

豊島が強くないんでは、と思えてしまうくらい、序盤から終盤まで久保の会心の指し回しだった
久保には「熟練」という言葉がピッタリくると思えた
銀捨ての妙手も観れて良かった、あれはプロの技だった  久保のナイスゲームだった
深浦康市 九段 vs 先崎学 九段 NHK杯 2回戦
解説 森内俊之 九段

注目の先ちゃんの登場! 私は結局のところ、プロ棋士の中で誰を一番応援しているかというと、この先ちゃんになるだろう
何しろ先ちゃんの書いたエッセイ本、ほとんど持ってて複数回、読み直してるからね
1回戦で見せてくれた、藤倉五段を圧倒した指し回し、あれは実にお見事だった
今回もカッコいいところを見せてくれるのか?

深浦九段は1991年四段、竜王戦1組、A級 24回目の本戦出場
先崎九段は1987年四段、竜王戦5組、B2 18回目の本戦出場

解説の森内「深浦は将棋も正確も着実、後輩から慕われている、研究家で粘り強さに特徴がある
先崎とは歳が同じ、先崎は将棋盤の上で人の思いつかないようなひらめきのある手を指しますし、将棋以外でも文筆活動やお話しなどでも定評があって、多才な棋士ですね」

事前のインタビュー
深浦「先崎さんは指し手が急所にくる感じで、非常に鋭いイメージがあります
色々振り回されるのかも知りませんけども、自分の将棋を指したいと思います」

先崎「深浦さんはすごい粘っこい将棋で、負かすのに骨が折れるタイプです
絶対あきらめないですからね、恐ろしいです
何ちゅうか、相手を何としてもあきらめさせるように、ギャフンと言わせたいと思います」

森内「先崎がいかに乱戦に持ち込むか」
事前の対戦成績は、深浦8勝、先崎4勝とのこと だがここ3戦、先崎が3連勝中とのこと

先手深浦で、ノーマル角換わりの相腰掛け銀になった
どんどん手が進む、編集してあるか・・・(^^;
森内「似たような形はあるが、この形は見たことがない」
という駒組みに進む え、こんな単純な局面が、もう森内でも知らないのか

攻め合いになった 
しかしこの後手の先ちゃんのほう、8一の桂は戦いに参加できない形で、こんなんでいいのか?
先ちゃん、「いやあー」とボヤいている
森内「どう先崎が手をつくるか」 というところ、先ちゃんは意表の飛車の動きで攻めかかる
森内「思い切った手ですね、どっちの攻めが速いか」

森内「先崎さんのネクタイ、目立ちますね」
聞き手の藤田「すごくオシャレなネクタイだなと思った」
森内「ハンドパワーですかね」
・・・白のジャケットに、派手な色のネクタイなんだけど、何、この柄は?
ネクタイでジャンケンでもしてるのか? 変だと思う(笑)

局面、一気の攻め合いに進んでいる  激しい将棋で、面白い
藤田「いやー、これは殴り合いですね」
森内「一つ一つの変化が詰む、詰まないに直結してますし、かなり読める局面ですね」
そろそろ終盤だというのに、まだ放送時間はたっぷり残ってる
まだまだ先が長いということか

深浦に気付きにくい手が出て、森内が称賛している
森内「おおー、これはすごい手ですね、勝ったら絶妙手」
まだまだ放送時間があるのに、森内「マラソンで例えると最後の一勝負」
先ちゃんが「いやあー」とまたボヤいている
これは楽しい一局だな

深浦の厳しい追求に、先崎「いやあ~、いやあ~、いやー、まいった、いやー、まいった」 
最近、対局中に何かつぶやく人というのも、めったに見なくなったが、先ちゃんは豪快だな~(笑)
先ちゃん、守りばかりを強いられ、追いつめられてる・・・
森内「声が出るっていうことは、あきらめてないっていうこと」
おー、なるほどな~ 先ちゃん、耐えろ~

そして手が進むと、なんと、森内「先崎にチャンスが来たんではないですかね」というではないか!
深浦、先崎玉を寄せきれず!
一気に反撃に移る先ちゃん 
森内「深浦玉が捕まりそうな気配になってきましたね」
おおーー、押せ押せだ~ いけいけ先ちゃん~

森内「後手の先崎としてはずいぶん楽になりましたね、局面は後手の勝ちになりました」
おおおおおーー、断言キター もらったーーー
森内「でもここであきらめる深浦ではないですから」

いやいや、これはさすがに勝てるだろう、もう負ける要素がなさそうだもん
先崎陣の8一の桂も、深浦玉の入玉を阻止し、見事にすべての駒が働いたなー、いや先ちゃん、良かったよ~
森内「この先崎の手は手厚い」
先ちゃん、自玉は安泰、相手の駒を取りながら攻めてる、勝った!

ところがところが!? なんか、先ちゃん、決め手を出せないでいる
ただ深浦玉を追っているだけ
手が広かったのはわかるけど、何かなかったかー?
森内「手こずってますね、ちょとあやしい・・・ またわかんなくなってきましたね
深浦の粘り強さはすごいですね、わけがわかりません」
ええええーーー?

先ちゃんは深浦の飛車を取って、飛車交換にしたのだが、深浦がド急所に飛車を打ち込んできた!!
森内「泥仕合になってきました、深浦恐るべしですね」
何この、深浦の飛車の絶大な威力!? 
わざわざ先ちゃんは飛車交換して、深浦にこの飛車打ちを指させてあげたようなもんじゃないか!

気が付けば、もう局面、全然先ちゃんがダメになってる
深浦の勝勢になってる  ・・・・なんでだああああああ
森内「深浦玉はすごい生命力ですね、この玉は捕まりませんね」
深浦玉は中段でずーっと空中遊泳

そしてついに、深浦が明快に先崎玉を詰め上げた 143手で深浦の勝ち
おおおおおおおーーーーいいい、なんでやねーーーーん

森内「2転3転の大熱戦だったと思いますね
先崎がはっきり勝ちだったところもあったと思うんですけど、深浦がものすごい粘りで決め手を与えず再逆転したということで、見ごたえのある大熱戦だったと思います」

この一局、私はショックを受けた
いったん勝ちが確定だと思ったところからの大逆転・・・ ギャフン!
全国の先崎ファンが「ギャフン」と言わされたこの内容、やはり私は先ちゃんのファンだったんだな、とあらためて痛感した

この一局を見た私の友人からメールがあり、「昔の大逆転将棋での矢崎滋を思い出した」と書いてあった・・・orz
せっかく深浦をここまで追いつめる棋力がありながら、最後を寄せそこなうドラマチックな終盤力・・・
「対局者2人が協力で寄せた」と思える先崎玉・・・ 先ちゃん、終盤のファンタジスタだね! 

もうどうしょうもないので、踊りを踊って終わりにしたい
「どうしてこうなった! どうしてこうなった!」  先ちゃん、さようならー
糸谷哲郎 八段 vs 渡辺明 竜王 NHK杯 2回戦
解説 中川大輔 八段

好カードだ  腕力自慢の糸谷に、2冠の王者渡辺  これはワクワクする

糸谷は2006年四段、竜王戦1組、B1 8回目の本戦出場
渡辺は2000年四段、A級、竜王・棋王の2冠を保持 15回目の本戦進出

解説の中川「糸谷は居飛車党の作戦家、ときに振る
序盤でリードを広げることを目指す、ただ粘りもすごい、時間攻めをすることもある
渡辺は本格派居飛車党、相手についていく  
後手番のときに作戦を凝らす傾向がある」 

事前のインタビュー
糸谷「渡辺さんには対戦成績も負け越しておりまして(渡辺8勝、糸谷4勝)、竜王戦を戦った相手
序盤から研究が深く、中終盤も力強い  序盤で作戦負けしないように創意工夫をして戦っていこうと思います」

渡辺「糸谷は早見え早指しで特にNHK杯では当たりたくない相手の1人
前回、何年か前に糸谷さんにはひどい目にあったので、だいぶ放送時間も余っちゃったと思うんですけど、今日はそうならないようにしたい、相手のペースにはまらないように気を付けたい」

先手糸谷で、渡辺が早々に角道を止め、持久戦になった
相矢倉での力戦に進む
中川「渡辺が角換わりを避けた、糸谷は乗っているときは相手がどんなに強くてもボンって突き放して勝ってしまうときがある」

渡辺が強硬策に出て、一歩損して攻めに出て、角交換になり、もう全く前例がない力勝負となっていった

すると糸谷が飛車をすーっと6八に振ってきて、6筋の攻めがもう受からないようだが? ありゃりゃ?
中川「ヘタをしたらいっぺんに糸谷の勝ちになる」
渡辺がまぎれを求めて戦線拡大、まだ始まって時間がほとんど経たないのに、すごいことになっている  
中川「もうただじゃ済まない、放送時間を気にしている場合じゃない」

番組開始からまだ22分というのに、決着しそうなぐらいの激しい展開(^^; 面白いな~
マジでこれ、渡辺、どうやって6筋を受けるんだ?と思って見ていると、なんと王手飛車の角打ちのラインで際どく受かっているとのこと!
ぐわー、これ、偶然じゃないんか(笑)  こんな受け方ってあるのか、予定どおりなのか?

そして中川「一時はどうなることかと思いましたが、落ち着いた」
あ、一気に決着とはならなかったか
相当分岐が多かったと思われるのに、2人ともまだ考慮時間を1回も使わないとは、なぜなんだろうか
実際、局後の感想戦では、いっぱい変化を考えていた

糸谷、渡辺陣を乱すべく、歩を2回、叩いて捨てたが、これを局後に後悔していた
その直後に、糸谷は千日手を狙うしかないという、ちょっと悲しい状況に・・・
しかし渡辺が「もう歩をもらったから今更、千日手は許さん」とばかりに打開
さっき、糸谷が2歩を捨てたのが効いてきたとのこと

渡辺の猛攻が始まり、中川「うわ、危なすぎるな、糸谷は大丈夫かなー」

そしてどんどん続く渡辺の攻め  もうどうにも止まらない~
こういう、「自玉が安全で、細い攻めをつなぐ」のをやらせたら、渡辺は棋界でもナンバー1なのではないか、と思うね
中川「パンチが入ってるように思えますねー」

糸谷も懸命に、延命策を模索する  
糸谷、どうにか勝負に持っていけないか、という手順だが、渡辺が逃してくれそうにない
気が付けば糸谷陣はバラバラ、玉は裸で無防備  一方の渡辺玉は無傷・・・
中川「渡辺、一連の鮮やかな攻めでしたね、寄せの筋に入っています」
うーん、この攻め、なかなかこう的確に指せるもんじゃない やはり渡辺は強い!

気が付けば、糸谷の持ち駒は「飛角角歩たくさん」 これじゃ受けれない・・・
中川「渡辺が途中で△2二玉と入った手が光っている、あの玉上がりはさすが」
いくばくもなく、糸谷が投了を告げた 114手で渡辺の快勝だった

中川「意外なところから戦いが勃発しまして、一時はどうなるかと思ったんですけども、6筋の揉み合いで渡辺が冷静に対処しましたね
強襲を見せながら、相手からの侵入をけん制しましたね
一段落したあと、△2二玉とさっと玉を上がった手が本局で一番印象に残る手でしたね
落ち着いて間合いを読まれてましたね」

私には、渡辺の攻めのうまさ、それがやはり強く心に刻まれたなあ
終盤、良くなってから手広かったと思うんだけど、最善と思われる手の連発で、相手をノックアウトしてしまう
最善を指さないと難しくなる局面から、いともあっさりと決めてしまう渡辺の強さ
渡辺はこうでなくっちゃね  いやはや、今回もお見事だった

糸谷は、考慮時間の使い方が失敗だったと思う
序盤がノータイムで飛ばし過ぎたと思えた  渡辺もノータイムだったから、つられたか・・・

最後は大差になったが、それも渡辺の正確無比な指し回しがあってのこと
人間どうしらしい一局で、面白かった  力戦は楽しい

渡辺は感想戦で「序盤が雑だった、勢いでこうなっちゃって」と言っていたが、それを指しこなす力量、頼もしい
まあ、コンピュータならこういう雑な序盤からのまとめかた、渡辺以上だろうな、とは思うが(笑)

あと、話題変わって、昨日、藤井聡太さんが四段になったということで、これから注目されるね  どんな活躍をするか、興味深いね
船江恒平 五段 vs 千田翔太 五段 NHK杯 2回戦
解説 山崎隆之 八段

注目の棋士、千田の登場  ソフトで研究の成果を見せてほしい

船江は2010年四段、竜王戦5組、C1 3回目の本戦出場
千田は2013年四段、竜王戦5組、C1 2回目の本戦出場

解説の山崎「船江は非常に明るくて人望がある  
居飛車党で要点をつかむのがうまく、攻め合いに持ち込むと鋭さを発揮する
千田は勉強の仕方が独特で序盤はいつも変えてくるので、何をやってくるのかわからない
なおかつ終盤が力強いので、やっかいな相手」

事前のインタビュー
船江「千田さんは序盤がとても独創的で終盤は大変正確な印象があります
自分のペースを守って自分の力を出し切れるようにがんばりたいと思います」

千田「3月から一番強い将棋ソフトの棋譜を参考にして学んでいます
レーティングにしておよそ50点ほど上がったのではないかと考えております
去年との比較でおよそ100点ほど上がっているのではないかと考えられます
悪手を指さないように心がけたいと思います」

聞いていた山崎「悪手を指さないように、というのは事実上の勝利宣言に近いですよね
強気のコメントでした」

千田は1年で100点上げたのか、もし10年上げ続ければ1000点UPで七冠制覇だな~

先手船江で、矢倉  後手千田は急戦調で戦いを起こそうという構え
山崎「千田は将棋漬けというか、データを取ってそれを分析するという毎日」

プロよりアマで好まれる、▲船江の矢倉vs△千田の急戦矢倉という図式になっている
山崎「船江は作戦としては予定どおり」
2筋の後手の角頭の折衝、船江の▲2四歩に千田は△1四金!というすごい恰好で受けることになった
山崎「ちょっとでも後手の千田はうっかりがあるとすぐにつぶれてしまうので、非常に怖い指し方、千田の指し方はマネしないほうがいい」

そして△1四金が狙われ、山崎「私の目には船江がペースを握って、それを守っていると見える」
▲2四歩の拠点が大きそうだもんね ふつう、こんな歩を打たせる人はいない

手が進み、船江に選択権がある場面が出た 
船江の手に山崎「これは吉と出るか、凶と出るか」
すると、せっかくのさっきの拠点の▲2四歩が、払われてしまった  ここらへん、船江に何かなかったかなー
歩を成り捨てるというのも有力そうだった
船江は攻守のリズムがおかしくなり、山崎「船江はおそらく予定変更、千田チャンス」

ここで千田にうまいと思った手が出た 船江の飛車の頭に歩を連打、飛車を悪い位置に持ってこさせた
やっぱ、こういう手が抜け目ないな~

千田は手つきがビシッとしなり、気合充分だ
千田、自陣に息をひそめていた飛車を走り、お~、決め手なのか?と私は思って観ていた
すると! そこからなんと受けに回ったではないか あれ~? 一転して変調? 
山崎が「これは船江がはっきり」と言って、形勢逆転と言っている
何、どうなった? 山崎によれば、千田の自陣飛車が受けに利いていたのに、走ったから受けに利かなくなったのを千田はうっかりしたのでは、ということだ

ええー 千田が負けるのか? 攻め込む船江 さあ、どうなる
と、突然、船江が投了!! 山崎「あ」
な、なに~? 船江が投了しちゃったじゃん なんでー 108手で千田の勝ち

おーい、山崎、「あ」じゃないよ、ちゃんと解説してくれないと・・・(^^;
山崎の口調ではまだまだ続きそうだったところで、終わりになってしまった

投了図以下、意外と千田玉に迫る手がない
そして船江陣はもう粘れないとのこと  そうかー、千田が1回受けに回ったことにより、千田陣が寄らなくなったのか

山崎「非常にスリリングな戦いで船江としては勝ちたいと思う気持ちがこもって、ペースを握ったかに見えたが、千田が危ないところで強さを見せた
逆転したかなと思たところはあったんですけど、踏みとどまった」

12分ほどの感想戦はなかなか充実していた でも、船江の何が悪かったかはわからないままだった
千田は終盤、「いいと思っていた」とのこと  
千田があの自陣の飛車を走ったところでも、千田がいいのだろうなあ
千田の大局観が正しかったというわけか
感想戦を聞くと、千田もそれほど踏み込んで研究していたわけではないとのことだった

後手の急戦矢倉は私は大好きな戦型なのだけど、今回は形勢をどう見るか、難しかった
なにしろ△1四金型だったからなあ こんな受け方、見たことないもんね

う~ん、山崎の最後のところの解説はダメだった  
これ、中終盤、他の棋士の形勢判断も聞いてみたかった 
形勢の優劣をどう見たらいいのか、とても難しい一局だったと感じた
全体として、千田が強かったのか、△1四金をとがめられない船江の力が足りなかったのか、わからなかった  

千田のソフトを使う研究の仕方だけど、実に面白いと思う
千田には新時代の旗手として、そして貴重なサンプルとして存在していてほしい
石井健太郎 四段 vs 谷川浩司 九段 NHK杯 2回戦
解説 丸山忠久 九段

石井24歳vsタニー54歳の対決
私はタニーの対局を観るのが不安だ 
この対局、果たして石井がタニーの胸を借りるのか、それとも逆になるのか? そう思っていたのだが・・・

石井は2013年四段、竜王戦6組、C2 本戦初出場
タニーは1976年四段、竜王戦2組、B1 37回目の本戦出場

解説の丸山「石井は奨励会の頃から、四間飛車で有名だった
タニーは攻めが強い、終盤の切れ味が鋭い、対局姿勢も大変素晴らしい」

事前のインタビュー
石井「谷川九段は光速の寄せの代名詞のとおり、終盤に特徴のある棋士だと思います
堂々と終盤勝負を挑みたいと思います」

タニー「私もこの12月で現役生活40年ということになりまして、今回のNHK杯の本戦の中では一番の先輩ということになるようですね
でも若々しい将棋をということを心がけていまして、1回戦が必敗の将棋で本来はこの将棋を指せなかったはずですので、のびのびと戦いたいと思います」

先手石井で、3手目に角道を止め、タニーは振り飛車に! 相振りになった
丸山「石井は相振りもスペシャリスト、しかしタニーも経験豊富」
相振りは男子プロではめずらしい 

石井の▲向かい飛車+美濃vsタニーの△三間飛車+穴熊となっている

序盤、駒組みが続き、特に何事も起こらず、退屈であった
しかしだんだん手数が進むと、丸山「手の進み方から見ると、石井が押しているかな」
そして、丸山「石井の理想的な進め方」
と言う解説があり、なぜか石井がリードしているとのこと・・・
なぜ? なんでもう差がついてるの?
石井は積極的に桂損の攻めをしているが、これがどれほどのものなのか、私にはわからない
タニーの穴熊は弱体化しているが、まだ持つのでは・・・

▲持ち歩が多く、相手陣を乱した石井vs△桂得したタニーという戦い
丸山「石井としては決め手があるんじゃないか、タニーとしては混戦になれば」

石井、いけっとばかりに、バーンと角切り
うわ、こんな手が成立するようでは、厳しい  というかもうボロボロか  おーい、タニー!
藤田「タニー、ピンチの局面ですね」
丸山「そうですね」

タニーは頼みの綱の、捨て桂の王手でどうにかならんか、というところだったが、石井に冷静に対処されてしまった
藤田「以前として石井が」
丸山「いいと思いますね」

で、石井の寄せがきれいに決まった  全く危なげなく、石井が89手で完勝! 
おおーーーい、ボコボコやないかー!

丸山「石井はこの形にかなり精通してると解説していたんですけど、ホントにもう序盤からリードして押し切ったという感じがありますね
最後のほうはタニーが鋭い追い込みを見せたんですけど、最初の差が大きかった印象」

・・・タニーの追い込み、全然、石井には効いてなかったと思えた
何この、石井の圧倒的勝利っぷり  もう、格が違う、横綱相撲やん
石井が特に力を発揮できる戦型だったのだろうが、それにしてもどっちが永世名人なんだか・・・ 
私は悲しい・・・orz
今回の内容が、たまたまと思えないところが悲しいなあ  
一手違いにすら持って行けず、差は歴然だった  タニー・・・・ だめだ・・・

ただ、石井の強さは本局では特筆ものだった 
もう、ガンガン攻めて、ノーミスで見事なフィニッシュまで持って行ってたね
NHK杯本戦に初出場とは思えない、そして順位戦C2、竜王戦6組の棋士とは思えない

感想戦だけど、2人ともがしゃべる声が小さい、私は音量を相当上げて聞いているが、他の人はどうやって聞いているんだろうか(^^;  
本局は大差がつき、事前に私が心配した「どっちが胸を借りるのか」という予感が的中し、はあ~、という感じだ
はあ~・・・orz
斎藤慎太郎 六段 vs 森内俊之 九段 NHK杯 2回戦
解説 佐藤天彦 名人

昨日、囲碁将棋チャンネルで関東若手棋士たちによる「東竜門」のイベントの様子が放送されていた
そこで、50メートル走を単純に競うというコーナーがあった
女流も2人参加しており、陸上経験者だという塚田恵梨花女流が7秒45という好タイムを出していた
対して、藤田女流、12秒29という鈍足っぷりを見せつけてくれた
藤田さんは両腕を横に振りながら走る、いわゆる「欽ちゃん走り」で、私はとても癒された

今週は若手と大御所の対決か そして解説に名人登場

斎藤は2012年四段、竜王戦4組、B2 本戦初出場
森内は1987年四段、竜王戦2組、A級 28回目の本戦出場

解説の天彦「斎藤は明るい好青年、正統派の居飛車党でどちらかというと攻め棋風
森内は受けで読みの深さを感じさせる将棋」

事前のインタビュー(要約)
斎藤「森内先生とは子供の頃に握手してもらった、あこがれの先生
今日は自信を持って、できれば攻勢を取りたい」

森内「斎藤六段は高い勝率を上げて注目されている若手で、鋭い攻めに特徴がある
秒読みに気を付けて指したい」

先手斎藤で、角換わりの相腰掛け銀に進んだ
正直、私はこの角換わりの相腰掛け銀と、横歩取りの△8四飛型、この2つがくると、「またこれだ~」と思ってしまう・・・

ただ、今回は森内が専守防衛型の、受けの形を選んだ 右玉も視野に入れてるような形だ
天彦「プロでもまだ未開拓の形、森内は相手の攻めを待つ作戦」

天彦「先手の斎藤がどう打開するか難しい」
その言葉どおり、戦いが起こらない・・・
藤田「これはいつになったら戦いが起こるかわからないですね」
時間が過ぎていき、ようやく駒がぶつかったのは、番組開始から41分のところだった 長かったね~(^^;

森内から仕掛け、局面が動いた
天彦「これはもう、のっぴきならないですね~ どちらかが良くなる順があるはず」

斎藤、飛車が成りこめて、天彦「斎藤としてはまずまず」という解説だったのだが、ちょっと進んでみると「斎藤としては苦しさを感じている」というように表現が変わった

森内が追い上げているんだろうな、斎藤の陣形はかなり薄まっているし、金銀がバラバラ、斎藤はどうするんだろう、というところで斎藤の「盤上この一手」という手が出た
1筋の端攻めの▲1五歩! おー、そこは確かに森内玉の弱点だ 何かが起こるとすればそこだな!
天彦「これはなるほど、勝負手」

森内はのんびりと斎藤陣の金銀を取ることにしたようだが、これは間に合っているのか
端の脅威はどれくらいだ・・・
そんな折、私に全く意味のわからない手が出た
斉藤、と金をタダ捨てにする▲7三と、という手
これ、なんのことやらわかるのに時間がかかったのだが、森内の飛車に態度を決めてもらうという、とても高度な手だった

森内が飛車を動かしている間に、斎藤は端から猛攻、一気に森内玉を追いつめていった
天彦「おそらく必至じゃないかと思うんですけど」 なんと本当に森内玉、あっという間に必至がかかった~
森内「あ、負けました」 森内が投了した瞬間、私は「えー」と叫んでしまったなあ(^^;
・・・なんで森内は「あ」ってつけるんだろうね(笑)  
95手で斎藤の勝ち  斉藤の快勝であった

天彦「非常に序盤はじりじりしていたんですけど、戦いが始まってからは激しくなった
中盤、短い間に形勢が入れ替わった
▲1五歩の勝負手、そして▲7三とが好手だった」

若手が大御所をバッサリと斬ってしまった 
これは森内にしてみれば、得意の受けで粘りを欠いた、悔いが残る一戦だったな~
端だけで一気に潰されてしまい、「森内ほどの棋士が端の脅威を読めなかったのか」ということになってしまった
森内はもっと粘らないといけなかった・・・ まあこういうときもあるか
23歳の斎藤、世代交代を示す、期待の若手の一員として活躍すればいいね

来週からは普通の放送時間に戻るようです 
阿久津主税 八段 vs 羽生善治 三冠 NHK杯 2回戦
解説 行方尚史 八段

いよいよ待望の羽生の登場  今回は時間が午後1時すぎからという変則放送だった
羽生は茶髪にしていた メガネも変えて、なんとなく「冬のソナタ」のヨン様みたいだ 
(羽生とヨン様は、現世を超越している雰囲気が似ていると思う)

阿久津は1999年四段、竜王戦1組、B1 12回目の本戦進出
羽生は1985年四段、竜王戦1組、A級 王位王座棋聖 31回目の本戦進出

解説の行方「阿久津は、しゃべりも将棋もシャープな印象
羽生は30年間将棋界を引っ張ってきた、将棋界という枠組みを超えた大変な存在
2人とも華やかな将棋を指す」

事前のインタビュー
阿久津「羽生さんは第1線級で長く活躍されてる方で、すごいなと思います
思い切りよく指していければいい」

羽生「阿久津さんは序盤から様々な工夫をしてくるタイプ、同時に攻めが鋭い棋風
決断よく指していきたい」

2人の対戦成績を藤田さんが言ったのだが、阿久津1勝、羽生15勝とのこと
これはキツイな~(^^; 阿久津にしてみれば、もう羽生と当たったらダメってことだもんなあ

先手阿久津で、相矢倉となった 阿久津が早囲いだ
そして阿久津が趣向に出た ▲3七銀と出ていた銀を、▲4八銀と引いて、左に使い直す作戦!
行方「阿久津ってこういう将棋だったかな?」

ともあれ、行方「がっぷり4つ」という進行だ
双方、相当駒組みに手をかけ、そろそろ飽和状態というところで、行方が面白いことを言っていた
行方「この展開は20年ぐらい前の▲中原vs△有吉で見たことがある
そのときは△9三桂から活用していた」
行方、ものすごい記憶だな~ そして、羽生もそれを知ってか知らずかしっかり△9三桂・・・
20年前の棋譜まで覚えておかなきゃいけないの?

すると、怒ったのか、阿久津が9筋から反発してきた!自玉のそばだけに、怖いところだ
行方「すごいところから、リスクが大きい手ですから」
羽生があっさりと返し技を出し、羽生の駒がさばけた
行方「いやー これはきれいな花火が打ちあがったなーという感じ」と言ったので、早々に決着かと思われたのだが、そんなことは全然なかった・・・(^^;

この将棋、観ている私の予想が当たらないどころか、予想することすら許さない感じになっていった
羽生の△4五金もそうとう見えない 盤面を制圧する金なのだが、見えないなー
行方「盤面の右側を見ないでいいと言ったんですけど、その瞬間に△4五金が飛んできた(笑) 」

阿久津が入玉を狙い、上部開拓  羽生は攻め駒をたくわえつつ入玉阻止

行方「後手がペースを掴んでいるのは確かだと思うんですけど、羽生さんはそんなに簡単とは見てないと思います」
局面をどう見ていいのか、本当に、全然わからない・・・ 候補手が思い浮かんでこない 行方もはずしまくっていた

ひたすらに阿久津玉が入玉できるかという、しのぎ合いが続く
行方「先手玉の急所がわからなかったんですけど、なるほどー」
行方「まだまだこれは入玉をめぐる攻防が続きそうですね」
行方「阿久津としても最善の粘りだけど、羽生が動揺しない」

8筋、8三から8九までに、駒柱ができた
行方「羽生のほうが先に考慮時間を使い切りましたね」

羽生が阿久津玉を寄せに行くかと思いきや、先手陣に残っている駒を取りに行っている
そんなヒマがある局面なのか? そして羽生は金銀4枚を持ち駒にしたが、歩切れだ 
阿久津は飛び道具と歩をたくさん持っている

すると、なんと先手陣内の阿久津の飛車が詰まされるという、そういう話になっている ぐええー 点数勝負か
羽生、なんという切り替えのうまさ!
行方「飛車の詰将棋になってますね」

そして羽生はその飛車が取れたのに取らず、結局阿久津の玉を捕まえてしまった・・・
羽生は、と金を2枚作って、それをバックさせてきて結局、詰ますのに役立ててしまうとは!
最初から、と金作りが狙いだった? 羽生は駒得に目がくらんだのではなかったのか・・・

136手で羽生の勝ち、投了図だけみたら、羽生の快勝

行方「阿久津が手厚い指し回しで新境地を見せたんですけども、羽生は冷静な指し回しで押し切った
阿久津の執念も見ごたえありました」

阿久津、作戦として、やりたかったことはやれたと思う 
手厚く金銀盛り上がって、入玉狙いの勝負にしてどうか?
駒の損得にこだわらず、と金を作って入玉しちゃえば、負けはなくなるはず・・・
阿久津は力は出せたと思う

しかし羽生の壁は厚かったな~ 急所にビシビシくる 
指されてみれば厳しいという手がどんどんくる、どうも阿久津が勝てる気がしないんだよね

羽生はこういう将棋はどうやって上達したんだろうなあ
もう才能の違いというのをヒシヒシと感じてしまう
羽生はずるい、才能あるから、と思ってしまう(笑)
あんなに入玉を阻止する手、思いつかないよ  
途中から飛車を取りに行き、点数勝負か?と思わせて寄せに出る、高度だなあ

それと思ったけど、トライルール(先手は5一に王を持っていったら勝ち)だとこの将棋はどう変わるんだろう、中盤からやってみてほしいと思った トライルールにしたらしたで、羽生はまためちゃくちゃ強いと思うから(^^;

今回は入玉をめぐるやりとりで、普段とは違う将棋の一面が観れた
こういう将棋も指せないと一流ではないんだなあ 内容が濃かったと思う

来週も放送時間が普段と違うとのことで、注意されたし
島本亮 五段vs豊島将之 七段 NHK杯 1回戦
解説 小林健二 九段

島本の登場  島本はシマーと呼ばれ、熊坂のクマーと並んで、一部で人気者だった(笑)
島本はフリークラスに落ちたけど、またC2に参加できるようになったとウィキペディアに書いてあった
豊島を相手にどこまでやれるのか、注目だ
島本はアロハシャツみたいなのを着ていただが、これは沖縄の「かりゆしシャツ」だそうだ

島本は2003年四段、竜王戦6組、C2 NHK杯本戦初出場
豊島は2007年四段、竜王戦1組、B1 8回目の本戦出場

解説のコバケン「島本はいい男ですよ、ひょうひょうとしたところがありましてね
将棋もひょうひょうとしてるんですけどね
豊島のほうは今や関西のホープ 将来のタイトルホルダーですし先輩後輩からも大変慕われています」

事前のインタビュー(要約)
島本「棋士になって10数年経つんですけど、初めて出場できるとは思ってもいなくて、とてもうれしく思っています
緊張から来る凡ミスがないように精一杯戦いたい」

豊島「島本は同じ関西の先輩で、受け将棋で早見え早指しのタイプかなと思います
思い切りよく指していい将棋をお見せできればと思います」

先手島本で、ごく普通の相矢倉となった 序盤の駒組みは、解説がないし、淡々と進むだけで退屈だった
コバケン「島本は色んな面白い戦法も使うんですけどね、ユニークな本も書かれたりしてるんですけど」
そういう戦法は、こういうプロレベルの真剣勝負ではやはり使うのは無謀ということか・・・
「きんとうん戦法」とか「ドラゴンスペシャル」とか、見て見たかったが(^^;

藤田さん情報によれば、島本の着ている「かりゆしウェア」の「かりゆし」の意味は「沖縄の言葉でめでたいとか縁起が良いという意味が込められている」とのことだった
コバケン「暑いですし、彼は初出場ですから、服装でリラックスしたかったんでしょうね」
私としては、何を着て出てきてくれてもOKです 
むしろ、プロ棋士はサラリーマンじゃないんだから、背広ばかり着てくるのは芸がないと思う
一番着てくれるといいのは、やっぱり和服ですね

相矢倉から角交換で、双方馬を作って、自陣方面に引き合い、先が長そうな雰囲気が漂う
コバケン「難解は局面とかけて、藤田さんと解く」
藤田「その意味は?」
コバケン「綾(あや)がある」
・・・うまい(笑) コバケン先生、こういうの好きなんかなー(笑)
何年も前に、関西会館の解説会に行ったときも、「形勢は難解です、南海ホークスです」と言っていたし・・・
※南海ホークスとはだいぶ昔あったプロ野球球団です

コバケンが手を先読みし、当たるかどうかの「当てもんゲーム」みたいな解説になっているが、たまにはこういうのもいいよね
コバケン「(島本の手に)あー それやっちゃうとー」 コバケン「(豊島の手に)ああー これいい手ですねー」
コバケン「(豊島の手に)ああー その手があったか 厳しいですねー」

こんな感じでずーっと、豊島が押しているかに見えたのだが、島本がどうにかしのいでいる 
決め手を与えない島本
うーん、手が広い局面が続き、どちらも最善手が考えにくい 難しい将棋だなー

コバケン「豊島が押しているように見えますけど、島本ががんばってますね
島本は負けるときにポキッと簡単に折れちゃうことがあるんですけど、粘ってますね」

コバケン「いやー大熱戦になりましたね、どっちが勝つかわかりませんよ」
いやー、たしかに熱戦だなー、うーん、もう頭がクラクラしてきた 今日はまた暑いし・・・(^^;

秒読みで何度も「9」でギリギリに指す豊島、心臓に悪い

島本が豊島玉を寄せられるか、というところだったのだが、豊島が上部脱出を試みたのがうまかったようだ
コバケン「んー、がんばったけどなあ、島本」 124手、豊島の底力の前にシマーは力尽き、投了した

コバケン「んーすごい将棋だった、惜しかったなあ、島本」
総評がこれだけで、寂しかった  もっとどこがどうだったか言ってほしい

感想戦が3分ほどだったが、結局よくわからなかった
なぜ豊島が勝てたのか、島本のどこがいけなかったのか

シマーが望外の力を発揮し、豊島を苦しめたのだが、やはり地力で優ったのは豊島という結果だった
解説者のコバケン先生ですらどこがポイントかよくわからなかったようだ
相矢倉らしい、総力戦となった本局、手が広くて難しい将棋で、暑い日向けではなかったな・・・(^^; 
来週はNHK杯の放送時間が変わっているので注意されたし
加藤桃子 女王・女流王座 vs 佐藤和俊 六段 NHK杯 1回戦
解説 島朗 九段

いよいよ女流の登場 と言っても、加藤は女流ではなく奨励会員・・・
加藤は21歳とのこと どこまでやれるのか、楽しみだ
女子はNHK杯では、2004年に中井が勝ったのが最後で、それ以来、1回戦で12連敗中である(^^;
(ウィキペディア NHK杯将棋で調べると詳細がわかります)

加藤は2014年初段、獲得タイトルは女王3期、女流王座4期 今回は連盟の推薦で本戦初出場
佐藤和俊は2003年四段、竜王戦2組、C2 4回目の本戦出場

へー、和俊は竜王戦は2組なのか、なかなか強いのか

解説の島「加藤は果敢な将棋、和俊は芯が強くて折れない感じで、加藤にとっては難敵」

事前のインタビュー
加藤「こんなに早く出場の機会をもらえるとは思わなかったので、とてもうれしくて心より感謝しております
本局は対抗形になると思いますが、私が穴熊にするか急戦にするかは佐藤先生次第ですね」

和俊「加藤さんは非常に謙虚な方で、真摯な姿勢で取り組まれているという印象を受けます
自分の持ち味は形勢が悪くなってからの粘り強さなんですけども、できれば悪くならないように進めたいと思っています」

先手加藤で、対抗形になった ▲居飛穴vs△ノーマル四間飛車+美濃だ
この戦型はアマには人気があると思う、私も好きだ
島「普通の四間飛車が見直されていて、居飛穴に対する研究が進んでいるんです」
ほー、それはいいことだ 本局の展開が注目だな~

序盤が進み、和俊が玉頭銀みたいな作戦だ
島「今のところ和俊が策をねってきたという感じですね」
うーん、和俊の急戦策に、居飛穴が一手間に合ってないのか
早々に角交換から和俊の再度の△3三角と据えた手で、和俊が攻勢だ
どうやって加藤さんは受けるのか・・・ って、▲6八飛! 飛車を6筋に回って我慢! うわー、もう我慢か(^^;

島「あ、▲6八飛ですか 専守防衛ですね」
だがしかし、和俊に攻めの権利があり、もう居飛車を持ちたくない(笑)
島「加藤は早くも試練のときを迎えていると思います、加藤は自然に組んでいたように見えたが、和俊の主張は通った」

加藤さーん、がんばれー、と思っていると、なんだか、耐えているとの島の解説
島「加藤はここまで堂々としていて、いいんじゃないか、時間の配分もいい」

雑談で、島「私は以前、NHK杯で甲斐さんと戦ったが、みんな甲斐さんを応援していて、やりにくかった(笑) 」
そうだろうなー、私も女流が出るときは絶対女流を応援してるもん

さて、難しい中盤だ 和俊の金が取りになっている、という状況で、和俊は金を見捨てた!
飛車先の突破を優先し、これがどう出るか・・・
島「金を見捨てたのは、なかなかの手だった 加藤はけっこう苦しい 和俊が少し抜け出した」

ここから、和俊の独壇場となってしまった
和俊ばっかり攻めて、加藤は防戦一方 
加藤が攻めた手もあったのだが、完全に無視されてしまった・・・

とにかく、玉の安全度が違い過ぎる 
加藤の玉形、金が1枚もいない穴熊の薄さときたら、財布にお札が1枚も入っていないときぐらい寂しいものがある(笑)
一方の和俊の玉は全く安泰そのもの
ガンガンにいいように攻められ、大差がつき、加藤、ついに降参してしまった あああああーー
94手で佐藤和俊の勝ち、完勝だった

島「和俊としては中盤で緊張した場面、加藤の頑強な手に苦心を強いられたところがあったと思うんですけど、開き直って、金を捨ててからは安定して力を出し切って、加藤の終盤力を封じ込んだ
和俊にとっては力と技を融合した会心の一局だったのではないか
加藤はちょっと残念でしたけどね
居飛穴に苦しめられている方にとっては今日の和俊の四間飛車は常に攻勢を取っているので参考になったのでは」

加藤が投了した瞬間、私は「だめだこりゃー」と言ってしまった(笑)
まあ、投了図だけ見たら、大差だもんね  
中盤に難しいところはあったとの感想戦だけど、そこで間違えちゃうというのが棋力の差だから・・・
これで女流は1回戦で13連敗、素直に悲しい(^^;

ただ、島が言っていたけど、プロ間で(藤井システムではない)ノーマル四間飛車が復権しているのだとしたら、私にとってはとてもうれしいことだ
本局、加藤は守りの金が常に上ずってしまい、その処置に頭を悩ますことが強いられていた
普通の居飛穴だったら、守りの金はただ定位置に居ればいいことが多く、手が簡単だからね
今回、和俊がやったように玉頭銀で揺さぶるというのは非常に簡単に真似できるので、それが居飛穴対策になればいいね

将棋における男子と女子の差を改めて感じた一局となった
だけど、里見さんと西山さんが三段リーグでがんばっているのだ それがすごいことだと思う
糸谷哲郎 八段 vs 菅井竜也 七段 NHK杯 1回戦
解説 井上慶太 九段

糸谷と菅井、若手実力者どうしの一戦  糸谷の早指しに注目だ

糸谷は2006年四段、竜王戦1組、B1 8回目の本戦進出
菅井は2010年四段、竜王戦3組、B2 5回目の本戦進出

解説の井上「糸谷さんは見ててもユニークですし、将棋も独創的ですし、指しても非常に速くてとにかく魅力のある棋士ですね
菅井さんは糸谷さんと棋風も全然違いまして、糸谷さんは重厚な棋風、菅井さんは軽快なさばきの棋風ですね
人生観も対照的な2人」

事前のインタビュー
糸谷「菅井さんは非常に研究家の棋士で、最近は何でも指しこなすようになって、オールラウンダーの棋士
相手の作戦がしぼりきれませんので、自分の将棋を指すことによって戦おうと思います」

菅井「糸谷さんは終盤が強くて重厚な棋風と思っています
一局でも多く勝てるようにがんばりたい」

先手糸谷で、横歩取りの持久戦になった 相中住まいで、これ以上ないくらいのじっくりとした駒組み合戦となった
井上「私は昨年度、NHK杯の2回戦で糸谷さんと対戦したんですけど、うまく指せて、ほぼ必勝やと思ったんですけど、えらい逆転負けを食いまして、ずいぶんファンの方に『なぜあの将棋を』というふうにね、もう何回言われたかわからない(笑) 」
・・・NHK杯は反響が大きい、そこが一番の魅力だからね(^^;

駒組みの最中、糸谷に変な手が出た 8筋を歩で取り込まれて、一歩損して詰められる手が出たのだ
井上「えー これは信じられない、私には理解できない」
のちの感想戦によれば、糸谷のうっかりだったとのこと やはりそうか
ただ、致命傷には程遠い、軽いダメージで済んだとのことだった

菅井が中住まいから玉を8筋方面に移動、そこを糸谷が狙いすまして、9筋からスズメ指し風で攻めを見せる
駒組みがとにかく長い・・・(^^; でも糸谷は手が早いので、それほど時間は経っていない

角交換から角の打ち合いになり、そこでまたも糸谷らしい手が出た 
玉を3段目に上がって、力強い受け
井上「糸谷は中段玉にするのが好きなんです」

菅井、しつように角を打って、糸谷玉をナナメのラインで攻め立てる
井上「これは良い手ですよ、ちょっと菅井の手に勢いが出てきました」

おー、けっこういい勝負だな、と思われていたところで、糸谷に会心の一手が出た
糸谷は駒音高く、パンッと桂を叩きつけた
持ち駒になっていた桂を、端に打つ▲9六桂という、一点狙いの手
菅井の飛車をどかす、それだけの意味の手だったが、これがなんとも、対応しづらい・・・!

井上「はあ~ これは見えない手でしたね~ 私は一秒も考えませんでした
これは筋の悪い良い手ですね、筋のいい良い手はプロなら誰でも見つけられますから」

この桂で明らかに「パンチが入った」という状況になり、菅井はノックダウン寸前
井上「▲9六桂が好手でしたね~」
なんとか菅井、最善の対応で勝負手を放つが、糸谷は勝機を逃さなかった
強く踏み込んだ糸谷に、井上は感心
井上「糸谷は見切りがすごいなあ」

菅井の「最後のお願い」の攻撃を、確実に読み切って、糸谷は勝ち切った 
135手で糸谷の勝ち 長手数ながら、感想戦の時間が18分も余っていた これがいつもの糸谷将棋(笑)

井上「どっちが良かったかわからないんですけど、そうとう際どい局面になったんですけど、▲9六桂がすばらしい俗手で厳しかった」

横歩取りの超持久戦から複雑な戦い、難解だったな~(^^; 
菅井が感想戦でちょっと漏らしていたが、駒組みが飽和状態になり「どこが急所で何をやっていいものか」と、対局者ですらそう思っていたとのこと
菅井は玉を中住まいから右玉に移動させたことを後悔していた
▲9六桂を食らってから、粘ろうとしたけど、もう将棋の作りが粘れない形になってしまっていた
そこからもう逆転を許さないのも、さすがプロの将棋のレベルの高さだね

糸谷の▲9六桂、これはそうとう弱い人なら見つけられるかもしれない、という類の手だった
前から思っているが、「糸谷の桂の使い方」は、注目に値すると思う
糸谷が才能の片りんを見せつけ、快勝という内容だった
黒沢怜生 五段 vs 山崎隆之 八段 NHK杯 1回戦
解説 高橋道雄 九段

黒沢と山崎・・・ 黒沢は私は全然知らない、山崎の自由な発想が見どころだろう

黒沢は2014年四段、竜王戦5組、C2 本戦に初出場
山崎は1998年四段、竜王戦2組、B1 16回目の本戦出場

解説の高橋「黒沢はまだまだ新人だが、早くも五段になって活躍している
振り飛車党でさばきを得意としている、終盤の切れ味も抜群
山崎は山崎流という独自の優秀な指し方を色々と発表されていて、非常に個性的であり才能豊か」

事前のインタビュー(要約)
黒沢「NHK杯は3年間、記録係を務めさせていただいた
この舞台に出ることがあこがれでした
今日は喜びとともに気合充分な態勢で臨んでいます
山崎八段は力戦が得意とされていて、特に中終盤が強い印象です」

山崎「黒沢五段は振り飛車党の早見え早指しで自分のペースを握るとすごく破壊力のある将棋だと警戒しています
近年1回戦負けをしてしまっていることが多いのでぜひなんとか1回戦を突破して勢いよく指していきたいです」

先手黒沢の、▲角道オープン四間飛車vs△2筋の向かい飛車という、相振りになった
NHK杯で相振りはいつ以来だろう? 私は楽しみだったのだが、この一局は私にとって難局となった

この一局、戦いが始まるまでが異様に長かったのだ・・・
お互いじっくり駒組みし、考慮時間をたっぷり投入
▲中飛車+穴熊vs△向かい飛車の力戦形
本格的に戦いが始まったのは、番組開始から50分が経過したころだった

最近ではめずらしいけど、30年ぐらい前は、こういう「1時間近く経ってからようやく戦いに」という将棋も多かった(^^;

角交換から、山崎の角打ちに対して、黒沢が自陣角で受けたが、これがやはり高橋の言うように「黒沢は利かされた感が」という感じがした 
黒沢の角は、受け一方だからだ

高橋は「お互いに攻めが難しい、こう着状態になりそう」と言っていたが、山崎がうまく手をつなげていった
黒沢は苦しく、中央から動こうとしたが、結局、「相振りで中飛車にするのは、作戦負けになりやすい」というセオリーどおりとなってしまった

相振りで中飛車というのは、中央を攻めてみても、相手は中央は手厚いことが多い
そして相手は攻め駒と守り駒が、元々、役割が完全に分離しているので、中央を攻めても効き目が薄いのだ

山崎は格の違いを見せつけ、どんどん引き離していった
途中、黒沢が馬で山崎の飛車を追いかける展開となったが、山崎は丁寧に対処した

最後は黒沢が桂と飛車の交換という、大幅は駒損になったところで、希望なしとみて投了した
もう黒沢は山崎玉に迫る術がなく、大差だった

高橋「山崎は相手に力を出させない指し方が非常にうまかたですね
黒沢のほうはいつもの力を出せなかったですね」

感想戦が3分ほどだったが、どこをやるかということで、対局者が困っていた
徐々に差がつき、どこが勝負所だったんだ、という将棋だったなあ、相振りはこうなることも多いからしょうがないけど(^^;

今週は大差になってしまい残念だった 序盤が長いので私は眠たくなった 
山崎は強かったね、本局では手が伸びていた 人間相手だと、強い山崎が観れる
黒沢は力不足というか、選んだ作戦が損だった・・・ やはり相振りで中飛車は問題あると思った